
◆ 松本・四賀直結道路建設「断念」の表明 (H18.4.13記載)
大勢の傍聴者があり、入室できなかった傍聴者には隣室での音声放送が用意されるなど、市民の関心が高い中で、議員協議会が開催され、菅谷市長から松本・四賀直結道路の建設を「断念す」る事が表明されました。
この道路は松本市と旧四賀村の合併に当り策定した「新市建設計画」に盛り込まれていますが、建設費用が大きく(概算80億円)実施のあたってはその有効性など市民の意向を確認する必要があるとの考えから、昨年9月に第三者機関の「市民意向確認研究会」を設置して研究を行ってきました。その結果が3月23日に市長に報告されたのを受けての市長からの意向の表明です。
それによると
@ (市民は直結道路を建設すべきではないとの意向であり)建設は断念せざるをえない。
A (建設推進の思いへは)できるだけ早期に代替案を作りたい。
当然、建設を推進してきた議員からは批判的意見がなされ、3時間を越える議論となりました。その中には「意向調査のプロセスに疑問をもっている。松本市議会は機能しているのか」のような過激な発言も見られ、一部感情的な対立の様相も感じられました。
批判的な意見では
@ 建設は合併に当たっての約束事ではなかったのか。
地区住民は約束事として捉えており、十分な説明責任を果たして来なかったのではないか。
A アンケートの有効性への疑問
市が提示した直結道路案(モデルや予算など)は恣意的又は不充分ではなかったか。
大手事務所での説明も建設反対ありきではなかったか
B 市長の手法への疑問
こうした地域利害が対立する問題に全市アンケートは馴染まないのではないか
市長の意向を容認する意見では
@ 四賀地区には上水道問題などトンネル以外に解決すべき問題がある。
A 市長の判断を歓迎
概略このような議論でしたが、協議会であり採決は行っていません。賛否に対しての議員の数は分りませんが、反対意見がありましたので従来からの方法に沿って、議会としては理事者の提案を「聞き置いた」と集約しました。2月議会に提出された「建設を求める請願書」も継続審議になっていますので、そのような機会に議会の中で議論が行われ、議会としての判断がなされると思っています。
今回の意向表明で不充分と感じられた事は代替案が「できるだけ早期に代替案を作りたい」との一言で済まされている事です。時間的制約もあって、検討しきれないことは理解できますが、もう少し意思表明の時期を遅らせてでも、また検討の途中であっても代替案の具体策に言及して欲しかったと思いました。トンネル建設断念は市民の意向や財政問題、費用対効果などから苦渋の選択として理解はしますが、もう少し、建設を求めている四賀地域住民への配慮もなされるべきでした。
今後行われる議会での議論も、トンネル建設の賛否だけではなく、こうした代替案を遡上に上げながらの議論が必要で、そのためにもできるだけ早期の代替案の検討が必要です。

◆ 第54回花いっぱい運動 発祥記念祭 (H18.4.7記載)
千歳橋女鳥羽川畔に建設されている「花いっぱい運動発祥の地」記念碑の前で、第54回の記念祭が開催されました。花いっぱい運動の歴史は松本市の公式ホームページに詳しく載っていますが、昭和27年に松本市立旭町小学校教諭の小松一三夢などによって提唱され、本松本市から世界へとこの運動が広がっていきました。
花いっぱい運動は県 内から県外各地へと広がって、昭和30年には第1回花いっぱい運動全国大会が10月3、4日、四柱神社境 内の松本市公民館で開かれました。その後各地で全国大会が開催され、世界大会も既に第5回が開催されています。
花いっぱい運動の心は戦後の荒廃の中から日本国内はもとより、全世界に広がりました。小松一三夢先生は、花いっぱい運動の心をこう表現しています。「花いっぱい運動は、単に花をつくることではない。社会を美しく明るく住みよいものとするため、人の気持ちを善意あふれたものとするため、その手段の一つとして花を育てるものである。つまり人の心に美しい大輪の花を咲かせるものである。」と。
この運動が益々盛んに、広がりをもって発展する事を願っています。
私も昨年の9月議会でこの運動と市街地作りや観光政策の一環としてハンギングバスケットの導入を提案しました。これはカナダ ビクトリア市が町を上げて推進している運動ですが、花いっぱい運動発祥の地としてふさわしいものだと思えます。提案時期が9月だった事もあり、昨年は一部市街地に花の飾りつけも行われましたが十分とは行きませんでした。ぜひ今年からの本格的な導入を働きかけていきたいと考えています。

