通信機型受信機の改造












2009-08-23 改造準備を始めた。

 先日来、通信機型受信機それも半導体製品に興味を持ったので購入してみたが
  @ 感度は良いが同調ツマミの感触はポケットラジオ以下のものだった。
  A パネルは一見豪華ツマミの感触は良いが感度はトランスレス5球スーパーに負けてしまうものだった。

 いろんな
通信機型受信機の検討はこちら。 で、改造するすることにした。

【TRIO 9R−59】 先ずはお馴染み9R−59、ただ周波数カウンタと大型Sメーターの取り付けが難しいようだ。
   9R−59は1台あることはあるが美品、完動品なので分解できない。で、狙ったのは [ジャンク品]
 
【写真 下左】 2009-08-23入手したすざましい改造品 主な改造は

 1 IFTaを国際のメカニカルフィルタ(455-05)に交換。 5k型なので放送電波受信はすごい高音カットになる。
 数年前レストアした[IFT/メカフィルタ切替GT管通信機型受信機] は15k型なので放送電波でも違和感なく聞こえたと思う。
 2 メカフィルタの減衰をカバーするため中間周波は3段増幅。(上記のラジオも入手時は3段増幅だった) 
    シャーシ内にIFTを増設 【写真下中】白い四角が増設IFT トリオT−25IFT
 3 Qマルチユニット撤去。
 4 電解コンをシャーシ内に移動 (下の写真で丸いのがケミコン)。AC電圧切替スイッチ撤去しマーカーのサブシャーシ取り付け
 5 マーカーサブシャーシの真ん中の真空管は0B2。 105Vの定電圧放電管。
 6 電源トランスを250V、100mAに交換。電源部の増強している。チョークと相まって異様に重い。
 7  FUNCTIONスイッチは3回路4接点に交換。
 8 [IFT/メカフィルタ切替GT管通信機型受信機]でも全く同じくこの切替スイッチを付けているが小生のオリジナルなので特に念の為。
     スイッチシャフトを延長して取付て配線は最短にしたの取り回しに注目してほしい。

      本品は3C-2Vとおぼしきケーブルを多様している。
 9 ACスイッチはスイッチ付ボリュームに移動。
10 検波とANLはゲルダイに交換。6AV6は自己バイアスの音声増幅のみ。ANLはJR−60に似ている。

メカフィルタ、IF3段 マーカー追加 






 操作スイッチの変更箇所

@ FUNCTIONスイッチは[ノーマル]、[BFO]、[1Mマーカー]、[100kマーカー] 
     ← off、rec、send、Qマルチ
A [ACスイッチ]、[ボリューム] ← ボリューム
B [IF gain] ← ノーマルはQマルチレベル
C [BFOピッチ] ← ノーマルはQマルチ/BFOピッチ
D [BAND切替]
E [メカニカルフィネタ] - [IFT] の切替 ← ノーマルはIFgain









【写真 下】 シャーシ内。増設IFT平滑チョーク(30H80mA) が目立つ。
 [2009-08-23入手直後の試聴]
   @ [メカフィルタ側] 感度極小。 IF、AFgain MAXで地元ローカル局がやっと受信できる程度。
                音質は上記のとおり、高音は完全にカットのモガモガ音。
                SW2、SW3はほぼ無音。ノイズインジェクターでもほぼ無音
   A [IFT側] IFgainは相当絞る。感度はノーマルより良いと感じた。 
  


改造が目立つシャーシ内






持った感じが異様に重い。重量を測ってみた。

ノーマル品 (カタログ値) 9.5kg
本改造品 11.5kg (ケース、底板3.1kg、本体は8.4kg)
 ケースは同じなので本体部で3割増し。
 兄貴分のJR−60(10.5kg)より重い

縦にみえているのがIFT1、横になっているのがIFT2、シャーシについているのが
IFT3とIFT4。
 IFTから切替スイッチに配線が伸びている。









【写真 下】 ノーマル品。フルレストアするつもりだったが今はダンボール箱内で寝ている。

ノーマルの9R-59






すっきりとしたノーマル品。入手時のまま。

ネツトオクの画像をみても9R−59のシャーシやバリコンなど部品の汚れが少ない。
JR−60のシャーシはほとんど錆びているのが不思議。









予定では
 1 スプレッドダイアル撤去し空き地にSメーターと周波数カウンタを並べようと考えていた。
 2 周波数カウンタ は表示部を伸ばせばある程度の隙間に入れられるが、Sメーターは無理だろう。
    
