俳句   季語の色分け表示
俳句の季語
最近、テレビ番組の「プレバト」で俳句が放映されて人気を集めている。夏井いつき先生の毒舌評論が評判になっているが、その中で「季語」に関する評論が出て来ることがある。
我々素人には、どれが「季語」なのか分からなかったが、Webで検索出来ることが分かったので、平成28年8月投稿の句から「季語」を色変わりで紹介することにした。
 「季語」,「子季語」。
 子季語とは本来の季語の関連で拡張された季語。 
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投稿日 投稿者  俳句 季節
2024.11.19 名小路明之 幼鳥を連れて庭木に番鵯(つがいひよ) 秋
雷の近づくらしき野辺の道 夏
熱を帯び凄み増しをる野分かな 秋
世話好きな姉の新米届きけり 秋
溝萩の散る花びらを見うしなふ 秋
居着鴨いたわり鳴くや夏夕べ 夏
オリンピック真夏のパリの多様性 真夏
夏草や栖みたるものの大屋敷 夏
燃えている午後の隣家の立葵 夏
女神湖の朝の小径や夏薊(あざみ) 夏
万緑や弁天の福さずけらる 夏
時折のリズムの乱れ時鳥 夏
認知検査すませくぐれる茅の輪かな 夏
孑孑(ボウフラ)の吾を狙うや荒び浮く 夏
犬吠埼のドドンと響く卯波かな 夏
蚊除けなるトンボの玩具ためしけり 夏
のうぜんの花夕暮の神田濠 夏
猛る日の静もる夜や星の恋 秋
七夕や願いの読めぬ草書体 秋
朝風呂やあれれ混浴青蛙 夏
2024.07.27 名小路明之 千年の気迫三春の滝桜 春
躑躅誉め鐘ぐいと打つ寺詣 春
  待つ順に個性の響く初夏の鐘 夏
      ネモフィラの神秘尋ぬる五月かな 夏
    筑波への旅茉莉花に見送られ 夏
  林檎の芽吹き早朝の畑に煙 春
  木の芽晴遠く陣馬のほつこりと 春
枝先に触れておもたき桜かな 春
花見山小川の土手のつくづくし 春
悲劇越えけふの桜ぞ鶴ヶ城 春
古民家の軒にめぐらす吊し雛 春
墨堤の波の荒さよ寒桜 冬
籠りけり花粉の乱の今日もなお 春
待ちわびし気候となりて春の塵 春
如露の中あれあれ蝌蚪と蝌蚪の紐 春
柏手に龍の応へる寺の凍て 冬
安曇野の天気図を追う寒九かな 冬
長谷寺の階けはし春の海 春
雪明り重き傘もち帰る人 冬
探梅や津波の届く街表示 春
瑠璃ごしの冬の眼白や朝の卓 冬
ゆっくりと鯉浮かび来る小春かな 冬
紅葉浮く池の恵比寿の祠かな 秋
冬ざれや髭のざらりと音のする 冬
手伝いのやきいも焼けて一と日終ふ 冬
安寧のあやふし冬至南瓜かな 冬
人まばら府中の森や冬至梅 冬
わが庭の晦日明くれば淑気かな 新年
能登よりの今日の便りぞ虎落笛 冬
初市や瓦楽多の値を掛け合いて 新年
初日の出峠の茶屋の力餅 新年
満腹の午後のひととき浮寝鳥 冬
小覗の板木試すや鴨の池 冬
冬の鷺とぶ虫ぴたり仕留めけり 冬
菰巻や結び目梅を象どりて 冬
菊月や黒きマントと尖り帽 秋
2024/07/24 名小路明之 猫じゃらし一本持ちて一万歩 秋
山霧の登る谷々甲斐の国 秋
三猿の教へたふとし彼岸花 秋