発祥の地記念碑 カナダ ビクトリア市でのハンギングバスケット

◆ 松本駅東西自由通路の音声案内システム (H18.4.4記載)
5月の20日頃の暫定開通を目指して松本駅東西自由通路の工事が行われています。
計画当初から福祉関係者の意見を聞きながら、設計を進めてきましたが、今回の施工にあわせて、視覚障害者のための音声誘導システムが導入される事になっています。
エレベータや階段、トイレや駅の出入り口の案内など、チャイムや音声、点字パネルなどを組み合わせたシステムで、松本地域ではこうした広いエリアでの音声誘導システムは始めての導入になります。
以前、アメリカでは先進的に障害者問題に取り組んでいると言われるバークレイ市では障害者が自由に散歩ができるように公園にも、日本の機器で音声案内システムを導入したとの話を聞いた事がありました。我が国のテクノロジーの高さに感心したり、いつになったらこうしたシステムが身近なところに導入されるだろうかと思っていましたが、この松本市にも導入が始まったと思うと感慨深いものがあります。
我が国では、まだ一部試験的に使用されている程度ですが、徐々にでも市民の理解が広がり、他の施設への導入が始まればと思っています。何時の日か、新しい施設を作る時にはこうした物は当然となるような社会が来る事を願っていますし、そのための努力をして行かなければと思っています。

◆ 岡田保育園の卒園式 (H18.3.29記載)
先日地元保育園の卒園式があり、招待を受けて参列さてて頂きました。150人ほどの規模の保育園ですが、今年の卒園児は50人弱ほどでした。
毎年恒例で、卒園証書を受け取ったあと、卒園児と保護者が、一組ずつお互いに卒園をするにあたって、感謝のメッセージを述べ合う場面があります。元気のいい子、小さな声で話す子、感極まって泣きながら話す子と、夫々性格が現れていますし、話す内容も遊びの話し、お弁当の話し、送り迎えの話と様々です。
夫々のメッセージを聞いていると、こうした子ども達には夫々の家庭があり、夫々の家庭には夫々のドラマがあり、一人ひとり違う人生を歩き始めている事が伝わってきます。
保育園、小学校、中学校と集団に入るとどうしても、集団として見ることが多くなってしまいます。しかし、人は夫々に全く違う存在である事を前提に、夫々が自分の能力を生かしながら社会の構成員として活躍ができるようにならなければなりません。
夫々が親子の絆を大切にしながら夫々の人生を大切に歩んで欲しいものだと、卒園式に参列しながら取り留めの無い思いを巡らせていました。


◆ 長野県松本文化会館の指定管理者制度 (H18.3.27記載)
長野県では文化会館の運営に指定管理者制度を導入する事になり、指定管理者の選定作業を進めてきました。長野県は長野市、松本市、伊那市と3館を運営していますが、長野市、伊那市は従来どおり(財)長野県文化振興事業団が運営する事になりましたが、松本文化会館は民間のコンベンション会社が運営をする事になりました。
選定された理由は@積極的なコンベンションの誘致で館の稼働率の向上A人件費の節減などで運営費の縮減が図られる、などが評価されています。
稼働率の向上や、効率的な運営は指定管理者制度の狙いでもありますので、こうした文化施設も指定管理者制度の対象として効率的な運営をする事に問題はありません。ただ、こうした文化施設が行ってきた文化振興事業をどう評価するのかは難しい問題だと思っています。収入にならない文化振興事業が民間の経済論理だけで切り捨てられてしまっては、この制度の採用も本末転倒になってしまいます。
松本市はまだ美術館や市民館、博物館などの文化施設は指定管理者制度の対象とはしていませんが、いずれ検討の対象になるかも知れません。十分な検討が必要ですが、民間業者に丸投げするのではなく、館の運営と文化振興は別なものと、分けて考える必要もありそうです。
私の関わっている「SK松本ジュニア合唱団」も長野県松本文化会館の付属合唱団的な立場で、様々な便宜を受けていましたので、どのような関係になるのか心配はしています。入札条件には従来の文化振興事業は継続する事になっているようなので、大きくは変わらないと考えていますが、今後新しい運営主体の会社とも緊密な関係を作って行きたいと思っていますし、運営方向なども見守って行く必要があります。
先日、コンサートを開催して長野県文化振興事業団の方々とはお別れ会をしました。

