真空管ラジオ・オーディオの流れ

 
 
1:真空管  1995(H07)-07-15


 一時期広告も少なく途絶えてしまったかと思っていました真空管セットが最近広告,製作記事も目だつようになりました。真空管自体も米国製,ロシ
ア製あり,中国製ありと新品でそろうようになりました。当然外国製も何等問題なくつかえます。広告には,特性が揃わない,バラツキが多い,管内放
電するなどとありましたが,私は問題はありませんでした。特に特性が揃わないという指摘は複数の記事にありましたが,この種のデバイスの特性が
揃っていることは通信用等業務用でないと無理でしょう。汎用トランジスタの規格で増幅率は40〜240 倍とけた違いで発表されているものもあります。
手作りに近い真空管の特性に少しぐらいバラツキがあるのはやむを得ないことと思っています。
 私は,真空管が好きですし愛着をもっています。もう10年いや5年でも半導体の実用化が遅れてくれればまだ新品種がでてきたこと,完成した技
術の基に作られた高性能真空管の在庫が多く未来に遺産として残せたはずだと思っています。全国の真空管マニアの皆さん是非真空管を愛して未
来の残しましょう。ただし,真空管は性能からいえば半導体に全ての点で劣っています。記事には真空管アンプは『柔らかい伸びのある音』,『切れの
良い音』,『温かみのある音』,『透明感のある音』とか,半導体アンプは『音が堅い』等みな主観的な感想でまとめられています。確かにスピーカーか
ら一旦出た音の物理的測定は非常に困難です。私も仕事上,無響音室,標準マイクロホンを扱いましたが,この場合は当然スピーカーから出る音
物理的に正確に測定できますが,人間の耳に聞こえる音を測定することは非常に難しくなります。まして家庭においては同一機器でも部屋の音響特
性は全て異なります。物理的にアンプだけの違いにより,トランジスタだから『音が堅く』なり,真空管だと『音が柔らかくなる』なるならば,近代物理学
は根底から書き直す事態になります。いやしくも電気という科学の分野に属する判断に中世の神憑り的な判断しかできないとは情けないとおもいま
す。機械の特性はあらゆる物,条件の影響を受けます。まして オーディオはリスリングルーム,スピーカー,アンプの特性等全部の影響を受けま
す。まして聞く人本人の体調によって更に聞いた感じは違ってきます。私は出力が小さくても,歪があっても,ダンピングファクターが悪くても真空管ア
ンプの雰囲気が好きなのです。子供の頃手近にあったので潜在的に真空管に親しみを持っているのです。ですので気楽にCDを聞くときはミニコンポ
ですし,気分が滅入ったときは真空管アンプでゆったりと聞くようになっていました。



2:手作りのアンプ

 手作りのアンプからの音は格別です。所詮アマチュアは測定器無しですから耳で聞いてそれなりの音がでていればOK、回路は書籍の回路図を部
品に合わせた回路ですし,特に悲しいことは,出力トランスがはるかに弱小の物でしたがが,既製品の音よりは良いはずと確信していました。当時独
身寮にいまして,マイカーブームの前兆など全く無い時でしたので,趣味はカメラかオーディオでした。これらと聞き比べてみても,私だけが自作の方
が良いと一人頑張っていましたが,同僚はすべて買った既製品の方が良い音だと言っていました。今にして思えば,見るからに貧弱な裸のアルミシャ
ーシィにむき出しの真空管がポツンと立っている物と大きなキャビネットのメーカー品の方が高性能と判定できますし,今にして思えば,メーカーの技
術者が知恵を絞って設計したものにかなうはずもなかったのです。このことは 現在の自動車でもいえます。燃費向上をうたったアクセサリーが多数
あります。口上のとおりの燃費が良くなるのならば自動車メーカーが無視することははありません。公平に比較すれば,メーカーの技術者が知恵の
限りをつくして設計,製造された物が,簡単に高性能になるはずはないでしょう。恥ずかしいことにこれが解った時は頭髪に白髪が目だつようになっ
ていました。


3:バルブチェッカー  1995(H07)-07-28

 名前のとおり,真空管試験器です。20数年前の指導員として勤務していた職業訓練校にも当然備品として,設備されていました。製造メーカー,形
式は記憶ありませんが汎用のST,GT,MT管すべての試験ができました。これまた,数年前,秋葉原のジャンク店で見かけました。当時は,真空管
には全く興味が無い時でしたのでただ見過ごしただけでした。今にして思えばもったいないことをしたと,後悔しています。バルブチェツカーが無くて
も,セットを組み上げて予定の性能が得られればそれでよいわけで,バルブチェッカーは無くてもよいのですが,外国製,中古の真空管はやはりどの
ような性能か知りたい(確認したい)ので,簡易バブルチェッカーを製作しました。
 回路はgmを直読できれば理想なのですが回路が解りまんでしたので,Ip/Eg 特性が解るようにしました。Ep=250(V),Esg=200(V)の時のIp/Eg を見る
ものです。小型の電圧計と電流計,その他並4ラジオ(昔並3ラジオ,並4ラジオ,高一ラジオというのがありました。想像できますか)位の部品ででき
ます。ただし,測定レンジを広げるための,分圧器,分流器の知識は必要です。本物の各真空管ピンの切り替えスイッチ,ヒーター電圧切り替えスイ
ッチはみのむしクリップで接続するという,神経を使う方式にしましたが,ラジオより簡単にできました。
 今のところ,+B電圧は250(V),Esg200(V)位の半安定電源のまま,カソード回路に零バイアスの保護抵抗を入れているため,規格表の値とは合致
しませんが,国産,中古品,外国製でも同一品種を比べればほぼ同一の特性を示しています。私のデバイスのバラツキの判断は,真空管より,半導
体を長期間携わってきたためか甘いとおもいます。ただ,不思議なことに実際の市販品は規格の中央値にほぼ正規分布しており,不良品に遭遇し
た記憶はありません。品質管理の高さには驚嘆します。真空管はヒーター,カソードエミッション,真空度等経時変化の大きな要素を含んでいますの
で,時々計ってみて測定記録は残していくつもりです。手持ちの真空管を調べてみましたが,異常品はありませんでした。結局問題の無いことを確認
しただけですのでバルブチェッカーは自己満足させるための物でした。
 (プッシュプルアンプのペア管ですが全動作範囲内では特性が合っているのでしょうか?.単一のバイアス点でのプレート電流が同一であっても動
作範囲全てで同一にはならないと思いますが。ペア管の選別方法についてお教えください。)
 真空管の電気的頑丈さは折り紙付きです。6Y6GT といういってみればトランスレスセット用の出力管があります。別項のユニット交換式アンプで
6CA7,6L6GT用の回路で6Y6 に差し替えてみました。音がなんだかおかしいなと思っているうちにプレートが真っ赤になってきました。あわてて電源を
切りましたがこれだけ赤熱させれば駄目かなと思いましたが,後日回路を修正し改めて動作させましたら何等問題ありませんでした。過去にもカップ
リングコンデンサーの劣化でほんのり赤くしこともありましたが、この時も真空管自体は傷みませんでした。この点、昔のトランジスターは弱かったで
す。とにかくヒューズが切れる前に出力Trが切れました。ですから[保護回路付き]が珍しくなかった時代です。これも昔話のことで最近の半導体デバ
イスの頑丈なこと、温度も火傷する位まで、大電流,高圧でも規格値以下なら一向にかまわないと解っていても、昔のことを思うと何時、熱破壊する
のかと無駄な心配をしています。
 真空管アンプもクーリングファンを付ければいいのにと思いますがやはり騒音が苦になるのか使用例は少ないです。

