芦田勝弘の議会レポート

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◆ 松本市防犯条例の委員会審査
(H18.3.12記載)

9日の松本市議会経済環境委員会で「松本市防犯条例」の委員会審査が行われました。この条例(案)には一部に反対意見があり、大勢の傍聴者が詰め掛ける中での審査となりました。

この条例は、長野県下の都市では犯罪発生件数ナンバーワンと言われるような松本市の状況に、市民の声を受けて議会からも早期に制定が求められていたものです。昨年の9月議会では議員の質問に答えて市長からも早期制定が約束されていました。

条例の内容は何回か委員会協議会にかけられ議論がされてきた経過があり、それを受けて昨年末には直接市民の意見を聞く営みも実施されています。協議会の記事

委員会の冒頭に、この条例に反対している委員長から「委員の発言の機会を保証する」との表明があり、予想通り委員長と同一党派の委員から反対の意見やら質問がなされ、多少賛成派委員からの意思表明の時間もありましたが、ほとんど反対のための議論に午前中半日が費やされました。更に昼食の休憩をはさんで委員長からも反対意見が1時間近く述べられ、同じ内容の繰り返しでそろそろ審議を打ち切っても良い頃ではないかと思い始めた頃、採決が成され賛成多数で可決されました。結果的には反対は共産党会派のみでした。

議会ですから発言の機会を封殺するような事は慎まなければなりませんが、何とか採決を求める緊急動議が提案される寸前に決着がついて良かったと思いました。委員会での議論は疑問点を明らかにすると共に、採決に向けて同僚議員を説得する意味もありますが、同じような内容の繰り返し発言と、条例の一字一句まで取り上げての「木を見て森を見ない議論」に、うんざりしたのは私だけではなかったと思います。
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◆ 四賀地区の上水道
(H18.3.10記載)

二日目の一般質問の中で、四賀地区の上水施設が話題になりました。
最近の調査で、この地区の給水管からの漏水が見つかり、新年度には本格的な調査を行うとの事です。地区内75kmは同じ工法で行われているため全てについて漏水調査を行い、改修が必要となれば配管の敷設替えなども発生する可能性もあり、大分大掛かりな工事になりそうです。

昨年の9月議会でも四賀地区の浄水施設の老朽化が話題になり、現在整備計画を検討中で正確な事業費ではないとの事ですが、現在の場所でそのまま改修工事を行うとすれば、概算で20億円が必要になると説明が成されていました。

上水の事ですから何を置いても進めなければならない事業ですが、一緒に合併した梓川地区の給水施設にも概略9億円が必要との説明もあり、水道局としては思いがけない負担になりそうです。

また、現在四賀地区での水道料の住民負担は、当面合併前の料金を継承していますので、旧松本市と比較すると2倍ほどになっています。これは住民負担の公平性確保の視点からは早い機会の見直しが必要だと思いますが、水道局から見れば負担がかりそうです。

松本・四賀直結道路の問題も、市民意向調査のとりまとめが最終段階を迎えていて、今後議会内でも大きな議論になるものと思いますが、何かと話題の多い四賀地区ではあります。
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◆ 地域内分権について
(H18.3.6記載)

定例会冒頭の一般質問からの話題ですが、同僚議員が地域内分権について取り上げました。
地方分権にも共通した考え方ですが、身近な問題はなるべく近いところで解決を図ったほうが、効率的で痒いところにまで手が届くような解決が図れるとの考え方から、地域の事は地域でとの考え方です。近くでは長野市などが市域全体で「都市内分権」を積極的に進めようとしています。

松本市が昨年編入合併した4地区に地域自治区や地域審議会を設置したのもその考え方に沿ったものです。確かに、地域の事はそこに住んでいる人が一番分っていますから、行政単位が大きくなればなるほど行政と住民の距離が遠くならないための施策として取り入れる必要性は高くなると思っています。
松本市程度の規模の自治体でも地域分権は必要で、そのためのバックグランドとして、地域コミュニティの再生も必要との考え方には賛同できます。