心地好き朝の湯音や渓紅葉 秋
ひさびさの帰郷は列車柿熟るる 秋
ああ九月今朝の微風の二十五℃ 秋
初秋の妖精蓮華升麻かな 秋
迫り上がり迫り上がりたる土用波 秋
秋夕焼疑問符形のちぎれ雲 秋
朝顔の眼のありそう蔓の先 秋
墨堤のどんどんどどん大花火 夏
ちよいと寝が夕べとなりし昼寝かな 夏
家蜘蛛を外へ逃がすや妻の常 夏
五浦(いづら)浜よせて弾ける土用波 夏
青苔や勿来の関の野面石 夏
梅漬けや妻の指図も板につき 夏
傘寿なり相模の沖の初鰹 夏
朝からの梅雨にとけこむ弁天堂 夏
花菖蒲谷戸地の水のきよらなり 夏
初夏のカレーの美味し「松本楼」 夏
アルプスをキャンバスにする夏燕 夏
命なり針先ほどの目高の子 夏
夏木立パステルカラーの園児帽 夏
古代より伽藍の下の蟻地獄 夏
畔塗りを終へし夕べや遠蛙    遠蛙(とおかわず) 春
仰ぎ見る上上上よ朴の花 夏
裏庭の香りみちびく花山椒 春
生り年の梅の青青瓶さがす    梅=梅の実 夏
百合の芽の五寸伸びたる今朝の雨 春
縄文の丘の芽吹きやビーナス像 春
花盛り開昨夜の雨の魔術かな 春
古里や野遊びあとの飯盒飯 春
  風立ちて牡丹の花弁ほぐれけり 春
此処からは釦を押して春野かな 春
2023/06/05 名小路明之 春光やうつわの水の反射光 春
蜜蜂にまかす受粉や梅の花 春
伝馬船波のしぶきの余寒かな 春
地図を手にスマホで写真臥竜梅 春
啓蟄や時の刻みの早まりて 春
御御籤を引けば大吉竜の玉 冬
春を待つ仁王の天に天女かな 春
川べりの草の垂氷のゆれにけり 冬
荒東風や揺れをたのしむ舫ひ舟 冬
春浅し池のさざ波風写す 春
夜な夜なをさ迷ふ狸>多摩の里 冬
冬めくや沸騰の音ききわけて 冬
箱根路を鍛へる走者十二月 冬
時代経し運慶五仏冬日和 冬
山家には冬枯れの柿たわわなり 冬
陽だまりのベンチ山茶花深紅なり 冬
手の平に乗せてとかすや初氷 冬
輪唱の冬の囀多摩の森 冬
枯木立枝々の間に碧き空 冬
寄鍋や好みの合ひて五十年 冬
2023/02/15 名小路明之 左義長や邪気を燃やせと高々と 冬
故郷の空気の旨し返り花 冬
六甲山の火矢にうき立つ豊の秋 秋
蘆の穂や片足立ちの鷺の技 秋
読みふけし藤村の詩やふじ林檎 秋
木の実降る貝殻坂やかって海 秋
湧水の池を染めたる曼殊沙華 秋
紅天狗茸異界の径をふさぎけり 秋
初冠雪富士山頂を清めたる 冬
虫の声闇より掬ふ露天風呂 秋
十月の雨武蔵野の森に浸む 秋
四人連れ熊野古道の秋の声 秋
挨拶を小声で交はす野路の秋 秋
露草や今日の印を指先に 秋
白萩や大師の杖に揺れかかる 秋
名月やかすめて西へ最終便 秋
  早朝の光と影や牽牛花 夏
  黄金虫登りけはしき八十の壁 夏
  シャツひとつ居どころさがす夏座敷 夏
  ラフティング御岳の渓の蟬時雨 夏
  亡き父へ母へと継ぎし盆灯籠 秋
2022/09/04 名小路明之 盂蘭盆会年に一度の里の道 秋
群雲や名月のぼる隅田川 秋
秋の海浅葱斑の台湾行 秋
朝露の光に触るるはけの径 秋
外出の色物シャツや処暑の空 秋
静寂をやぶる雨音秋の宵 秋
