■1-剪定-まだ寒い寒い1月からりんごの農作業は始まります。
剪定というのは、りんごの木の枝を切る仕事で、この剪定により、りんごの木の樹勢を維持したり、日光の照射量を調節したりします。
その結果、りんごの結実促進や、量より質を重視した大玉で真っ赤なりんごを作ることができます。
1本の樹に約1時間をかけ、じっくりと考えて剪定しますので、およそ1月〜3月までの間、延日数130日程度の時間がかかります。
■2-肥料の散布-美味しいりんごになるように、よりよい土作りをします。
大玉で、食味の良いりんごを作るためには、酸性土壌の改良、有機物の肥料の散布、過剰水分の排除等が欠かせません。
11月頃から3月頃まで基肥、その後実が大きくなるまで追肥として、何回かに分けて散布します。
■3-受粉-みつばちによる受粉。
当園では、まめこばちによる自然な方法で受粉させています。
開花時期はGW前後ぐらいです。2005年の開花は4月25日でした。
■4-薬剤散布-低農薬・減農薬での薬剤散布。
特に、ふじ などは黒星病・斑点落葉病など主要な病害の発生は多目の品種です。ですので、ある程度の農薬散布は必要となります。
ですが、近年、消費者から減農薬栽培のりんご生産の要望が強いことから、当園では、必要最低限の農薬散布にとどめています。
また、農薬は散布しても、散布の日から日数が経つにつれ、雨などで農薬は洗い流されてしまいます。当園では、夏までには散布し終りますので、秋の収穫時には皮のまままるかじりできます。安心してお召し上がりください。
また、当園は「草生栽培」で園地は緑に覆われています。自然にやさしい反面、草刈りは大変です。当園は安易に除草剤に頼るのではなく、なるべく除草剤を使わずに手間をかけて草刈りをしています。特に夏場は毎日のように草刈りで大変ですが、味にも違いが出ると言われてもいますので、汗をダラダラかきながらも頑張っています。
■5-摘果-量より質の美味しさを求め。
摘果とは、一箇所に5.6個つく実を1つだけ残して、あとは切り落としてしまう作業です。
障害の無い、発育の進んだ、実1つだけを残し、それを落花後、40〜50日後くらいまでに全て終わらせないといけないので、とても人手のいる作業です。
1度目の摘果のあと、当園では「見直し摘果」を行います。
見直し摘果では、更に残す実を制限して、量より質のりんご作りをしています。
およそ、4月下旬から7月中旬にかけて、延日数約300日もの時間がかかります。
■無袋栽培-果実糖度の向上。
無袋栽培は、有袋栽培と比較して、着色が鈍いことから、「剪定」「肥料散布」「適正着果」「支柱や枝吊りの強化」など、この他にもいろいろな点で注意を払って栽培しないとならないのです。
ですが、それほどまでしてどうして無袋栽培をするかというと、より多く太陽の光をあびて、糖度の高い美味しいりんごになるからです。
そのため、色のむらなどができやすかったり、鮮度保持が短いのですが、甘くて美味しいりんごとなります。(有袋栽培によるりんごは、貯蔵力が高く、4月以降も高価格で販売できるが、果実糖度は低下するようです。)
当園のりんごは全ての品種において無袋栽培=サン(太陽)りんごです。
■6-葉摘み-着色の管理。
葉摘みとは、りんごのつるの元についている葉を摘む作業です。この作業により、りんごに良く陽があたるようになり、色がまんべんなくつくようになります。
1回目は9月中旬・下旬、2回目は収穫20〜25くらい前の10月上旬・中旬に、2回ほどにわけて行います。
過度の葉摘みは果実糖度の上昇を妨げるので、少しづつ数回に分けて行います。
葉摘み・玉回しは およそ、9月上旬から11月中旬にかけて、延日数約180日の時間がかかります。
■7-玉まわし-糖度の上昇、食味の向上。
玉まわしとは、りんごの実の日陰の部分にも陽をあてるように、実をまわす作業です。
果実は、陽光面と陰光面では果実糖度が1、2度も違うため、玉まわしすることにより、陰光面の着色が良くなり、果実全体の糖度も上昇し、食味も向上します。
■8-収穫-いよいよ収穫。
りんごは、樹上に10日長く成っていることで、糖度が1度上昇するといわれています。当園では、1度に全てのりんごをとってしまうのではなく、3〜5回に分けて1つ1つのりんごを選んで収穫しています。
1つ1つのりんごを何度も見て回るのは、ちょっと大変な作業ですが、それが美味しいりんごを食べていただくための重要なこととなっています。
りんごの開花から収穫までは、だいたい175〜190日くらいとなります。この期間は、本当に毎日毎日忙しいですが、これもすべて収穫の喜びを味わうためだと思うと、苦にもなりません。