4:ペルチェ冷却素子  1999(H09)-08-19
     
 パソコンのCPUは使用中相当高温になります。消費電力は15W 位なのでクーリングファン付きのクーラーがあります。ペルチェ冷却素子を組み合
わせた物も市販されています。私のパソコンもペンテイアム200搭載型で非常に熱くなっていますのでこのペルチェ素子は大食らいでかつ放熱側は
大変です。放熱不足で素子を焼損させてしまいました。今度は液冷式への改造を計画し、タンクとポンプは自動車のウインドウオッシャASSY,冷却
用のアルミパイプ,接続ホース等部品は購入済みで後は組み立てるだけです。

5:自作アンプ  1995(H07)-07-13

 真空管セットは20年ほど前には仕事の関係で,作成したことがありました。当時は真空管は現役でというより真空管の時代だったので,家電メー
カー各社から,アンプは言うに及ばず,カラーTVも新型ノーバ管使用の物が発売されていました。当然トランジスターや一部IC化された製品は半導
体使用がセールスポイントで売られていました。ですからこの頃は電気関連の雑誌も多数発行されており,今の自動車関連雑誌以上の華やかさでし
た。製作記事も,ICはオペアンプ使用したプリアンプやドライバーアンプ位でしたが,真空管,トランジスターによる記事が必ずありました。この頃の
製作例は現在とやや異なり純粋に性能のアップいわゆるHiFiに指向しており,いかに市販部品を上手に使い回路を工夫し,部品配置等が腕の見せ
どころでした。
 (私個人としては現在の製作例は奇抜なデバイスを用いかつ不合理な回路の作成例と言わざるを得ないものがあります。まあ実験と名がついてい
るのでよいかもしれませんが,数mmの厚さの金属製シャーシィ,電力ケーブルとみまごうスピーカーケーブル等どのような理由により通常の部品を
使って良い音が出ないことが不思議です。レーシングカーは確かに微細なところまでチューンナップします。その結果はタイムで一目瞭然に判明しま
す。一方オーディオは最終的には人の耳で判断されます。確かにこの種の部品を使うことと、リスニングルームを整えるのが効果的かが話題になら
ないのが不思議です。確かに余りにも稚拙で非常識な部品配置,お粗末で未熟な半田付けならば,1cmのシールド板,何kgの質量があれば,接続
不良等による雑音が避けられる効果は期待できますし,測定器で特性試験をすればそれなりの特性は出るでしょうがヒアリングで判別できるほど差
がでるのでしょうか。)
 当然,回路,部品も奇をてらわず常識的で組立も整然とした,6CA7,6GW8,6V6,6BQ5,6L6等全ての真空管の製作記事が紙面をにぎわしていまし
た。地方では部品の入手が困難かと思われがちですが結構部品は容易に入手できました。また通信販売も活発で、私もよく利用しました。部品のう
ち,トランジスター関係はラジエターとサーミスタの入手が難しかったのを思い出します。ステレオは当時のトリオ(社)製6BM8ppのトライアンプを使用
しておりそのまま転勤にともない自作から遠ざかっていましたが,10年ほど前パソコンのI/O部品を買うため部品店でステレオパワーIC(STK4191) 
付きアンプの基版を数百円で売っていたので何とか改造して半導体アンプに使えないかと購入しました。この基版のままバラックでも充分使えたため
部品をそっくり外し,どうせ作るのならばチャンネルアンプにしようと一度に3台をプリント基版から自作し,プレーヤーに組み込みオーディオを楽しん
でいました。この後ははやりのミニコンポの時代となり自作アンプからは完全に遠のいていました。
 ところが,昨年パソコン部品を買いに秋葉原にいったところ,所用のものがなく,ふと真空管扱い店で昔欲しくても買えなかった6CA7があったので
買ったのがきっかけとなり,その後機会があるごとに真空管や部品を買いました。以前投稿されておりましたが,私の家でも電気部品は私にとっては
宝物であっても,家族は段ボール箱に入っている危険物としか認識してくれません。(独身の読者でしたら未来の奥さんとの趣味を考えたほうがいい
ですよ)まさか,アンプとして完成されている物を捨てられることはあるまいと,急遽アンプをつくることにしました。
 ただし,折角作ったアンプを家族が好意的に使ってくれるかは不安がかくせませんが−−。