大木犀歴史を伝ふ建物群 秋
常念岳やぱりつと浸みる早生林檎 夏
国宝の寺の庇や天高し 秋
芦ノ湖の次は伊良湖か鷲わたる 秋
水戸公の池の子亀も甲羅干し 夏
夏シャツや皆疾走の原つぱら 夏
花菖蒲多摩に国宝地蔵堂 夏
手入れせぬ庭も緑よ深呼吸 夏
憶万年の命の由来夏来る 夏
こちらへと白南風を呼ぶ朝の窓 夏
夕暮や胃を整へる冷奴 夏
歴年の染みを消したし蛇の衣 夏
夜店の灯子供は夢を膨らます 夏
負けそうな気力に活や夏蜜柑 夏
安曇野の麓へつづく花の雲 春
草取りや貨車の響きの地を這ひて 夏
妻ともに今日の花見や五十年 春
太き鯉吾に真つ直ぐ夏の鯉 夏
夏きざす始めぎこぎこ骨の音 夏
青柳を透かしてのぞむ隅田川 春
菜花咲き野川の流れ染めにけり 春
お花見や鴨の休める船の屋根 春
春眠やあと半刻を寝すごせり 春
雌を追ふ雄亀ゆるり水温む 春
2022/06/03 名小路明之  紋白蝶空より戦かなしまん 春
三椏の花の咽ぶや汀子逝く 春
春寒や戦場となるドニエプル 春
春残しゴンドラになる三日月 春
里山のシャイな鶯顔見せぬ 春
干し物の湯気や春光まぶしめり 春
仏壇に燈る蝋燭梅一輪 春
春の雪駅へ行くひと豹柄に 冬
雪掻きを覚悟の朝の良く晴れて 冬
村はずれの雪庇にすくと道祖神 冬
  蕾みたる枝も剪らねば冬薔薇 冬
茶の花や最後を語る友の妻 冬
手に傷の妻の代役おでん鍋 冬
置く霜へ朝日のとどく芝の湯気 冬
綿虫の気ままな浮遊追へやせぬ 冬
買い足しの商店街や初景色 新年
  大鍋を喰らう覚悟や大根焚 冬
  地球危機ペガサス出でよ雪けりて 冬
  寒肥やふだんの無精挽回す 冬
  晩学の成果まずまず木の葉髪 冬
2021/09/24  名小路明之  かさなりて箪笥あふるる冬支度 冬
武蔵野の化粧始まる立田姫 秋
      立田姫(奈良の立田山を神格化し紅葉を司る女神)
  冬地蔵錫(しゃく)にクロスを見つけたり 冬
      錫は錫杖の略
  龍潜む池には鯉も武州かな 秋
    「龍潜む池」は龍が潜む神秘的な淵、池を表した季語
  冬蝶の息をひきとる草の中 冬
  好天のきざしあらはる谷の霧 秋
  釣人へ寄れぬ静寂(しじま)や初尾花 秋
  遠富士や径のなぞへに小菊咲く  秋
  白萩のあふるる庭や朝の寺  秋
  野分晴ハスキー犬の川あそび 秋
  処暑の水のんどをすぎる熱冷まし 秋
  爪先に団栗はぬる野川かな 秋 
    直売所一山売りの柿の色 秋
  我が庭の草の根強し栗羊羹 秋
    仲秋や隣家の灯(ともし)すこやかに 秋
  木洩れ日の揺るる小径や文字摺草 夏
  盂蘭盆会御目見僧の一分刈 秋
    朝顔のあさの窓辺の紺絞り 秋
    萬星や谷より空へ天の川 秋
  斑鳩(いかるが)をサイクルで行く秋の風 秋
2021/09/24 名小路明之 み掌欠くる仏のゑます額の花 夏
草引きや夕べの雨の背にこぼる 夏
朝涼の肌に郷里の記憶かな 夏
卯の花や砂に吸はるる波の末 夏
青梅に塩をすりこむ夕べかな 夏
万緑や葉陰に鳥の鳴き立つる 夏
