1953年生まれ、杉並区高円寺生まれの東京育ち、71歳。

37歳で、サラリーマンから転じ、焼き物の道に入る。

2年間、備前の陶芸センターで研鑽し、その後信州本城村(現筑北村)に移住し、現在に至る。



1.作陶を志した理由  なぜ焼き締め

@ 普通の会社で営業7年、人事・労務を7年近く務めた末に転身しました。三十代半ば過ぎのこと、一生何か

本気で打ち込めることはないかと悩んでいた。そんな時、心の隅にしみついていたのが、新婚当初から15年ほど

愛用していた焼き締めの徳利やぐい呑みでした。こんな器ができたらと一念発起、備前で修行(備前陶芸センタ

ー)2年余り、独立するために各地を訪ね歩き、たまたま本城村(長野県)の役場の方が見込んでくれて、家族ととも

に移り住み、30年たちました。



A 14年間サラリーマン生活を経験しましたが、その間上司、同僚、後輩にもめぐまれ、恙なく職務を全うしてきたと

自負してます。しかし、何か物足りなさや、寂しさを感じていました。組織というものは、意志決定の段階で、自分を

コントロールし、セーブすることによって成り立っているのかもしれません。今の仕事は、すべての面で自己完結、自

己責任、私の性分に合っていると思っています。転身するには、それこそ悩みましたが、将来の不安と比べ、格段に

勝っていたということだと思います。
  


B 小学高学年から高校1年ぐらいまで、弁護士になることが夢で、人を助けたい、弱者の味方をしようと思っていま

した。お堅い家だったので、物づくりで生計を立てるなど、子供のころは、全く頭にありませんでした。ただし、工作や

彫刻が大好きで、中学生の文化祭で、バルサ、割り箸や爪楊枝などを使い、一週間ぐらいかけて、1メートル半ぐら

いの宇治の平等院を作ったことを覚えています。物を作る楽しさや達成感の心地良さなど、その当時から感じて

いたのかもしれません。



C 自然界の中にもっとも美を感じる、とよく言われます。それと同様、焼締の持つ自然さ、極力人工物が加わらな

い良さがそこにあると思います。愛好家は「焼き物は、焼き締めに始まり、焼き締めに終わる」と聞いたことがあります

が、その肌合いを見て、また器肌に触れ、原初的、根源的な安らぎを感じるのかもしれません。





2.普段の生活は  趣味は

@ 土づくりの時間、作品作りの時間が半分ずつ、朝8時半ぐらいから夕方5時半くらいまで、毎日ルーチンな作業

をしています。この道に入った当時は若かったせいか、何時間でも働けましたが、最近は頑張りすぎると後で身体に

響くようになってしまいました。



A 気にむらがあるのか、仕事に向き合えない時期も、年に数回あります。博物館や民芸館に行ったり、図書館で

一日過ごしたりして、気分を高めるよう努めています。それでも無理な場合は、温泉に行ったり、大酒を呑むなどし

て、その時を待つようにしています。



B 小さな村なので、地域の役などが頻繁に回ってきます。消防団、PTA,常会、分館の役など頼まれると断れな

い性分なのか、すべて引き受けてきました。そのおかげで人脈が広がり、また子供が3人いたため、村に溶け込むこ

とができましたが、今はすべてお役目御免、助かっています。



C 学生時代、サラリーマン時代は、ゴルフ、テニス、海釣り、麻雀など本当によく遊びました。この仕事に入り、体

力と時間を使う趣味は、ほとんど止めました。もともとスポーツが大好きだったので、村のナイターソフトやマレットゴ

フ大会などには参加しています。また孫が夏に来た時など、海で潜ったり、浮かんだりして楽しんでいます。以前は、

窯焚きの後、宴会、一晩寝て、翌日は窯焚き仲間や手伝いに来た弟と、一日中テニスをしていました。今考えると

よくそんな体力があったなあと感心してしまいます。



D 村にIターンした若いご夫妻が、猟友会に所属しており、仕留めた鹿や猪の肉を時々いただきます。それを燻

製にすることが最近の趣味でしょうか。岩魚や山女魚なども燻製にします。



E 疲れを癒すには温泉が一番、温泉王国信州、家の周りの温泉にもよく出かけます。今のお気に入りは、安房峠

を超えた奥飛騨平湯温泉「ひらゆの森」、大町市の「薬師の湯」、とてもリラックスできます。また、気心知れた村の

友人と一杯、さらに40年有余年連れ添った妻と、地元の日本酒で、あれやこれや言いながら、毎晩晩酌するのが

一番の息抜きです。






3.陶歴

          

            1953年               東京に生まれる  

             1977               上智大学卒業

            1990               37歳、陶芸を志す

            1992              備前陶芸センター卒業

            1994              当地に半地下式穴窯(一号窯12m)を独力で築き独立・初窯

            1997〜2011         「しぶや黒田陶苑」にて毎年個展

            1998              半地下式穴窯(二号窯6m)を築窯

                              「東急本店」美術画廊にて個展

            2001                NHK「男の食彩」に掲載

            2004              「極める技 現代日本の陶芸家125人」に掲載

            2005               NHK-BS「器 夢工房」に出演

            2010               「日本橋三越本店」特選サロンにて個展

            2011・14・17・20・24  「そごう横浜店」美術画廊にて個展

            2011・13・21       「そごう大宮店」美術画廊にて個展

            2013・16・19・22    「西武池袋本店」アートギャラリーにて個展


                                                各地で個展多数開催


江間 廣の焼締め陶

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