◆ 松本・四賀直結道路市民意向確認 報告書 (H18.3.25記載)
昨年の7月から9ヶ月に亘って、松本・四賀直結道路の市民意向確認調査を実施してきた研究会が市長へ調査結果の報告書を提出しました。市長は研究結果を尊重しながら判断をすると発言していましたので報告書の内容が注目されていました。
報告書は68頁のボリュームですが、結論は第3章考察部分の3行に集約されています。それによりますと。これまでの市民意向確認の全プロセスを検討した結果、松本市民の意向は、松本・四賀直結道路を建設すべきでなく、建設推進の思いは別の方策によって実現されるよう努力すべきである、ということであると本研究会は解釈する。との内容です。
ポイントは二つで
@松本・四賀直結道路(現在提案されているトンネル)は建設すべきでない。
A建設推進の思い(一体感、悲願など)は別の方策で実現するよう努力すべき。
まだ市長の方針が示されていませんので、どのような方向になるのかは分りませんが、この研究会の報告によってトンネルの建設はかなり難しくなったと思われます。市長からは研究会の結果を尊重するとの発言が再三ありましたので、これだけ明確な答申が出ると建設するとの方針は示し難いと思います。
仮定の話になってしまいますが、もし市長が建設しないとの決断をするとすれば、報告書のA項目で言う「別の方策」をどれだけ具体的に示す事ができるかがポイントになります。四賀地域の住民は勿論ですが、32%にもなる建設賛成の市民の思いは重く受け止めなければ市民の中にしこりが残ってしまいます。
報告書では国道143号の改良、会田病院の活用、高速道路の利用(スマートインターまたは緊急口の設置)、ヘリコプター利用などが提案されていますが、検討すれば他の方法も見つかるかも知れません。しかし、@を明確にするだけでは報告書の(都合の)いいとこ取りになってしまいます。Aの具体策も同時に示してこそ多くの市民の理解が得られるものと考えています。

◆ 松本のものづくり伝承シンポジウム (H18.3.23記載)
松本市が主催して松本のものづくりについて考えるシンポジウムがありました。ものづくりと言っても工業や食品加工など、現在の産業的なものづくりではなく、伝統工芸的な手作りの技術や技法を後世に残そうとのものです。
基調講演には京都に新しい観光ブームを起こしている京都市観光政策監 清水宏一
氏による「伝統を今につなぐ・つくる・つかう町京都」のテーマでの講演がありました。年間3800万人まで落ち込んだ観光客の入り込み数を5年間で目標の5000万人まで回復させるなど、実績に基づいた講演は迫力のあるものでした。
講演を聴いて感じられることは、十分な「現状分析」と「戦略」に基づき、継続した「熱意」による政策の遂行です。目標も「観光客を5,000万人に増やす」と具体的で明快だった事も関係者の方向を一つにする事に効果的だったようです。
信州・大学地域連携プロジェクトによる松本市の伝統工芸などの現状調査をした報告がありました。調査したのは三十数件でしたが、幾つかの松本的な工芸品もあります。しかし、産業として商業ベースに乗っているものはわずかのようです。伝統工芸は実用品として発展してきましたが、現在では芸術的価値に方向を変えてきたものが生き残っているようです。多くの物は技術の伝承も高齢化等でかなりが失われる可能性が高いようです。全てに後継者を育てる訳にも行きませんが、全く失われてしまう前にアーカイブスなどでの保存も検討の必要があります。
ちょうど井上百貨店では「長野県の伝統工芸品展」が開催されていましたので、そちらも見てきました。歴史に裏打ちされた工芸品は持っているだけでも嬉しくなるような存在感がありますが、高価でなかなか直ぐ購入とは行きません。こうした物を残していきたいとは思いますが具体的には難しい問題です。