  その二 2004(H16)-08-15

 夏季休暇がとれたので押入れを整理した。ダンボール箱に『オーディオマニアが頼りにする本』の4冊組がでてきた。内容は正論半分、ふざけるなが
半分でおもしろい。電気理論に合致した文面がある一方、著者自身の好みを強制するあまり電気理論を無視している。やはり、趣味の話となると自
論を言わないとすまないのが小生を含めて共通のようだ。少なくても、工科系の本は電気理論から逸脱しないで欲しいが無理か。まあ、趣味のことだ
から、本人が満足すればよいのだが、書籍として販売するものは最低限、電気理論に外れずに嘘は書かないで欲しい。頼んで買ってもらったわけ
ではないので、買った人間が悪いと言われても困るが。
 大分前、狂った教祖の宗教集団が殺人事件まで起こしたが、オーデイオ界にも教祖がいる。こちらは宗教法人の認可を得ていない任意団体らしい
が、信徒は多いらしい。昔の関連雑誌はそんなに非常識な記述は無かったが、いまでも覚えている事件があった。@先ず、常連の著者が回路の
説明を投稿した。Aすかさず反論者が投稿した。B何故かここで、第3者がAに反論しつつ@に賛意をしめしつつ、かつ自論を投稿した。
Cここで@の著者がAに反論しつつCにも反論していた。と読者には何がなんだか訳がわからないバトル記事があった。
 少なくとも読者を迷わせない真実を記載した専門書が望まれるが、売れればいいのか、邪教の拡大に手を染めているのが悲しい。
 オーデイオのような低周波信号回路は、半導体、真空管を問わず、相当無茶苦茶な使い方をしても音は出る。高周波やデジタルは理論とおりで邪
教に犯されることはないのはうれしい。

邪教の教義(狂儀?)
@ トランジスター⇒○石と数える⇒石⇒石⇒          硬い⇒音が硬い。
   真空管    ⇒○球と数える⇒球⇒ゴムボール⇒ゴム⇒柔らかい⇒音が柔らかい。
   これは常識となってしまった。⇒ 定説になったか。
    『こんな単位に用いたイメージで音の質が決められてたまるか』
   半導体アンプも f特 ダンピンク゜ファクターを真空管並に”落とせば”同じ音になる。

A スピーカーケーブルを電力用ケーブルにする。
    ダンピングファクターは向上する。ならばボイスコイルも極太にせんかい!。
    どうも何の太さとスピーカーケーブルの太さは反比例しているらしい。

B 配線材料のビニール被服を剥ぐ。
    女性を裸にできないので、ビニールコードを剥ぐのか。
     悲しいな。まあ新聞記事にならないからいいのか。

C 無酸素銅、音楽用ハンダ。やっぱり好みで買うからしかたないか。

D 兼田式、作間式は検証してほしい、超酸欠はHPがあるが。

    
 
6:STK4191チャンネルアンプ  1995(H07)-07-13

 先に述べたとおり基板だけは組み立てた状態であったわけですがこれも完成品にするためと,シャーシィ加工が昔通りできるか試したかったり,ま
た真空管用に買ってきたシャーシィがやや小さすぎたのでICアンプを作ることにしました。前述のとおり基版はラジエター付きで作って有るので,パー
ツを組み付け若干の配線で完成しました。STK4191 の規格が解りませんが自動車のスモールライトの電球(24V25W)をダミーロードとしますとそれは
きれいに点灯,点滅させる出力があります。(ヒアリングテストではミニコンポの音と区別がつきません。)なにより良いのは,発熱が無く真夏の大出
力で動作させいいる時でも素手でICに触れます。
 このジャンク基版は通常のオーディオ入出力に加えてマイク入力,モノ出力がある30cm角の基版でプリアンプは4585のオペアンプを多数組み込ん
であるものでした。この基版から必要な部品を外し,回路を写し取り,大型のラジエターを金鋸で半分に切断し,C,R部品はそのまま使い組み上げ
ました。無理して外した部品だったので,雑音でもでるのかなと心配しましたが,まったく雑音はでません。最近の部品の高品質には驚かされます。
電源トランスは別にやはり新品ではありましたが,基版に付属していたものではありません。供給電圧は基版に記載された値より1割程低めの電圧
となりました。ブリッジ整流器は大電流用を並列にし,平滑コンデンサーは基版のものを外して並列にして小基版に組立たもの更に大容量を並列に
しています。このようにして費用は部品代として8.000 円位で (25W+25W)×2 のステレオマルチアンプができました。
 更に余った4585でイコライザーとヘッドホンアンプをつくりました。イコライザはジャンク基板の回路と部品をそのままコピーし,ヘッドホンアンプは回
路集を参考にしたものです。やや過負荷気味の気はしますが順調に動作しています。 低インピーダンスの半導体アンプは真空管よりはるかに手軽
で基版のエッチングもシャーシィの穴あけに比べれば大した事はないし,部品もコンパクト,なにより電撃の心配が無いことはありがたいことです。ま
た 誘導雑音にも強く,先の基版はマイク,PHONO 入力回路とも全くシールド線は使用していません(どうしているか知っていますか?。単に芯線の
両側にアース線のランドがあるだけです。残った基板にボリューム等を接ないで試験しましたが,ノイズは真空管トライアンプと同程度です。しかもケ
ース無しで裸のままのバラックセットですから驚きです。)やはり差動増幅,NFBはすばらしく全くハム雑音が有りません。真空管アンプの時は,ボリ
ュウムを絞っても聞き取れる位のハムが残り,フィルターコンデンサーを増したり,ヒーターを定電圧直流点火にと苦労したものでした。


7:6L6WGCモノラルアンプ  1997(H09)-05-06

 概ね25年ぶりに,真空管アンプを作りました。組立後のヒヤリングは配線忘れが2個所で完成しました。動作させる自信はありましたので,完成直
後は鳴って当然と思っていました。その後,数日ラジカセのイヤホーン出力を信号として聞いていました。カセットテープは昭和40年代の私の若かか
りし頃のポピュラーソングでしたが,聞けば聞くほど音の良さが実感してきました。スピーカーはカーステレオの安物ですが明らかにラジカセの音と違
います。いろいろ考えてみましたが,ICの広帯域増幅にはおよびもつかない,C−R結合,出力トランスの周波数特性によるものと思われます。このf
特がちょうど耳に心地よい音になるのでしょう。
 ただ,発熱の多さには閉口します。とにかく電気ストーブの代用として充分使えます。