鵜の休む岸に亀寄る神田濠 夏
雨蛙鳴き合ふ声を眠りまで 夏
廃校舎フェンスに葡萄袋掛 夏
行々子縄張り訴ふ草の丈 夏
2121/07/09 名小路明之 子の嬉嬉と追ふ母の吹くしゃぼん玉 春
春愁やワクチンを待つ医者の庭 春
荒れ庭の隅に見どころあやめ草 夏
丹精の大輪の薔薇名はピース 夏
万緑や鳥獣戯画の名演技 夏
春霞耐える十年(ととせ)のクレーン塔 春
安曇野の萌ゆる野末や父母の墓 春
近寄れぬダムの轟雪解かな 春
鑑真の面差(おもざ)し花をたのしめり 春
林間へ朝の日ざしや百千鳥 春
2021/05/01 名小路明之 サッカーを応援の父母風光る 春
合格す子の挨拶の大人びて 春
コロナ禍を沈丁の香の覆いけり 春
蒼天へ梅の香のたつ日和かな 春
散歩道野菜の棚に猫柳 春
束の間の入り日に燃ゆる枯木立 冬
淡雪やいつもの鳥のあわてよう 冬
野川ぞい親も競えるいかのぼり 冬
青き踏む子を引く母の笑顔かな 春
スマホからアマビエ模写し湯ざめかな 冬
谷からの風は時雨を竪縞に 冬
安曇野の北に立ちたる冬の虹 冬
時雨るるや小走りに行く日本橋 冬
餅搗や妣の思いの八の日に 正月
籠り間の七彩映す冬の水 冬
入り日まで野球する子の枯野かな 冬
湧水や夕べに鴨の餌すする 冬
太箸やこぞよりつなぐこの命 新年
寒雀鉢の乾砂浴びにけり 冬
繭玉の稔り象る妣の手よ 新年
2021/01/04 名小路明之 山茶花のゆつくり咲けよ白が好き 冬
秋の海電車に溢るる反射光 秋
冬薔薇の咲き頃今朝の食卓に 冬
故郷や野沢菜漬くる頃ならむ 冬
冬立つや三密車窓開け走る 冬
道の駅ならぶバケツに秋の花 秋
洋梨の熟るるしづくをのんどかな 秋
秋雨や雨の多少を濃淡で 秋
夕風に一叢揺るるゑのこ草 秋
2020/11/15 名小路明之 石庭の祈る母子像晩夏光 夏後半
目比べを為合う子の夜の野分かな 秋
江戸調子涵徳亭の蝉しぐれ  夏
とうすみの隅の小藪の住処かな 夏
泥の手で蚊を打ちそこね夕日かな 夏
2020/11/05  名小路明之  小伝馬の寂びる裏みち花桔梗 秋
    犬眠る午後や涼しき通し土間 夏
鬼百合へ舞うがごとくに揚羽蝶 夏
    捨て水も命の水よ秋揚羽 秋
  我庭の秋海棠を供花(くうげ)かな 秋
2020/09/19 名小路明之 この先は二輛列車や稲の国 秋
安曇野の大地うるはし栗を食む 秋
錦木の色重なりて浄土とも 秋
澤の音消えて峠や紅葉狩 秋
雁がねの棹の消えゆく甲斐の朝 秋
安曇野の濃霧伏せをる夜明かな 秋
中秋や雲にたゆたう舟は月 秋
2020/09/04 名小路明之 籠る家に子より見舞いの柏餅 初夏
薫風やまはりはじむる有平棒 初夏
傘かかげ雨より守る白牡丹 夏
雨上がりトップスピード夏燕 夏
皇后の夏蚕育つや令和の世 夏
月見草さゆらぎゆらぎ花開く 夏
なめくぢり白き花弁をはふ夜かな 夏
2020/07/11 名小路明之 春眠やかすかに触るる妻のこゑ 春
  のどけしや松風にのる二羽の鳶 春
花の雲まぢかに富士山のおはしけり 春
      苧環の花へ疾風の八つ当り 春 