【写真 下左】
【写真 下中】 整流管は珍しいNEC製5GK20。バリコンの左のシールド管は・・・・第1IF増幅管!!。
【写真 下右】 マーカーサブシャーシ。真空管は6AK5−0B2 - 6BA6


9R-59とJR-60
右奥しか流用スペースが無いが困難
マーカーサブシャーシ












2009-08-28 セラミックコンデンサの絶縁不良発見。試聴しながら回路図を作っていた。

【経緯】
1 第1中間周波増幅管のプレート電圧が20Vしかない。デカップリング後が20Vしかない。
2 デカップリング抵抗2kオームが過熱している。異臭・発煙は無い。
3 『IFを3段増幅しているので、発振対策として電極電圧を下げているな』 ← と【経験者ではないが勘ぐる】
4 電圧降下させるブリーダー抵抗を探す。不思議なことにブリーダー抵抗は無かった。
5  回路を切り離してみた。『デカップリングの0.01μFの絶縁抵抗が2kオーム以下』

【対策】 0.05μに交換。220Vに電圧上昇

【結果】 感度、音量、発振の有無などの変化は無い。
修理後でもメカフィルタ側での感度の上昇は無い。メカフィルタが劣化しているかもしれないが実用できない。

 これは全バンド共通


珍しいと思いラジオ工房掲示板に投稿
絶縁不良のセラミックコンデンサ 投稿者:竹内6EH7 投稿日:2009年 8月27日(木)20時46分57秒   通報  
 こんばんは。
 最近入手しましたトリオ9R−59の試聴をしていました。国際のメカニカルフィルタ、中間周波3段増幅など相当改造されています。第1IF増幅のデカップリング出口の電圧は20Vしかありません。3段増幅の対策としてB電圧を下げるためブリィダー抵抗付かと思い回路をおいましたがありません。

 回路を切り離して調べましたらデカップリングのセラミックパスコン0.01μFの絶縁低下でした。2kオームしかありません。ペーパーコンの絶縁不良は経験しましたがセラミックコンでは初めてです。不良コンデンサの外観の変化も無く塗色も印字も劣化していませんでした。

 コンデンサ交換後は220Vとなりましたがスクリーングリッドにはこのまま荷電される回路ですので早々に試聴は止めました。短い試聴でしたが、不思議なことに20V時と220V時の感度、安定度などは大きな差は無かったようです。
 http://homepage2.nifty.com/sin454/  






























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TRIO JR−60 ではどうか。

【TRIO JR−60】 これも周波数カウンタと大型Sメーターの取り付けが難しいようだ。

【写真 下左】 入手しそこなったJR−60の改造品。バリコンと真空管列の間に見事に収まったQ5’er (と思う)
  オプション品の広告は見たことがないが自作品とは思えない。
【写真 下中】 ノーマル品。
【写真 下右】 フルレストアしたJR−60 3号機のページでレストアの前後の写真も見てほしい。
  改造したといっても高周波増幅、1stIF増幅を6EH7に換装しただけ。

【参考写真】 Q5’erと思われる改造
ノーマルのJR-60
ちょっと6EH7に換装しただけ



















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【TRIO 9R−59D】に続くかざるを得ないか。いくつも買い込んでしまい弱ったもんだ。


2009-08-26 9R-59 入手

  改造の土台用なのでジャンク品を狙ったのが [ジャンクだけど元箱付]。ジャンクとはいえ元箱と組立説明書付きなのでライバル登場。
 自他共に認める冷静沈着な性格小生であったが前回の改造9R-59と同じく我を忘れて対抗。結果は下の画像のとおり。ところが不動の
 ジャンクならば予定どおりとなるはずが『超美品の完動品』。ケチな性格の小生としては改造なんかできるわけがない。

更に3台目を探すことになった。


【写真 下左】
【写真 下中】 組立説明書の実体配線図は初めてみたがびっくり。原寸大で8枚。リード線を実体図に合わせて切るらしい。
【写真 下右】 パネル、ケースがとてもきれい。


上は比較のための9R-59
組立説明書 内装材あり














【写真 下左】 一応、周波数カウンタ表示部の取付スペースがあるようだ。スタピロ、マーカーのオプションは無い。
【写真 下中】 試聴。完動品、ガリ、雑音も無い。
【写真 下右】 組立説明書があるのでキット品と思う。半田付けは非常にきれい。誤配線は無いと思う。


清掃前
清掃後の試聴
シャーシ内












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2009-12-13 2号機入手 \16,000円也

9R-59Dの半導体化のページに続く