  H09.08.13  GT管電蓄ラジオにするため分解しました。3月間の使用でしたがメインの6L6WGCステレオアンプのデーター取り,発熱量等充分活
用しました。


8:6L6WGCアンプ  1995(H07)-07-13

 出力管はロシアSOVTEK製の6L6WGCです。二まわりも径の大きなタイトウエハー型のGT管です。価格は秋葉原で@1K円で購入しました。一
応ペアーとするため予備をふくんで6本購入しました。回路はムラード型です。当所の計画では6CA7PPと考えていましたがたまたま秋葉原で6L6W
GCを見つけ変更しました。6CA7のスマートな形状と全く逆のずんぐりむっくりの形です。6V6 シリーズより大型なので見栄えは最高です。しかもタイト
ウエハー型なので一見大型のノーバ管にみま違えそうです。電極も大きく,重量感もありお進め品です。ラインナップは6SJ7W−6SN7−6L6WG
C*2,スクリーン電圧安定管に6L6GTとなります。スクリーン電圧安定管は軽く動作させており効果のほどは不明です。それぞれ形状の異なるGT
管を組み合わしたかったために6L6GT をあえて使用しました。電源トランスは昔カラーTVからのジャンク品,ヒーター巻線は容量不足のため別にヒ
ータートランス使用,整流はシリコンのブリッジ整流とやはりTVジャンクのチョークコイルと電解コンデンサーを使います。出力はICアンプの強烈さに
は負けますが,やはり雰囲気は最高です。保護カバーのスリットから見えるヒーターの灯,また それを反射して輝く真空管のガラスと,最高です。室
内を暗くして,曲を聞きながらビールを飲む時は,シャーシィ加工の擦り傷,半田付けの火傷など全く忘れ,再度真空管アンプを作ってみたいと感じま
す。


9:『恐怖の6L6WGCステレオアンプ』  1995(H07)-07-13

 この6L6WGCアンプの製作途中の話です。外観は真空管アンプです。ヒーターがなんとなく暗そうで発熱も何となく少なそうですが25W-25W の出
力を誇りました。ただし ヒーターはなんとなく暗く,残留雑音がどうしても除去できず仲間には不審がられました。そのうえ,電源スイッチONで直ちに
動作しますし,真空管が無くても動作します−−−−。すでにおわかりの通りシャーシー内にカーステレオのブースターアンプを組み込んだ物です。
専用コードを外し配線しなおしたものです。店頭展示品のジャンク品のせいでですか残留雑音が大きすぎました。でもカーステレオ用なので,これが
普通かも知れません。余りにも雑音が大きいと製作技術、はては頭まで馬鹿にされましたので元の真方式にしました。でも 私は真空管の持つ雰囲
気が好きなのでそのうち外観は真空管アンプ,シャーシー内にICアンプの物を考えています。真空管マニアからは迫害されそうですが−−−。仲間
うちでの冗談でもも,貴重な真空管を常時使用するのは忍びないと考えているのもいまして,普及品の真空管アンプを作ろうか,それとも『恐怖の2A
3ステレオアンプ』を作ろうかとしている人が居ます。ただし、ハンドブックによると、真空管は正規電圧の時以外は高いのはもちろん低くても性能低
下すると記載されています。


10:組み替えの出来るシャーシー  1995(H07)-07-16

 過日の記事に真空管ソケットアダプターにより各種出力管を自在に交換してヒアリングテストができるアンプが紹介されていました。実は私も種類,
数とも僅かですが,依然からこのように出力管,回路による音の違いを試したいと思っていました。ところが悲しいことにひまはともかく部品代,保管
場所のためにあきらめていました。一つのシャーシーを用いて初めから組み直すことも考えましたが,分解する前の状態に戻すということは,再度組
み立てることになります。いかに組立が趣味といってもこれを実行する気にはなれませんでした。その時この記事を読んで,ソケットアダプターの作成
は無理なのでサブシャーシー毎交換する方法にしました。シャシーシィは6L6WGCステレオアンプと同一のリード(社)のS2シャーシーです。相当大
きめですので,電源回路,トランス類を固定し,増幅回路のみをサブシャーシーに組み立てます。後はアルミ板でサブシャーシーを作れば良いので
す。コンピューターみたいにコネクターでの脱着ができれば理想なのですが,気に入ったコネクターが見つからないので,ICピッチ22ピンコネクターと
接続基板を加工して脱着します。少々手間がかかるのと,機械的強度がやや心配ですが、目的は叶えてくれます。プッシュプルを2個,シングル2個
の出力トランスを取り付けているので,6L6WGC,6L6GT,6V6GT,6BX7PP,6BQ5,6BM8,6WC5,6AR5,47B,6CG7PP,12BH7APP 等作りたかったアンプが簡
単に出来るではないか,更に3Dアンプ(左右はやや低音部をカットと中央部から極低音部をモノラルで再生する方法,3Dだけの臨時増刊が出た
り,専用アンプが発売されたり人気があった)に,また,シングル出力トランスをスクリーンチョークにしたOTL,プッシュプルトランスを並列接続による
SEPP,M(社)製カラーTVの音声出力に採用されていた,出力管をカスケード接続にしたOTLを自由に楽しめるではないか。グリットキャップをなん
としても手にいれST管(57S-24B)の古典アンプが再現できるではないか−−−。双3極管のPP,ミニパワーOTLもつくってみようかな−−−。今年
の秋から冬はこたつにあたりながら好きなことで過ごせるではないか。またまた寝不足になってしまうな−−−。と今から楽しみにしています。CR部
品と真空管ソケットは重複するので無駄のような気もしますが,真空管をセットしておけばインテリア−−−−にはならないか。