      青しぐれ禽くちばしで翅ぬぐひ 春 
  2020/07/01  名小路明之  変わらぬは常念岳よ風光る 春 
      初蝶来黄色の満つる日和かな  春 
      親愛の握手ひかへる桜人  春 
      春障子直屋隠りをつづけけり 春 
      鮫のごとき得体の知れぬ春の雲 春 
      梅三分雨の雫の染まりけり 春 
      亀鳴くやコロナウイルス忍びよる 春 
      足とられはたと転倒山笑う  春 
      引鶴の消えゆく空や翅の音  春
      内裏雛子の並びゐる御座の卓  春
2020/04/07 名小路明之 子の恐る寒柝の列うすあかり 冬
剪定や後継ぎをらぬ果樹園主 春
いつのまに禽の餌となる白椿 春
寒の空四方に火矢の走りけり 冬
春光やヴェネチヤ花器の花もやう 春
浜名湖の小舟のゆるる寒蜆 冬
子の家の手作り味噌や今朝の味 冬
返り花業平橋に立ち止まる 冬
安曇野や室の大根の白きひげ 冬
逆光にかすかな湯気や霜の屋根 冬
湯煙のなぞる廂に氷柱かな 冬
芭蕉像へ川風寒し小名木川 冬
2020/01/13 名小路明之 野分晴くろずむ湖の反射光 秋
澤の音消えて峠や紅葉狩 秋
渓流の岩とび渡る橅黄葉(ぶなもみじ) 秋
段丘を赤き林檎のひかりけり 秋
千年をこゆる文化や秋気澄む 秋
田の石をひねもす打てる添水(そうず)かな 秋
夕餉あと命の水の梨をむく 秋
子と囲む朝の食卓豊の秋 秋
木曽谷のわずかな畑や蕎麦の花 秋
曼殊沙華芽の伸びはじむ七日前 秋
夕暮れの身を尽くし鳴く法師蝉 秋
思い出の蚊帳にひとりやほのあかり 夏
五目並べ子に二度負くる残暑かな 秋
涼新た寝返りてまた眠りけり 秋
秋草の花それぞれの位置をもち 秋
ほほえみのミュシャの乙女のうすごろも 夏
駒形の板の間に膳泥鰌汁 夏
夏休み気温十度の地下空間 夏
炎天や茹であがるとはこのことか 夏
つながりて連峰となる雲の峰 夏
2019/09/07 名小路明之 湯ばたけをあつむる滝や碧の壺 夏
夏掛けや闇をしまひてねむらんか 夏
紫陽花やときに色もの羽織りたき 夏
アナベルの白花尽くす梅雨入かな 夏
逝きし子の冥福祈る矢車の音  (子供の事故死への祈り) 夏
夏至の野に日のおつるまで遊ばんと 夏
威勢良き街の八百屋よ枇杷熟るる 夏
2019/08/10 名小路明之 たかんなの朝掘りと知る夕餉かな  たかんな=筍 初夏
鯉のぼり常念岳の風うまからむ   常念岳(読み:じょうねん) 初夏
清里より残雪の富士また新た 春
夏は来ぬボタンダウンの胸に風 夏
若冲の鶏の羽ばたく扇子かな 夏
2019/05/19 名小路明之 飛花落花病もつれて散るといふ 春
春光や下界をのぞく鉄階段 春
花ミモザ三女も通ふ保育園 春
菜の花や国の生まるる頃の色 春
鶯や一拍とまる登る足 初夏
2019/05/07 名小路明之 ぬか雨に沈丁の香のたたずみぬ 春
万歳の枯木や天に生を受く 冬
瑠璃越しの鳥のあそべる日永かな 春
若冲の五彩の羽や春ショール 春
関八州北へひろごる春の空 春
