伯家神道

 天武天皇が乱れた日本の国を建て直すときに、古くから日本に伝わっていた教え(古神道)を、信仰として核心に持たなくてはいけないと気づきます。その時信仰を受けた持官職、即ち『神祗官』を定めました。またその長官を『神祗伯』と言います。神祗官は白川家が相伝していったため、白川神道ともいわれます。
 この神祗官は、国家神道に取って代わる明治時代に終わりを告げます。そして最後の神祗伯である白川資長(しらかわすけなが)卿が昭和三十六年に帰幽し、白川家は途絶えます。
 ところが、伯家神道で伝えられてきた重要な教えは、井上正鐡(いのうえまさかね・1790〜1849)や鬼倉足日公(おにくらたるひこ・1879〜1960)らの精進によって今日に伝えられております。




 『先代旧事本紀』(せんだいくじほんき)には饒速日尊(にぎはやひのみこと)が、天神御祖(あまつみおや)から天璽瑞宝(あまつしるしのみずのたから)十種神宝を授かります。そしてその十種神宝を、自分の子供の宇摩志麻治(うましまじ)に伝え、その宇摩志麻治は神武天皇に献上します。
 よって多くの人たちは、この十種神宝とは十種類の宝であると思っていますが(実際に十種類の宝の絵が残されています。)、我々に伝わる十種神宝御法とは、天皇が天照太神と御同体になられる御行として伝わっております。それらは、神人合一、即身成仏と目指すところは同じです。ただ日本に神代から伝わる法が十種神宝御法なのです。
 宮中祭祀を司っていた白川神祗伯王家(伯家神道)が明治時代に国家神道に取って代わり、また血筋も絶えたため断絶しますが、そこで免許皆伝を受けた井上正鐡(1790年〜1849年)により世に残ることになりました。



十種神宝御法斎修体系

一種 品々物比礼(くさぐさもののひれ) 神体行 高御座 はふり
の御行
二種 蜂比礼(はちのひれ)
三種 蛇比礼(おろちのひれ) 霊体神事行 御簾内
四種 道反玉(みちがえしたのたま)
五種 足玉(たるたま)
六種 死反玉(まかるがえしのたま) 霊体祓行
七種 生玉(いくたま)
八種 八握剣(やつかのつるぎ)
九種 辺都鏡(へつかがみ) 生体祓行 御簾外 初学
十種 沖都鏡(おきつかがみ)

十種神宝御法初学修行座案内
詳しくは『初学修行座』をご覧下さい。



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