11:古いラジオと真空管  1995(H07)-07-13

 私が小学生の頃,母屋の横に土蔵がありました。親が留守の時は土蔵は薄暗く物置になっている2階は格好の遊び場でした。そこにバッテリ式の
古いラジオがありました。最近の書籍で紹介されたとおり木のケースというより箱に入っているものでした。当然シャーシィは無く裸線で立体配線,巻
き線の大型レオスタット,単連バリコン,そして美しく鏡面が輝くナス型真空管が4本な並んでいたことを40余年たった今でもはっきり覚えています。
そしてB電源用の試験管サイズのガラス箱が数十本並んだバッテリの残骸がありました。今再生する事は不可能でも,手入れをすればインテリア以
上の物になる物でした。私はこれを壊してしまったのです。真空管はガラスを割り内部のプレート電極版をむしり取り,レオスタットは巻き線をほどき,
バリコンの電極版は1枚毎分解してしまいました。悲しいことに,まだあった,ST管の高一ラジオも同じ運命となりました。当時健在の父親はこのこと
に気がついていたのに,叱られた記憶がありません。多分そんなに裕福でない父親が無理をして買ったラジオなので,新しいラジオを買っても愛着の
ある古いラジオを大事にとっておいたラジオだったのでしょう。そんなラジオを子供にたたき壊されたおもいはいかがばかりかと後悔しています。もし
今,私が大事にしている真空管を子供が壊した時叱らずに許せることなど想像できません。その後社会人となったとき,地元放送局でラジオ,テレビ
の歴史展がありました。この時も,主催者と雑談しているときに,この話をし「もったいないことをしてしまいましたね」と言われ本当に情けなく思い反
省しました。この原体験があるために人一倍真空管に愛着がでてきたのではないでしょうか。ちょうど小説の話のように,いままで埋もれていた記憶
がほんの僅かのきっかけで鮮明に浮きでてくる.こんな感じです。


12:子供のころの茶箪笥の上の高一ラジオ  1995(H07)-07-13

 子供が背伸びしてやっと届くところにラジオがありました。何となくスイッチ,同調つまみ,再生つまみの使い方はしっていました。一番記憶があるの
は,夕方 風呂を焚きながらラジオを聞いていたことです。地方でも放送していたかは不明ですが,「赤胴鈴の助」のような子供向け番組を楽しく聞い
ていました。ところが夜の家族そろってラジオを聞いていたという記憶が有りません。多分 再生式の音質不良を母がきらっていたのかもしれませ
ん。古い家具特有の臭いと,がっちりした木箱に堅いボール紙コーンのマグネチックスピーカー,ミニ出力管に再生グリット検波の音は現在のラジカ
セいやポケットラジオにも劣りました。しかし オーディオの類は,町の映画館,まれに通る宣伝カー,蓄音機,それにこの高一ラジオ位の物でしたか
らなんら音に関する不満はありませんでした。ただ再生不良の甲高いピー音は何故発生するのか解らないままいやでしたが。その後,マジックアイ
付きのMT管2バンド5球スーパーラジオになりました。当然高一ラジオと比較できないほどの高感度,高音質で,モノクロTVがカラーTVになった位
の衝撃でした。裏蓋から覗き視るMT管のハイテクさに感動したものです。本では見たことのあるベースの無いMT管が何故割れもせず真空が保て
ていることが不思議でした。この頃からラジオ組立をするようになったので,キャビからシャーシィを取り出し,きれいな抵抗器,コンデンサーに見入っ
たものでした。MT管に触るのも始めてだったので,何回か脱着しているうちにとうとうクラックが生じさせたこともありました。


12:トランジスターラジオの始まりと携帯ラジオ  1995(H07)-07-13

 トランジスターも本では見ていましたが,実物を手にしたのは昭和37年位でした。それも友人から譲ってもらった中古品でした。しかも今ならLSIの
8255が数個買える位でしたが低周波用(HJ−13という名称の日立製だったと思います。形状も円筒形でなくキャラメル状)でした。ゲルマラジオに低
周波増幅を付け加えて屋外でロッドアンテナで聞こえたと喜んでいたものでした。旧式のトランジスタでありましたので当時言われていたとおり2段増
幅でも雑音が苦になる位大きかったものです。この頃はトランジスタも実用化され,携帯ラジオとして多数販売されていました。アルバイトをして買っ
た6石(この頃からトランジスタ数を石と数えていました。今なら妙だと思われますが当時は全く違和感はありませんでした)ラジオをポケットに隠して
授業中イヤホーンで聞いていて得意がっていた物でした。この携帯ラジオは小型軽量に重点を置いていたためか音質が『トランジスタの音』と印象付
けられた音でした。これはしかたないことですが,あまりにも小さすぎるスピーカーと出力トランス等にありました。それまでは,HiFiにはほど遠いマグ
ネチックスピーカーの高一ラジオでも木製キャビネットから出る音に聞きなじんでいたのです。また,同時に家庭に入ってきた白黒テレビの音とは比
較すらできない音でした。特にテレビ音声はFMなのでAM放送とは格段の音でした。ところで,真空管の『携帯ラジオ』というのが,解りますか。すで
に昭和初期頃に小型で簡単に持ち運びできる携帯ラジオがあったそうです。当然配電されている電源が必要です。この他に第二次世界大戦後の昭
和30年代には乾電池を電源とする電池式の携帯ラジオが大発展したのです。真空管ですから高圧用には積層乾電池(30(V),45(V),67.5(V)もの高圧
が取り出せます。),フィラメントには単二を使います。高価な商品でしょうか昭和40年過ぎにも修理を依頼されました。原因は真空管ヒィラメント断線
でした。この頃まで,電池管は限られてはいましたが市販されていました。ただ高圧の積層乾電池は既に店頭から消えていましたので,交流電源で
使用していた物のようです。音質はやや大きめのボディとスピーカーのため良かったのですが,出力不足は否めませんでした。


14:昭和30年から40年頃のAV  1995(H07)-07-28

 この頃のオーデイはラジオは乾電池は割高感があったのか,携帯用と卓上用のFM放送が実用化されたトランスレスのAM−FMラジオも多数あり
ました。テープレコーダーはまだカセットが発表されていませんので当然オープンリールでした。ラジオと同じく小型の携帯用はトランジスタ,大型は真
空管,半導体といろんな製品がありました。さて ステレオですが本格的(本格的か否かの区別は難しいのですが当時は木製キャビネットとMM型カ
ートリッジ使用とします)なステレオは以外にも真空管でした。と言うより何故かステレオは普及品クラスはトランスレスの真空管式が主流でした。当時
の勤務先が,M社の真空管式キャビネット型ステレオ(プレイヤー,チューナー,アンプ,スピーカーが一体の木製キャビネットに組み込んである),S
社のトランジスタラジオを下請けとして製造している会社でしたのでこの時始めてFMMPXステレオを知りました。当時当地方の放送局は『実用化実
験局』でしたのでステレオ放送はされていなかったので,工場内に試験用電波の設備がありました。2球だけで1つの電波からステレオ出力が得られ
ることにおどろきました。