ただ、考え方の方向は正しいと思いますが、住民自治や地域分権と言っても具体策になると難しくなります。行政組織を地域ごとに細分化したのでは効率の上からも自治の考えからもずれてしまいます。住民が主体的に自治組織に関わる必要がありますが、忙しい現代人にはかなり難しい問題もあります。一部の活動家だけに任してしまっては何のための分権か分りません。

松本市は町会組織がしっかりしていて、地域のまとめ役的な役目を担っていますが、実際に町会長など町会の役員を引き受ける人は限られてしまいます。地域自治を担う人をどう育てるか、また選挙で選出されている我々議員と違い、公平性をどう担保するのか、クリアすべき問題はたくさんあります。
しかし、様々な議論をしながらも進めていかなければならない仕組みだと考えています。 そのためにも、4地区の支所機能は十分注視していこうと思っています。
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◆ 吉江健太朗議員への懲罰 (H18.3.2記載)

2月定例会の開会初日、市長からの提案説明に続いて懲罰特別委員会からの報告があり、吉江健太朗議員にたいして懲罰を科すことが全会一致(本人は除く)で決定されました。

事件は以前の記事で紹介しましたが、同僚議員を侮辱したことに対するものです。懲罰特別委員会が設置され侮辱の事実が認定され、今回の懲罰になりました。懲罰の種類は4ランクある内、下から2番目の「陳謝」で、本会議、公式の場で本人から陳謝文の朗読が行われました。
     謝罪文

ちょうど国会でも「送金指示メール問題」をめぐって、民主党の永田寿康衆議院議員への懲罰動議が出されています。同じような事件で、まだ懲罰が行われるかどうか今後の議論を待たないと分かりませんが、与党の中には議員の身分を剥奪する「除名」を求める声も多いとの報道もあります。

私としては、吉江議員の懲罰の議論の時には、名誉毀損は勿論重大な犯罪ではありますが、市民が選んだ議員の身分を剥奪するのはやりすぎではないかと考えていました。
しかし、国会の場での議論でも「除名」が話題になることを思うと、公式の場で他人の名誉を傷付ける事の重大性を改めて認識しています。

議員が行う公式の場での発言や、それに対する責任は、常に政治生命を賭けるだけの重みがあることも改めて考えさせられています。自分に与えられた権限、責任を過小評価することなく、また過大評価することなく、誠心誠意、自分らしく、勤めを果たしていきたいものです。
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◆ 松本青年の家閉所記念式
(H18.2.28記載)

長野県青少年の社会教育施設として県内では第一号として建設された、「長野県松本青年の家」がこの3がつまでで閉所されることがほぼ決まりましたので、歴代の職員や利用団体、地域の関係者などで閉所の記念式典を行いました。
県議会での廃止条例がまだ議決されていませんので決定ではありませんが、長野県が継続する可能性はほとんどなくなったとの判断から、職員がいるうちにと行われることになりました。後利用がまだ決まっていませんので、挨拶も複雑でしたが、集まった関係者は皆、何らかの形での継続を希望していたようです。

宿泊利用者が最盛期の半分ほどになったり、施設が老朽化したことから長野県の財政再建の一環として知事が廃止を提案しているものです。長野県では専任の職員4人を配置しての運営で、年間5千万円ほどの経費が掛かっていたそうです。

後利用を提案されている松本市も腰が引けていて、すぐには引き受ける状況にはなさそうです。市民からの利用計画も募って、民間での運営等模索しているようですが、私としては、青少年の健全育成が強く言われている現状を見ると、松本市が青少年の社会教育施設として継続利用することを望んでいます。

松本市では三城地区に「美ヶ原少年自然の家」を運営していますが、運営経費は人件費も含めて、年間400〜500万円程度です。この施設(青年の家)も同じような運営形態にすれば、体育館も、グランドも併設されており、地理的にも市街地に近いこともあって、美ヶ原少年自然の家より使いやすい施設になるのではないかと思っています。運営経費の削減は当然行わなければなりませんが、何とか継続できるような努力をしたいと思っています。
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◆ 耳の日記念文化祭 (H18.2.27記載)