2019/04/14 名小路明之 風花を吹き出す雲や麓まで 冬
大寒を乗せて無口な列車かな 冬
君の逝く旅の終着冬銀河 冬
白鼻心鼠籠に入る寒の明 春
せがまれてディズニーに寄る雪女郎 冬
冬至の夜天球しかと動きをり 冬
床上げや土のにほひの小春の日 冬
新道具そろへ意気込む煤払い 冬
蒟蒻玉三年ものに土の精 冬
笑はるるほどに着ぶくれハイキング 冬
冬ざれや富士くろぐろと夜分け前 冬
安曇野の動くものなき寒の朝 冬
富士りんご村は収穫日和かな 秋
いわしぐも空一面に風の形 秋
鳥渡るゆめかうつつか鳥が呼ぶ 秋
安曇野の伏せし濃霧の夜明かな 秋
青天や林檎パリッと素手で割る 秋
歯固やかち栗の皮歯で剥かむ 新年
2018/12/25 名小路明之 朝霧や音しんしんと木から木へ 秋
奥社まで二キロとしるす落葉道 秋
見ごろにて庭の真中に菊の鉢 秋
蓑虫や餌は足るるか蓑の中 秋
秋雲の底ひを染むる入日かな 秋
2018/11/04 名小路明之 秋あかね乱舞の園となりにけり 秋
この先は二輌列車や稲の国 秋
女王花時をあはする二輪かな 秋
これがまあ朝から待てる今日の月 秋
近寄ればまさに清らや草の花 秋
2018/10/04 名小路明之 宿題を姉妹で競ふ夏休み 夏
冬瓜の食べごろ今ぞ妣の味 秋
甚平や年に一度のお披露目を 夏
一陣の風の生まるる簾かな 夏
溝萩やこぼれて棚に色そへる 秋
秋の蚊を追いのがしたる四畳半 秋
玄海を茜に砥げる秋夕焼 秋
武蔵野や生まれはじむるいわし雲 秋
田や畑へ野分の恵み蜻蛉島 秋
今宵また湯舟にしづむ虫しぐれ 秋
2018/10/04 名小路明之 ひいふうみ針先ほどのめだかの子 夏
生きのびるための昼寝ぞ日曜日 夏
戻りみち首に一筋汗ながる 夏
空蝉と落蝉ならぶアスファルト 夏
垣越しに利きめ聞かるる蚊遣香 夏
2018/09/20 名小路明之 蔵の黴米のうまさを醸しけり 夏
渓の湯のあふるる音や額の花 夏
オフィスまでビルの片陰選びけり 夏
夏蝶の翅音まとふや庭弄り 夏
夏の川巌に高きしぶきかな 夏
妣(はは)の知恵闇に十薬干ししまま 妣は、亡くなっている母 夏
夕薄暑洗ひ晒しを風抜ける 夏
2018/08/12 名小路明之 老鶯や息一杯に鳴き尽くす 夏
一瞬の黄揚羽まとふ庭いぢり 夏
轟けるダムの放流渓若葉 初夏
境内の若葉の威厳木曽路かな 初夏
移植せる妣たんせいの白牡丹  妣は、亡くなっている母 夏
安曇野や遠き前穂のはだれ雪 春
花吹雪すかしの衣となりにけり 春
翡翠を柴木の間に待ちにけり  翡翠 : かわせみ 初夏
健やかを天に願うて鯉幟 初夏
フェロモンをぬぐひ斷つるや蟻の道 三夏
2018/05/07 名小路明之 啓蟄や襲(かさね)一枚脱ぐ躊躇 春
恋猫のほえてよこぎる荒地かな 春
大雨に誘はれ弥生涌きいづる 春
春来たる空也の口に六仏 春
あたたかや妹をなぐさむ姉のゐて 春
2018/04/14 名小路明之 玻璃越しの鳥の遊び場春光る 春
月と日の弥次郎兵衛なる枯野かな 冬
冴ゆる夜のもゆる赤銅皆既食 冬
料峭や法事の経を皆唱なう 早春