15:真空管とトランジスタ  1995(H07)-07-13

 この頃(昭和30年代後半)のトランジスタは次々し新型が発表され,高周波,大電力は不可能と言われていたのに,各社から高性能品を発表して
きました。こうなると真空管は太刀打ちできずに家電製品から追放される運命でした。価格,形態,消費電力,発熱,電圧,寿命とどれをとっても真
空管には勝ち目はないところに真空管ではいかに発展しても不可能なことがトランジスタはいとも容易にクリアしてきました。(何のことだか解りました
か。PNP,NPN型トランジスタのことです。2SA,2SB,2SC,2SD と煩雑な分類にうんざりしていたわけですがこの2タイプがあってこそ現在のIC,LSIが
できるのです。)このため真空管はマニアのノスタルジアにささえられ,生き残ることとなりました。既に国内では製造中止され,製造設備は廃棄さて
いるのではないでしょうか,例え設備は再構築できても,技術が途絶えているでしょうから過去の高品質の真空管は期待できなくなるでしょう。たのみ
とする外国製もいつまで製造してくれるのでしょうか。残念ではありますが私は多分近い将来は真空管は絶滅することでしょう。たかだか半世紀の間
に誕生し進化し全盛期まで登りつめたのにあっというまに絶滅してしまうのです。『真空管』は死語となるでしょう。大型ガスエンジン(日本にはなかっ
たらしい),レコード盤,蒸気機関車等全盛し,人々に愛され,使われたものが,あっという間に負けるとは思ってもいなかったライバルに蹴落とされ
全滅していくのを見るのは本当に寂しく,切ないことです。確かに機能的には新しいものが勝っていることはわかってはおりますが寂しいものです。


16:秋葉原  1996(H08)-07-31

 私が始めて秋葉原に行ったのは丁度30年前の東京オリンピックの直前でした。はっきりした記憶はありませんが,現在よりは部品店の中にぽつ
ぽつと家電店があった気がしています。当然,真空管は主力商品であったわけです。当時,家電製品は,半導体化になりつつある時期でしたが,主
力のテレビは携帯用を除き真空管式であったわけです。特にカラーテレビは30本からの真空管を使っていましたのでその消費電力たるやちょっとし
た電気ストーブ並でした。トランスレスは白黒テレビはヒーターは1ラインで足りたのにカラーテレビは2ライン+ヒータートランスが通常でした。またエ
アコンなど全くありませんので夏の暑い日にはテレビに近寄るだけで熱気が感じられ,近々高温のため壊れるのではと心配したものです。このため,
真空管は身近でかつ専門的な電気部品の地位を確保していました。


17:ユニット交換式ステレオアンプ  1997(H09)-08-18

  6BQ5/6BW6 プッシュプルステレオアンプ

  6U8A-6BQ5/6BW6ppの6球ステレオアンプです。6BW6は国産化されなかったと思います。現品は英国製の12BH7Aと同一形状のビーム管です。
7PMT管の6AQ5よりひとまわり外観,出力とも大型です。ただしいかなる理由かピンの接続が6BQ5とスクリーングリッドが異なっています。3結接続
ならいいのですが、私は5極管接続ですのでスイッチ切換で組み立てました。6BQ5共々真空管ガラス表面温度はものすごく何回も火傷をしました。
表面が滑らかなガラスの火傷はきつく、ちょっと触れただけでも水膨れの火傷です。


  6080 単管プッシュプルステレオアンプ

 6080は大きめのGT管の電圧安定管です。バイアスが深くドライブが大変です。バランス調整も生半可では不可能です。カット&トライでバランスをと
れてもスペアと交換すると始めからやり直しです。音質は特徴は有りませんが、見た目は迫力有ります。

  6CA7 シングルステレオアンプ

  6BX7 シングルステレオアンプ


18:電蓄ラジオ 『8球GT管の電蓄ラジオ』 1997(H09)-08-17

 本棚を整理していましたら、[解説ラジオ回路集](昭和37年発行版)が目に止まりました。懐かしくページをくっていましたらラジオを作ってみたくなり
ました。東京へ出張のおり,秋葉原のいきつけの店で真空管(6SA7,6SK7,6SQ7,6V6,6X5)は揃いましたが,バリコンを始めとする高周波部品が有り
ません。 若干の手持ち部品もありましたし,自作2バンドマジックアイ付きMT管5球スーパーがありますので作り替えても良いかなと考えながら帰り
ました。
 さて、いざ分解するとなると惜しくなり、部品取りに中古真空管ラジオを買うことにし,リサイクルショップ等に問い合わせ在庫を確認し,買いに行き
ました。数店みてC社製卓上ステレオを7,000 円で買ってきました。真空管はFMMPX/AMで30A5のプッシュプルステレオの完動品でした。完動品でし
たので何となく分解するのが惜しまれましたが清水の舞台から飛び降りたつもりで完全に分解しました。メーカーセット品なのでバリコンはトラッキン
グレス,IFTは半田付け型,発振コイルは直付け型と少々心配な点です。「まあ、ラジオがだめなら小型ながらプッシュプルOPTが2個手に入ったの
でまたステレオアンプでも作るか」と慰めつつ全部品を外しました。とくに10ピンMT管の17AB9 は始めて手にすることができたのはラツキーでした。
 さて いよいよラジオの製作開始です。当地区では電波状態が良くなく5球スーパーでもアンテナ線が必要な所ですので高周波増幅付きにします。
低周波は[電蓄ラジオ]ですから、音質調整付き、プッシュプルとします。
 ラインナップは RF-6SJ7,COV-6SA7,IF-6SK7,DET/AF-6SQ7,AF-6SL7,OUT-6V6pp,マジックアイ-6GE12 となります。電源トランスの都合で整流管が
使えないのが不満が残ります。3連バリコンではありませんので6SA7は高一の検波用コイルを超Qダンプし結合します。IFTはアースラグに半田付け
で固定します。概ね2週間位で完成しました。やはり、バーアンテナ,高周波増幅の効果は大きく予定のとおりです。
  スイッチを入れても,なかなか音が出てこないので一瞬「故障かな?」とビクッとさせてからおもむろにおとが出ます。少々心臓が心配になります。高
周波の調整はダイアルがありませんのでトリーマーだけで済みました。IFTは当初のままでOKでした。
 特筆すべきはマジックアイの6GE12です。秋葉原で買いましたが多分国産だと思います。ハンドブックの類に記載されていない非常にマイナーなス
テレオ用[独立した指示部が2個ある]のGT管タイプです。


