水の電気分解で酸素発生

微生物燃料電池の陽極の酸素濃度を高めてみようと思う。簡単に効果を確認するだけなら、水を電気分解して酸素を作れる。伝導度を上げるには、安全で入手が簡単なミョウバン (KAlSO4)、陽極の炭素棒は昔の中2の科学の付録の電気メッキセットに入っているのを見つけた、懐かしい。陰極は銅線のままでも酸化されないので溶けない。
中2の科学の付録
中2の科学の付録

作ってみた

水を電気分解し酸素発生
水を電気分解し酸素発生
小さなペットボトルの上半分を使って、下側を切れ目を入れて開いて自立するようにして、口のところに発泡スチロールを合わせて切って詰めて炭素棒を差し、溜った酸素の出口のチューブの穴も空ける。これをミョウバン水溶液を入れた容器に入れ、外側に陰極の銅線を入れる。昔使っていたコピー複合機のACアダプターが 31V 出力なので電源はこれを使う。水溶液は飽和まで溶かしていないが、300mA くらい電流が流れて泡が出ているので、これで良さそうだ。酸素用の小口径のビニールチューブが無かったので、ここまで。炭素棒が古いからか、雑誌の付録だったからか、分からないが粉が落ちて液が黒っぽくなって粉が沈殿している。(2022.3.19)
横から撮ってみました
横から撮ってみました

チューブ接続してみたのだが

細チューブ接着
細チューブ接着
細いビニールチューブは手に入らなかったが、細いシリコンチューブを見つけたので、ペットボトルの口の発泡スチロールの酸素の出口の穴に接着、空気が漏れないように接着剤で塞ぐ。接着剤はセメダインスーパーXで固まっても弾力があり収縮もしないのでぴったりだ。微生物燃料電池にチューブを接なぎ、翌日まで一日くらい電流を流してみたがあまり効果が無いようだ。それより炭素棒が細くなって全部溶けてしまった。炭素棒が細くなったのは古いからではなくて、発生した(活性)酸素とくっついて二酸化炭素になってしまっているらしい。だとすると出てきた気体は酸素だけではなく二酸化炭素が混ざっていることになる。教科書には白金または炭素棒と書いてあるけど、白金じゃないとダメなようだ。それではと白金電極を買おうとしたがやはり高価。純度が低く不純物が入っていると溶けてしまうようなので安物は避けたい。ところで、電気のコネクタは金メッキって書いてあるので、メッキ厚が 1 μ未満だったりするのだが、手持ちがあるし、安いので、溶けた炭素棒の代わりに金メッキのコネクタで試してみる。まあ思った通り上手くいかない、液が青くなり、白濁沈殿も。下のメッキか中の金属かが溶けたようだ、ニッケルイオンは青色だ。なかなか簡単にはいかない。
そこで原点に戻って考えてみる。今回の酸素発生は効果の確認の試しで簡単と思われる水の電気分解にしたわけだが、電源と、ミョウバン以外に、白金も必須となると方針変更。次の手は過酸化水素水かなと思う、100 円ショップでも売っているみたいなので。ところで、水の電気分解は、実は希硫酸や水酸化ナトリウム水溶液の電気分解で薬品が必須なわけですが、家での実験で手に入りそうなものでやろうとすると、今回のミョウバン以外には、チオ硫酸ナトリウム(水道水の塩素をイオンにするために熱帯魚店で、また銀塩写真の現像で銀を析出する薬品として、ハイポという名前で売られている)か、炭酸ナトリウム( 100 円ショップでセスキ炭酸ソーダという名)が使えるようです。重曹(ベーキングパウダー)でもできるようですが、これは温めると水に溶けている炭酸が二酸化炭素となって出てきてしまうのが注意点。ということで過酸化水素水は消毒用のオキシドールを買ってきましたが、そうこうしている間に微生物燃料電池の起電力が下がってしまったので、気力が充実してきたら(笑)やってみます。 (2022.3.26)
微生物燃料電池に細チューブを接続
微生物燃料電池に細チューブを接続

ちなみに微生物燃料電池は

電圧測定
電圧測定
井戸の凍結防止の水抜きをする前に排水口の掃除が例年となっていて、そのゴミで昨年の11月25日に微生物燃料電池をまた作ってみた。数日して DCDC コンバーターで LED が点滅するようになり、徐々に発電量が増えている感じなのでテスターで電圧を測ってみた。写真では針が見え難いですが 1V レンジで無負荷で 735mV で、けっこう電圧が出てますね。グルコース(ブドウ糖)が酸化して、二酸化炭素と水になるときの、標準電極電位の差は 1.24V なので、けっこういい感じではないかと思います。(2022.1.16)

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