3月3日は耳の日ですが、少し前の土曜日(25日)に合わせて松本市聴覚障害者協会が主催して「耳の日記念文化祭」が開催されました。
一般にはあまり知られていませんが、耳の日は3月3日が「みみ」と読めることから、日本耳鼻咽喉科学会が1956年(昭和31年)に制定して、50年の歴史があります。元々聴覚障害への福祉的考えから制定された日ですが、近年では社会への窓でもある耳を大切にしようとの運動へも広がっています。
        
文化祭へは、私が関わっている障害者支援関係のNPO役員として招待を受けて、オープニングセレモニーへ出席させていただきました。会場内模擬店の展示販売には聴覚障害の関係者だけではなく、知的障害や精神障害などの団体が一緒に店を開いていました。

このNPO活動目的の一つに、「障害の垣根を越えて障害者や障害者団体が連携しよう」との目標があり、積極的に連携の推進を計ってきましたが、多少なりともその成果が現れてきたのではないかと思っています。今回の障害者自立支援法の趣旨も三障害といわれる知的、身体、精神、夫々のサービスを一元化することも大きな目標の一つになっていますが、まだまだ実際には不充分な状況です。

ノーマライゼイションの社会実現が叫ばれて久しくなりますが、社会の仕組み、町の構造、市民の意識、どれをとってもまだまだ不充分です。一朝一夕には行きませんが、今回の文化祭なども含め、様々な機会を捕らえて社会への働きかけを行っていく必要があります。

まだ詳細はよく分かっていませんが、今回の障害者自立支援法は4月からの施行を控えても詳細が決定しないなど様々な問題点を抱えているようです。この問題については、議会で取り上げたり、また後日このHPでも発言をしてみたいと考えています。
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◆ 有害鳥獣駆除対策協議会
(H18.2.24記載)

平成18年度の有害鳥獣への対策を協議する「松本市有害鳥獣駆除対策協議会」が開催されました。協議会は松本市、JA、森林組合、農業委員、鳥獣保護員、猟友会など、関係する団体の代表19人で構成されています。

昨年度の農林業被害などから、今年度の有害鳥獣の駆除計画を決定します。有害鳥獣による農林業の被害は年々増加しているのが実感されますが、個体数調整のための駆除となるとうまく行っていないのが実情です。駆除は主に猟友会に委託されますが、会員の高齢化や狩猟人口の減少で作業が思うに任せないことや、駆除をすること自体が一般からは白い目で見られ、猟友会員もあまりやりたがりません。ただ、銃器や罠を扱うのは猟友会員以外にいませんので、有害鳥獣駆除は義務でもありますが。

今回の協議会では駆除計画以外で、二つの問題が話題に挙がりました。一つはカラスの個体数調整です。駆除以上に冬場の兵糧攻めが有効で、農家や一般家庭に食物残渣やゴミの処理を呼びかけていくことや、継続的な個体数調査も行うことになりました。

もう一つは「ハクビシン」の問題です。最近全国的に急速に増え始めて、松本の市街地でも目撃情報が多くなっています。ハクビシンは狸ほどのサイズの外来種ですが、雑食性で繁殖力も旺盛です。何年か前、世界中をパニックに陥れたSARSも中国でのハクビシンが原因とも言われています。果樹などの被害もありますが、住宅の床下、屋根裏などに住み着いて病原菌の媒介になる心配もあります。

こうしたものがどうして増えるか良く分かってはいませんが、気温の上昇で冬場も過ごしやすくなったり、人間の食料が豊富になりどこにでも野生動物の食料になるゴミが見つかるためではないかと思っています。
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◆ 高知市など調査報告書 (H18.2.22記載)

先日実施した高知市と奈良市での調査報告書です。
    報告書
行政視察のたびに、いつも反省はしますがうまく行かない事に調査項目の盛り込みすぎがあります。せっかく行くからと「あれもこれもと」つい調査項目が多くなってしまいます。もっと項目を絞って、視察先の職員との意見交換の時間をもう少しかけたり、現地調査も行いたいと思っていますが、毎回慌しい視察になってしまいます。次の機会には何とか・・・
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◆ 会派での行政視察
(H18.2.19記載)