19:リンカーンラジオ  2003(H15-10-21)

20:集中配置型6EH7ラジオ  2003(H13)-10-04

21:GT管高1ラジオ  2004(H16)-01-04


22:[自作プリセレ付デジタル直読6EH7ラジオ 1号機]  2004(H16)-07-31

 ハイgm管 フレームグリッド 6EH7 9ピンのMT管 フレームグリットと称される繊細な構造にしてハイgm化したセミリモートカットオフ管。
  6D6−−−−1,600 μモー
  6BD6 −−−2,000
  6BA6 −−−4,400
  6SK7 −−−2,000 に比べて、
  6EH7は12,500 μモーとなっている。動特性の利得計算は、電極電圧、バイアス等が関連
   するのが、おざっぱに言えば、gmに比例する。(さらに rp (プレート内部抵抗) という定
   数が加味されるので、いちがいに数倍にするのは難しい)
   バラックの試験では、@グリット側は同調回路のハイインピーダンスでも可。
                Aプレート側のハイインピーダンスは難しい。このため、周波数
  の高い高周波増幅が難しいと思われがちだが、プレートが非同調の高周波増幅のほう
  が、中間周波増幅より気楽に作れる。

  ハイgm管使用で注意したこと。
  1 組立・配線後発振すると対応が大変なので、初めから発振止め対策をする。
    @ 回路と部品配置は基本を守る。更に部品配置間隔もメーカー品と同程度にする。
    A 真空管ソケット取付けビスにアースラグを付け、センターピンとで、シールド板を
      付ける。【1段増幅なら不要かも】
    B +B、AVCラインにデカップリングする。G2は各管にパスコンを入れる。
    C 中間周波増幅段はG1に発振止め抵抗を入れる。【不要かも】
    D プリセレラジオはフェライトビーズをG1とPに入れた。【不要かも】
    E ヒーターのホット側にバイパスコンを付ける。
    F カソードにRF/IFのGAIN調整をいれる。 
    G カソードは2ピンとも配線する。
     
  2 試聴で発振した時
    @ バイアス電圧が低すぎないか。
    A シールド板の囲みを強くする。
    B プレート負荷インピーダンスが高すぎないか。(中2ではIFTが高利得、高選択
      型になっていないか)

  3 試してはいないが
    @ 真空管にシールドケースを付ける。
    A 電極電圧を下げる、バイアスを深くするなどしてgmを下げる。
        【これこそTRIO RADIO CLUBの春日氏の言葉のとおり、ハイgm管を使う意
       味が無いことになる。】

  4 先ず、バラックで試してみるのが確実。プレート側が同調回路は要注意。
    オークションで6EH7は容易に入手できます。どんどん使いましょう。
    
23:並3ラジオ  2004(H16)-08-29

24:秋葉原  2004(H16)-09-08

 久しぶりに秋葉原に出た。あまりの猛暑に思考力が更になくなり、ラジオカウンタの組み立てキットをまた買ってしまった。オークションの売れ残りが
あり更に部品の在庫が増してしまった。BBSで話題になっているサンエイ電機はやはり閉まっていた。開店日が書かれていたが早く元に戻られること
を願っております。最近自作ラジオ・アンプの書籍が出版され、自作ラジオに興味を持っていただける方が増したことをうれしく思う。昔の 「ラジオ少
年」 でなく、現役の少年がラジオの自作に目を向けてくれると持つとうれしいのだが。秋葉原でもゲーム関係店は少年でいっぱいだが、ラジデパ、ラ
ジオセンターでは一人として少年に会わなかった。男の子なら工作は好きだと思うが、部品価格が異常に高騰してしまったので無理だろう。将来デジ
タル技術者を希望する子もアナログなら電気になじみやすいと思うが。ラジオは無理としても真空管オーディオから真空管に興味をもってほしい。 

GT管電蓄ラジオ2号機
構想  2004-09-26 構想開始した。
構成
 1. 音声出力は6V6又は6F6メタルのプッシュプル。となれば低周波系はGT管かメタル管かつトーンコントロール付き
 2 電源トランスはジャンクシャーシーのが使えそうだか、+Bが400V120mA。整流はシリコンから5Y3GTに変更する。
 3 『解説ラジオ回路集』 72ページの『〔119〕音質のよい中出力ラジオ兼用電蓄』の回路に倣う。非同調の高周波増幅を付ける。
     @基本回路はQダンプ及び可変帯域 IFT使用。⇒Qダンプ無し。通常 IFT
     A鉄製シャーシーなので立型OPT、整流管は5RK16にするか、ヤスリひとつで鉄シャーシーを加工するか。
 4 また悪い癖が出てしまった。回路図に準じるつもりだったが、非同調のRF増幅管をつけることにした。
 5 ケチな性分なので、電源トランスは他にもあるのだが、何とかこの400V120mAを使いたい。600WVのケミコンは無いし怖いなあ。
 6 また、励磁型スピーカーを使うのだが、ケースがないのでこれまたやっかいなことになってしまった。  
雑感。
 1 National NC-183-D、HRO-50TI、HRO-60やHammarlund SP-400-XもHallicrafters SX-83は6V6のプッシュだオーディオ用に買
ってある6L6がいっぱいある。感度は負けても音声出力は負けるものか。HammarのSP-600-JXはV6のシングルだ。        (どうも、
当初の目的を見失いつつあるな). 
 2 やはり鉄シャーシーは諦めた。ただ形状は従来の横型から縦型(パソコンのミニタワー)にしてみるか。
     実家の物置には何故かミニタワーケース(PC部品付き)が2個隠してある。3階立てのラジオも面白いと思うが。
    9月になり、だいぶ涼しくなり、思考力がかすかに回復してきた。まじめに真空管ラジオを作ろう。更に月末になったら、別案を思いつ
き、プリセレラジオと電蓄ラジオに分けて作ることにした。
 3 真空管のかたち
 GT管は迫力があって好きだ。オーディオの出力管はGT管に限る。6L6系は種類も多く、4本組で数組ある。
 MT管は普通。高周波用のハイgm管はMT管の一人舞台なのでMT管の自作ラジオもある。
 ST管は興味の対象外。半世紀前のオクタルベースだけどガラス管がST管型(6L5Gと6G6G)がありデットストックにっている。この2種のソケットより
上は76や6Z-P1とそっくりの形状だ。使用中は区別が解からないので、高価なST管の代用にどうだろう。