太陽と目くばせかはす福寿草 早春
2018/03/28 名小路明之 賽銭の小銭なくなる福詣 新年
床の間に橙飾る神の席 新年
冬青空人体透けて見えそうな 冬
寒桜伯母の命日めぐり来る 冬
遠い日や下駄スケートの痛きこと 冬
2018/02/10 名小路明之 から松の金糸の枯葉肩に背に 晩秋
傘傾げあふ武蔵野の夕時雨 初冬
山の湯へ険しき道や枯尾花 冬
朝五時の一人風呂なる雪見かな 冬
湯けむりの湯屋にからまる雪景色 冬
鎮守社へ風ばかり過ぐ神の留守 晩秋
運動会嶺までとどく大声援 秋
遠富士の底に車列や冬紅葉 晩秋
雁の棹かぞふる朝の甲斐路かな 秋
高みよりここは己が地鵙高音 秋
2018/01/04 小林幹房 新玉や国の行末案じらる 冬
2017/12/07 名小路明之 我と在(ま)す半跏思惟像薄もみじ 秋
名月の鎮もる古都を照らしけり 秋
ペダル踏む斑鳩のみち秋桜 秋
鰯雲太子の徳の今もなお 秋
手つかずに土に眠るや古都の秋 秋
2017/11/25 小林幹房 石蕗の常より早く咲きにけり 冬
2017/11/15 名小路明之 地下世界問うてみたきや今朝の蝉 夏
男にもちょいとひと噴き香水を 夏
西瓜市四軒まわり試し喰い 秋
清流の風をいざなふ秋扇 秋
先人の知恵の遥かや星祭 秋
削り氷の古き削り器削る音 夏
白桃をほほばりけふの元気かな 秋
長風呂や一人聞き入る虫時雨 秋
一年が虫の一生今鳴けり 秋
母守護に宇宙翔くるや流星群 秋
2017/10/23 小林幹房 雀追ふ大義を忘る案山子かな 秋
2017/09/26 小林幹房 妻の留守庭訪れる黒揚羽 夏
2017/09/21 名小路明之 故郷の赤錆炎ゆる鉄路かな 夏
一寸の蜥蜴一瞬草の中 夏
目の合うて金魚反転尾をふりて 夏
炎天下揺るるや遠きガスタンク 夏
遠雷や山麓つたふ神の音 夏
2017/08/25 小林幹房 信なくて立っているのかこの案山子 秋
2017/08/07 名小路明之 自動車に郷里の蠅や連れ帰る 夏
大空へ航跡自在つばくらめ 夏
薫風やすれちがふ鳩すまし顔 夏
六月やジャングルとなる庭模様 夏
知らぬとてそこは危険ぞ雀の子 夏
2017/07/28 名小路明之 平曲の朗朗ながる木の芽風 初夏
霾る(ツチフル)や視力低下をうべなへり 初夏
芝桜富士一山を引き立つる 初夏
静けさや宿の目覚めの木の芽雨 初夏
曜変の異彩や春の薄明かり 春
2017/06/19 小林幹房 権力の私物化ありて夏に入る 夏
2017/05/01 名小路明之 空と樹の間(あい)にふくらむ木の芽かな 春
鳥雲に豊かな山野見ずにゆく 春
春めくや魚は水面の様子見に 春
父の彫りし恵比寿大黒春障子 春
一列に白帆のすすむ春の波 春
芽柳の見えざる風をとらえけり 春
試し酒の扇の仕草春の夜 春
名草の芽天地の恵み受けにけり 春
生と死のねむりの中の母の春 春
松陰の終焉の地の桜かな 春
2017/04/23 小林幹房 万愚節嘘を考え日が暮れる 春
2017/04/09 名小路明之 暁の福茶の恵みいただきぬ 新年
故郷の道はかはらぬ恵方道(えほのみち) 新年
