パネルヒーターのワット数可変

大学に入って少しして自分の部屋ができた。冬寒いので 100V/1500W のディンプレックス製パネルヒーターを買ってもらった。ずっと使い続け、家の建て替えの時の仮住まいの暖房でも、子育ての暖房にも、使っていた。とても便利だが、電流が多いので専用のコンセントからでないと使えないのが欠点。一般的なコンセントで使えると良いのだがと思っていたが、トランスで電圧を下げるのは重たく大きい、位相制御だとノイズ対策が大変そうで、もやもやしたままだった。何かのきっかけで熱容量が大きくて応答が遅いのだからオンオフ制御で良いんじゃないかと、そう気づくと、洗濯機のモーター加速時だって、電子レンジの弱いワット数の時だって、オンオフ制御しているみたいだ。ということでトライアックでゼロクロススイッチ、オンオフのデューティ比はタイマー IC NE555 で、1 分くらいの周期でやってみようということに。パネルヒーターのサーモスタットは活きたままで行い、ヒーターの過熱の心配は無いようにして。


回路図

ヒーターオンオフ回路図
ヒーターオンオフ回路図
フォトトライアックで絶縁してあるので、将来 Arduino などで温度制御もできるかも。今回は RA を可変にして、ON している時間を変えることにする。フォトダイオードは15mAでON、VF = 1.3V (typ)、なので Rin は 220Ωくらいかな。フォトトライアックの内部のゼロクロス検出のインヒビット電圧は最大 20V なのでフォトトライアックは最大 20V までオンしている。メインのトライアックの最大ゲート電圧は 10V なので越さないように 1/2 以下に分圧する。また必要なゲート電流は最も多く必要な場合で 30mA なので 10V/30mA で 333Ω以下とすればいい。ということでフォトトライアックの電源の抵抗値は、おおざっぱに上下とも 330Ω くらいで合成抵抗 165Ωで電流マージン倍になる。電圧が上限ぎりぎり 10V なので下側を低めに 220Ω にしてみた。
1500W のパネルヒーターなので、通電率 2/3 で 1000W、通電率 1/2 で 750W 相当くらいで強弱切替にしてみる。C 47μF、RB 100kΩ で、RA を 100kΩ でデューティー 2:1、1kΩ でだいたい 1:1 、ということで RA に 100kΩ をマウントしておいて、外部のスイッチで 1kΩ をパラにすれば良いかな。ユニバーサル基板の電源パターンが IC のお腹の下にあって pin の内側なので、図のような配線で行けそうに思う。 (2021.11.4)
配置配線図 (top view)
配置配線図 (top view)

シャーシー組み立て

組みあがり
組みあがり
トライアックの放熱は、平均電流 (RMS) 10A だと 2.3t のアルミ板で 160mm x 160mm くらい必要な感じです。手持ちのアルミシャーシーは 0.8t で薄いので外側にアルミのフィンを追加。(2021.11.5)
部屋が寒いので、えいやーで製作。大判のコンセント用の穴開けは、中学のころ買ったシャーシーパンチを久しぶりに出してみたが穴径が真空管ソケット用だけで合わなかったので、同じころ買ったハンドニブラで広げてヤスリで仕上げた。日本製のハンドニブラはすぐ切れなくなるんだ、と店のおじさんが言っていたが 0.8mm 厚のアルミなのでサクサク切れた。組み上げ動かしてみる。それっぽく動いている感じ。ゼロクロススイッチですが少し電圧が掛からないとオンしないので、 AM ラジオをすぐ近くに置くと、ジーという音が聞こえます。これで簡易動作確認(笑)できます、強烈な妨害が出る位相制御と比べれば雲泥の差。ずっと位相制御で作らなかった理由はこの妨害の対策が大変そうだったからです。熱の方はシャーシを触ってみると、まあまあ温かくなっていますが、大丈夫そうです。15A をオンオフしているのに静寂で、便利な世の中になったものですね。(2021.11.14)

| TOP | 取り急ぎ備忘録 | 鉄道のページも見ちゃう |