◆ 四賀直結道路市民意向確認の中間報告 (H18.3.21記載)
松本市と旧四賀村の合併時に懸案となっていた「松本・四賀直結道路」の建設について市民の意向を確認するため、第三者機関の市民意向確認研究会を設置して確認作業が進められてきました。そのプロセスがほぼ終わり、最終的な市長への答申書が近日中に出されるとの事ですが、先立って市から議会への状況報告がありました。
まだ報告書は提出されていませんので、市長への答申がどのような内容になるのかは分りませんが、実施してきたアンケートや討論会でのおおよその内容についての説明がありました。まあ、その都度新聞報道やインターネットで発表されてきた内容で、あまり目新しい内容はありませんでした。答申書提出時期を目前にして、どのような意図でこの時期に議会への状況報告を行ったのか良く分りませんが、質疑の中から多少なりとも市長の考え方が明らかになっています。
その中で注目されたのは、「議会とも相談して決める」との発言が、どの時点で議会と相談するかと言う点です。市長からは「答申などを参考にしながらまず(市長が方向を)決断し、(それについて)議会と相談する」との発言がありました。予算の権限を持つ市長としては当然の権利であり責任ですが、議会での議論はそれを待って行う事になります。
今回の協議会でも賛成、反対の発言が一部の議員から多少ありましたが、ほとんどの議員は今回は状況を聞くだけと割り切っていたようです。4月以降いつ頃になるか分りませんが、いずれ市長の考え方も示され、我々議員も決断をする時期が来ます。答申の内容にもよりますが、造る・造らないの議論だけではなく、何とか大方の市民が納得できるような方向を見つけられないかと思っています。

◆ 安原地区福祉を語る集い (H18.3.18記載)
私の関わっているNPO法人「松本地域の精神保健福祉を考える会」と安原地区の町会、福祉ひろば、公民館などが共催して障害者問題を考える標記の「語る集い」を安原地区の公民館と福祉ひろばを会場に開催しました。NPO法人が障害者問題の地域での啓発活動として取り組みをはじめた事業ですが、先に実施した岡田地区に続く二ヶ所目となります。
事業のねらいは障害者、健常者共に、お互いを知らない事による偏見を取り除こうと、障害者と地域との交流を進めているものです。
テーマは「地域における障がい者福祉を考える」として、障害者や地域福祉計画の策定に関わった方の体験発表。引き続いて4ヶ所の会場に分かれての分散会が行われました。分散会では「地域の中でお互いを支え合おう」と発表会での話題から、障害者問題への意見交換を行い、最後に全体で各分散会での内容を取りまとめた発表を行いました。
この地域は従来から福祉活動、ボランティア活動が盛んで、こうした問題に興味を持つ方が多く、参加者は89名と、大勢の方に参加いただきました。
単なる学習会ではなく、この事業の特徴としている、障害を持たれた当事者が直接体験を発言する事や、参加者が自分の思いや意見を話し合う分散会では大変活発な意見交換があり、この問題に対してずいぶんと理解が深まったと思いました。
まだまだ始まったばかりの事業ですが、障害者問題は社会的資源の充実と共に、こうした市民の理解を深める事が必要です。これからもこの事業の他地区への拡大と共に既に実施した地域でも一回限りでない継続的な活動になるよう続けていきたいと思っています。

全体会議 分散会

◆ 国道158号整備促進議員連盟の設立 (H18.3.16記載)
ここ何年かほとんど動きが止まってしまった標記の道路について、何とか弾みをつけようと松本市議会の有志によって「松本市議会中部縦貫自動車道建設促進及び国道158号整備促進議員連盟」が設立されました。集まった議員は33人で、6人が賛同できないとの事で入会できませんでしたが大半の議員が力を合わせようと、まとまる事が出来ました。
どちらの道路も前知事のときには長野県が推進をしていましたが、知事が交代して考え方の違いからストップしてしまいました。松本市としては安曇、奈川、梓川の西部地区が合併したことを契機として、もっと積極的に関わっていこうと、建設委員会が主導しながら議員連盟の設立を検討してきました。
合併によって新たに加わった上高地や乗鞍にとっては観光路線の位置付けであったり、地域住民には重要な生活路線であったりで、このままいつまでも放置しておける問題ではありません。どのような活動が効果的か今後検討することになりますが、何とか動き始めるような状況を作り出していかなければとの認識では一致しています。当面は松本市だけの活動になりますが、当然近隣の市町村や山向こうの高山市などとの連携も必要になって来ると思います。

一緒に考えよう
松本市のこと

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