かつて作りかけた電子オルガンの分周器で思ったこと
今では電子楽器といえばDSPで合成や加工するだろうと思うが、高校生か大学生の頃はハードウエアーで分周して、フィルタ通して。まだTTLなんか一般的ではなく、中学校の時に模型部の顧問の先生が大学の学園祭で見た電子楽器の回路図を書き写してきてくれた時は真空管の分周器だったが、それ程でもないにしても、秋葉原で安いトランジスタを探してきて、この頃はマイクロディスクが安価が売りだったので2SC695かなんかを買い込んで分周基板を作ったものでした。電子オルガンの回路図も図書館で見つけて書き写したりして。先日、ネットショップで真空管を見かけたら、それがきっかけで思い出して、この分周器は倍半分の分周出力を抵抗で混ぜるようになっていた。今、気付いたのは、分周器の出力は矩形波で、倍音は奇数次の高調波だけなので、いろいろな音色を出すには、偶数次の高調波を混ぜるのが良かったんだろうと。そのわりには抵抗値は高くてそんなには混合していなかったように思う。後でメモ探してみます。当時はそんなところまで理解していなかったので矩形波をフィルターに通して音色を変えて使えばと思っていた。奇数次だけだと、オルガンみたいな音色なので、鋸歯状波のような偶数次も含むようにすると弦楽器みたいな音色にもし易いはずだ。鋸歯状波はn次の成分が1/nなので倍音は0.5倍で混合するのが良いのだろうと思う。矩形波をアナログ的にハイパス通して加工すれば鋸歯状波にもできそうだけど、周波数が変わっても同じ波形にするのは簡単では無さそうなので分周器側でできればその方が良い。しかし4倍とか、6倍とか、その辺りまで合わせようとすると、簡単に出来るんだろうか。フィルタの作例はインダクターに山水のトランジスタ用の小型トランスを使っていて、これも適当に購入して、ストックのままかな。やっぱりメモ探して音を出してみたいなあ。
(2020.3.22)
分周基板
|
基板が出てきました。一音を 6 分周する基板で、これを 12 枚作って 12 音分です。エッチングして起こしていました、若いときは一途だ。袋売りで安い部品を探して使っているので抵抗のワット数混在、コンデンサーもスチロールが混ざっていますね。マウントしてある基板と、未マウントの裏側パターン面です。もう数十年経ちますが、酸化していなくてピカピカです。クレンザーでていねいに洗ってフラックスかけてあったからかな。回路図はまだ見つかりませんけど、基板から読めそうです。下の白いのがトランジスタ、左が入力、上 1/3 に並んでいる抵抗で矩形波を混合して上側に出力。矩形波から鋸歯状波にするには、倍音を 1/2 倍で、4 倍音を 1/4 倍で混ぜれば良いと思うが、基板では倍音を 1/2 倍かやや多めで混合していて、高さで変えている、そして 4 倍音ではなくてオクターブ下を 1/10 倍くらい混ぜている、これはどんな効果を期待しているのでしょう。後段のフィルターを切り替えて音色を作るときに単純に鋸歯状波っぽくするよりも、好ましい音色にできたということなのでしょう。聞き比べてみたいけど、このくらいの周波数なら Arduino で簡単に実験できるかも。(2021.11.30)
|