2005/5/4 (Wed) ポジションを他の事に例えるなら
野球で一塁にランナーが出ると、ピッチャーは最大パワーとスピードで投げられるワインドアップをとれず、ランナーに素早く牽制球を投げられるセットポジションをとらざるを得なくなる。当然バッターに投げるボールの威力は落ちる。守備側はけっこう不利な状況なわけだ。そんな中で一塁ランナーが「リーリーリー」と一塁からリードをとりながらピッチャーを揺さぶるもんだから、心理的にも不利になる。もし一塁ランナーがリードを取らずバッターが打ってから走り出すなら、ピッチャーや守備の選手からは全く恐くない。
サッカーで考えれば、ボールが出てから動き出すトップ・トップ下は、ディフェンスからすれば全く恐くない。トップ・トップ下の選手は一塁ランナーのように、相手の守備を揺さぶる駆け引きを、ボールが出る前から仕掛けることが望まれるのだ。
野生動物たちは、その生息地の中でも季節や乾季・雨季などのシーズンによってテリトリーを変化させる。生きていくために少しでも食料が多い場所に移動する。バッファローの大移動は有名だ。良いテリトリーを確保できれば、その群れは安泰なのだ。
サッカーでは、バイタルエリアだけでなく、陣地をいかに奪い優位にしていくかがウィングも含めたミッドフィルダーの役割となる。自チームにボールがあるときは、草食動物のように研ぎ澄まされた目と耳と勘で、チームのエリアを線・面で押し上げる。相手チームにボールがあるときはしなやかな肉食動物のようにボールを奪い返しに行くのだ。ミッドフィルダーが冬眠してしまい陣取りができなくなれば、その試合は勝てない。
技師は故障箇所を修理することより、故障などのトラブルを発生させないための、定期的な点検作業の方が重要な仕事である。交通量の多い昼間より夜間の一斉点検、サーバーの深夜メンテナンスなど、我々の知らない間に働き我々の安全を守ってくれているのである。
サッカーで言えば、ボールのない時のディフェンダーによるスペースやマーク等の点検は、相手のシュートを未然に防ぐために重要な作業となる。ボールが相手に渡りピンチに陥ろうとしていても、事前のチェックができていて心や体制の準備できていれば、アプローチやマークで相手に自由な展開をさせず、シュートを許さない。「もぐらたたきゲーム」に近い素早い点検・修理を連続させる必要がある。
デュエルマスターズや遊戯王などのカードゲームでは、攻守の切り替え場面を中心に、相手の戦術を読み次の手・先の手を考えながら、自分のモンスターカードや特殊な効果を発揮させるカードを場に出しゲームを構築していくのがプレーヤー。
このプレーヤーをサッカーで考えれば、ゴールキーパーが当てはまる。チームの仲間個々が持つ攻撃力・守備力・特殊能力を把握し、最後尾でゲームの展開を分析しながら、戦術や動作の修正・指示を出すことにより、効率的にその能力を引き出してあげるのだ。相手チームのシュートは、カードゲームで言う「シールドゼロ」や「相手プレーヤーへのダイレクトアタック」といった状態で放たれる。しかしゴールキーパーがキャッチすれば、チームのライフポイントは減らない。それどころかそこから自分達の攻撃が開始するのである。
それぞれポジションによる主要な役割はあるが、のりしろを広くとり、コミニュケーションを図って互いの役割をフォローしあうことで、ピッチ全体に隙間なくチームのオーラが行き届くのである。
大事なのは、どのポジションであってもボールを追いかけて動くのではなく、攻撃の場合はその動きをボールが追いかけてくるような、守備の場合はボールが来る場所で待ちかまえていられるような展開にしていくことである。
プロの試合を見て学ぼう! |
|