2月15日から17日までの3日間、所属する会派「政友会」で行政視察を行いました。テーマは市街地の景観作りや活性化、またそれらの観光産業とのかかわり等についての調査です。

まだ報告書としてまとめてありませんが、訪問先は高知市と奈良市でどちらも市街地の活性化や観光産業の振興のため、歴史的な価値を大切にしながらの景観作りや産業の振興策等に積極的に取り組んでいることから選定しました。

高知市は元々坂本竜馬の出身地で、高知城と竜馬を観光資源の中心に据えてきましたが、今年からNHK大河ドラマで「功名が辻」が取り上げられて、ドラマの後半には脚光を浴びることになりそうです。
高知市で聞いた話では、橋本高知県知事はNHK出身で、上京の折には必ずNHKを訪問して、高知市に関連したドラマを取り上げるように依頼を続けていたそうです。具体的には坂本竜馬を期待していたそうですが、それは以前放映したこともあり、形を変えた実現でしたが、長年の念願がかなったとのことで張り切っていました。
また、高知市の街路市は300年の歴史を持ち、規模も大きく全国的にも有名でしたので一度見てみたいと思っていました。

奈良市は国宝、重要文化財級の建造物は沢山あります。しかし、そうしたものは無いものねだりにで松本市には参考になりませんので、今回の視察は奈良市の中心部の一角ですが、奈良町を景観地区に指定しながら何10年に亘って、こつこつと奈良らしい景観を作ってきた地域があり、そこを視察することにしました。
条例で強制するのではなく、補助金と指導で景観を作っているので時間はかかっていますが、着実に奈良らしい景観が取り戻されつつあります。粘り強い取り組みには感心しました。

レポートは後日出来上がり次第UPします。
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◆ 第8次基本計画の協議
(H18.2.13記載)

第8次基本計画の基となる基本構想(松本市基本構想2010)のキャッチフレーズについて委員会で協議が行なわれました。これは現在基本構想の見直しを行っていて、それに伴いまちづくりのキャッチフレーズを新たに制定しようとするものです。

4つの案が提示されました
@ みんなでつくる 自治と協働のまち まつもと
A 手をつなぎ 輝き はばたく まち まつもと
B 一人ひとりの輝きが地域を結ぶまち
      「つながり ひろがり はばたく まつもと」
C 自然の躍動 文化の鼓動 人の輝き
      「つながり ひろがり はばたく まつもと」

この素案について市民の意見を求める事になりますが、委員会で多かった意見は、どの案も松本らしさが感じられない。もっと松本だけが持っている歴史的な背景等を盛り込んで欲しいなどでした。
確かに従来の「文化薫るアルプスの城下まち」と比べても、協働のまちづくり等、松本市民への市政運営に向けてのアピール性はありますが、これが松本市と言うには物足りないように思えます。

第8次基本計画の素案についても提示がされましたが、従来までの第7次計画に比べると、大分まとめ方が違ってきています。従来の基本計画は抽象的な市政運営方針の羅列で、とても計画と言えるような代物ではありませんでした。
私がはじめて見た第6次基本計画で、松本市の計画とはこんなものかと心配になり、何回か意見を申し上げてきましたが、第7次計画では多少政策の目標値が取り入れられ始め、今回は計画書のスタイルも変更になり、大幅に計画の到達目標が盛り込まれていて、工夫の跡が読み取れます。

計画とは「いつまでに」「誰が」「どこまで」達成するかが盛り込まれていないと意味がないと、長年言い続けてきましたので、こうした流れが始まった事に職員の努力の跡が感じられ、嬉しく思っています。ただ、不充分な所も目に付きますので、委員会ではもっと努力を求めて厳しい意見を言いましたが、せっかくの努力を認めず、あら捜しのようで多少気が引けました。まあ、これも議員の職務でやむを得ませんが。

計画を明確にして、実際との違いを確認することで、次のステップへの対応が明らかになってきます。人間は都合良くできていて、自分に不都合なことは、誰でも明らかにしたくありませんし、時間が経つと忘れてしまいます。同じような失敗を繰り返さないためには具体的な計画とそれに対して、十分な反省を行う事が必要です。
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松本市のこと


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