冬の月雑木林の籤(ひご)の中 新年
鼻先のしむるシベリア寒気団 冬
親と子の似たる寝姿春炬燵 春
鳥居出づ元朝の日矢満ちて来し 新年
歌かるた終りの二枚並び替 新年
アルプスを越えてわきくる雪の渦 冬
通勤の階段春と駆け上がる 春
千の雛石の階(きざはし)かざりけり 春
朝風の染まり流るる八重桜 春
健やかを祈り節句の菖蒲剪る 夏
子供らの浴衣の掛かる朝の居間 夏
行く先も速さも自在鬼やんま 秋
錦木の色重なりて浄土とも 秋
2017/02/27 名小路明之 武蔵野の夕日のはぬる枯木立 冬
百合樹の新生を待つ落葉かな 冬
遠目にも銀杏黄葉の栄ゑにけり 秋
陽光の楓紅葉を透かしみる 秋
暁の外気は零度山眠る 冬
2017/02/20 小林幹房 初場所や待望久し稀勢の里 新年
2017/01/04 小林幹房 暮の秋何を思案の盧遮那仏 秋
2017/01/03 名小路明之 安曇野の大地うるはし栗を食む 秋
故郷の墓を洗へり小糠雨 冬
こまやかな形ひそやか野菊咲く 秋
安曇野の山も麓も小春かな 冬
色鳥や古屋の庭の草粗し 秋
今年米頼む電話の声はづむ 秋
故郷の思い出尽きぬ長夜かな 冬
冬雲の割れて日矢濃き麓村 冬
けふからは他人の住まひ夕しぐれ 冬
暁に染まる初雪常念岳 冬
懸崖の小菊まなかや菊花展 秋
その度に訳ある酒や神無月 冬
初時雨帰宅電車の窓潤む 冬
晴れわたり脳へ刺激や文化の日 秋
同期会終はる安堵や冬に入る 冬
2017/01/03 小林幹房 おでん種君は一番何が好き 冬
2016/12/10 名小路明之 枕辺へ波のとよもす秋の旅 秋
朝の日矢桜落葉は円を描く 冬
少年の声は森から小鳥来る 秋
そこここに声甲走(かんばし)る花野かな 秋
創作の余生となりぬ長き夜 秋
2016/11/29 小林幹房 霜降りて緊張感の増す下界 冬
2016/11/04 名小路明之 螳螂の構えてゐたる草の先 秋
髭剃りの切れ味にぶる残暑かな 秋
いちどきに台風三つ星病める 秋
山畑に農夫の影や白露の日 秋
中秋や雲にいざよふ月の船 秋
鬼百合の気怠き顔の夕べかな  元は「百合」 夏
都会では見られぬ勢ひ雲の峰 夏
奥秩父大気吸ひこむ大夕焼 夏
ひとり住む母の得意や土用灸 夏
阿波踊り鉦鼓一打に構へけり  元は「踊り=盆踊り」 秋
2016/11/03 小林幹房 紅葉して散り方のみを悩み居り 秋
2016/09/29 小林幹房 県名を聞き引き下がる野分かな 秋
2016/09/09 名小路明之 旅の果巽の空に夏至の月 夏
よいしやよいしやと神の轍や御柱  本来は「御柱祭」 夏
蝸牛よそ見のうちに失せにけり 夏
女王花ゆうべ4輪の孤独かな  女王花=月下美人 夏
大夕焼ビルたくましくなりにけり 夏
末の子の食事みる姉梅雨晴間 夏
咲きほこる薔薇に神秘の深まりぬ 夏
2016/09/08 小林幹房 新蕎麦や城は至高の薬味なり 秋
2016/08/01 小林幹房 歳時記の新顔なるか熱帯夜 夏
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