 一時期よりオーディオ用の真空管は新品が安価にでまわっているが、高周波用は流通在庫のみなので高額になってしまった。

  ST管ではあるが、6E5マジックアイの高騰ぶりはすごい。どうも、オーデイオ教の教祖が本来の同調指示でなく、飾りに使うように布教したためら
しい。まあ、お互い趣味だから、なにをするのも勝手だが、どうせ飾りにするならネオンサインでしてくれればありがたいのだが。小生もオーディオも趣
味なので、悪口は言いたくないが、さすがにオーティオ教祖となる人は違う。何せ電気理論は無視し自論を振りまく。まあ、真空管アンプから真空管ラ
ジオに移ってくれる趣味を広げてくれるのはうれしいが。

2004-11-01
[電蓄ラジオ2号機]を先行して作成していますので、もう少しお待ちください。理由は技術的、電気的トラブルではありません。ジャンクシャーシー等
買い込み過ぎて、家人からじゃまだということだけです。二つのラジオを平行して作る作業ヤード、部品置き場が確保できません。このため、当面シャ
ーシー加工が済み手近にできる[電蓄ラジオ2号機]を完成させて、恒例のダンボール箱に格納し片付けざるを得ないことになりました。我が家はどう
見ても、女房が置いている鉢植えの方が広大な場所を確保しています。家は私が小遣いをがまんしてまでも住宅ローンを返済していますので、ラジ
オや部品を置く場所くらいの所有権を言いたいのです。が、できません(泣)。既にカウンター基板、主要部品は揃っていますので、できるだけ早く再開
します。が、過日作った、並4ラジオの再生制御が納得いかないので、[ラジオ用試験試験シャーシー]で、再生グリット検波の試験を各種したいと考
えています。ことによれば、このラジオの工事再開は信濃路に雪が積もり、氷が張る頃になるかもしれません。[自作6L6WGCプッシュプルステレオア
ンプ]は既に数年にわたり休工中です。 
 『何方か、ご都合ついてお手伝いいただける方がいましたら、これに勝る幸せはありません。メールお待ちしております。』と言いたいのですが、何と
言っても自作派だ。いつかは完成してやる。

 冬のシャーシー加工は手がかじかみ、寸法が大きくずれます。電動工具もうまく使えません。正確なシャーシー加工の大きな障害となります。シャー
シー加工の失敗の原因となります。小生の不器用、性格のせいでは全くありません。自然のせいです。

 回路のハンダ付けは楽しい。ハンダ付けは冬の夜長好きな音楽を聞きながらラジオを作る至福の時です。BGMは当然 ’60−’70年代の歌謡
曲、ポピュラーです。女子十二楽坊もいいな。映画音楽もいいな。ラジオ少年の頃、自作ラジオで聞いた歌謡曲がいいな。この頃、夜遅くまでハンダ
付けをして、回路を確認し電源ONしたけど鳴らない。あせって配線を確認したけど間違いない。結果は、今と違い夜の1時過ぎには放送電波が止ま
り、聞きたくても聞こえなかったのです』

 (4) ハイgmの使用即発振と結びられがちだが、大分違う。
  − 各段のカソード抵抗調整、RF/IF利得調整回路の調整をして、ゲインを上げすぎると”発振寸前状態” (発振ではない) にした。
  − 前にも書いておいたが ”発振寸前状態”は、再生検波の再生が強すぎる時と同じで、低音域の欠如、甲高い音になる。
  − 当然のことながら、受信時はここまでゲインは上げない。
  − この状態ならば、”発振寸前状態”までの余裕はあると思うが。
  ● もし、発振しているならば、パラスチック発振しつつ、ラジオ信号を制御しているとは思えないが。
  − 真空管テレビも大分修理したことがあるが、6EH7系は少なかったが、スタガー増幅もあるが3段増幅なんて安定なもんだった。
      真空管の終盤品では、 I F Tにケースが無い製品もあった。

全国の真空管ラジオマニアさんありがとうございました。    
 ◎ BBSでいろいろ教えていただいた。感謝し御礼申し上げます。
 ◎ 完全解決までは長期戦になりそうです。新たな指摘事項、アドバイス等は本HP掲示板にお願いします。
 ? 思い当たることが、また出てきた。残念ながら年度末期を控え、毎日ラジオと格闘する楽しみがうばわれる。

   コッカデーラジオも作らないといけないが。 [自作6L6WGCプッシュプルステレオアンプ] は途中単身赴任もあったが、飽きたので工事中断し
て、工事開始以来10年たったが、まだ完成していない。ラジオ以外にもしたいことがある。ラジコンは足腰が丈夫なうちに。天体観測は視力が落ちる
前にしないといけない。クロスカントリーも同じ。今は仕事も忙しいし。ゆっくり温泉にも行きたいな。


2004-10-11  このHPのタイトルは「美○○信州と○○」ではありません。
 『美しい信州と自作真空管ラジオ』だ。ウーム また晒されちゃったよ。どうも、ラジオ用周波数カウンタがキーワードみたいだが良くわからん。だ
いだい、デジタルカウンタラジオなんか今年になって、メイドインチャイナのものを数千円で買ったが、オークションの最落が気に入らないのか。だか
らコメントにも『[部品店]、[電材店]の購入をお勧めします』と書いてあるのだが。



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