どうぞ、この手塩にかけた美味しいりんご、一度食べてみて欲しいです。
■9-全国で認められた美味しさ!-
空気が美味しく水が美味しいここ「波田町」で作られています。しかも、寒暖の差が激しいので実がぎゅっと締まった美味しいりんごになります。
長野県果樹販売促進協議会主催 第17回フジ品評会「須坂新聞社賞」受賞
長野県園芸特産振興会展 第33回うまいくだものりんごコンクール入賞
ふじ生誕60周年記念 全国りんご(ふじ)コンクール「銀賞」受賞
全国規模でのコンクールでも、「糖度」「玉揃え」「色沢」「形状」「病害虫」「果面障害等」「酸や肉質」「食味」などの審査において「銀賞」を頂いていますので、その美味しさは折り紙つきです。
りんごは全て完熟してから収穫するので、新鮮でおいしいりんごをお届けできます。
■10-りんごの保存方法-最後まで美味しく食べるために。
鮮度をなるべく保つには、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れておくのが一番です。でも、なるべく早めにお召し上がり頂くのが一番です。
よくご質問で「賞味期限はどのくらいですか?」と聞かれますが、賞味期限というのは”美味しく食べられる”という期限なので、りんごに当てはめると、収穫後、中生種りんごは約7〜10日程度(硬度のあるりんごは約10〜15日程度)、ふじに関しては約10〜20日程度、の内に食べていただくのが一番美味しい内ではないかと私は思います。
できることならば、賞味期限内にお召し上がり頂くのが一番美味しいとは思いますが、冷蔵庫等で適切な保存環境において頂ければ、賞味期限が切れたからといって急激に味が落ちるということはありません。食べ進めていく中で、味が落ちてきたなぁと思われたら、なるべくお早めにお召し上がり頂ければ良いのではと思います。(*加工品と違い、農産物については、賞味期限の設定は義務付けられてはいません)
(まめな方に・一番良い保存方法・)
保存の環境は、なるべく零度近くになるよう気温を低くして、湿度を90%程度に高く保つ事がポイントです。
常温では、果実が呼吸をして、柔らかくなり食感は落ち、甘味、酸味も減っていきます。低温にすることで呼吸を抑え、この変化を緩やかにします。家庭では、ポリエチレンの袋に密閉して、冷蔵庫に入れるのが簡単ですが、量が多いときは、段ボール箱のまま冷暗所に置きます。箱の中や外に新聞紙を掛けておくと水分が飛ぶのを抑えられます。
可能であれば、物置などの床に時々打ち水をして湿度を保ちましょう。 保存ができる果物ですが、家庭では食味が落ちるのを完全に防ぐことは難しく、蜜も消えてしまいます。なるべく早く食べるのが良いでしょう。傷などあるものから先にお召し上がりください。
(当園では、専用の大型冷蔵庫で保存しています。ですがやはり無袋栽培・完熟収穫によるりんごは、長期間の保存はできません。ふじでも2月〜3月頃までの保存が精一杯です)
当園では、特に発送の指定がない場合は、一番美味しく食べられる収穫後すぐにお届けしています。
ふじ等は12月中旬過ぎ等発送指定のお歳暮のご注文も多いですが、特に時期にこだわられない方は、一番美味しい時期にお届けするのも良いのではないでしょうか。
蜜とは?・・・りんごの中の黄色い部分。蜜とは言っても、これはソルビトールという成分で、これ自体には甘さはありません。蜜は、収穫後少しづつ散らばりなくなっていきます。また、蜜が入っていなくても、糖度に変わりはありません。
りんごのべたべたは?・・・このべたべたは、りんご果皮の高級脂肪酸(リノール酸やオレイン酸)による、水分を蒸発するのを防ぎ、新鮮さを保つための働きをしています。
実割れはどんなの?・・・実割れとは、つるの元が裂けている状態のものです。外面上の問題で美味しさは変わりません。
■環境にやさしい栽培
当園は、「環境にやさしい栽培」をモットーにしています。
*長野県の「環境にやさしい農業推進会議」で、農薬の使用回数を30%以上削減して栽培したことを認められました。
このように、安心・安全でしかも美味しいりんごを作るには いろいろな作業があり、又 こだわりを持って栽培するには、たくさんの労力とお金もかかりますが、皆様に喜んでお召上がり頂けるよう、家族4人で精一杯頑張っています。
(左のシールは平成14年度のもので、毎年ちがうシールになります)
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