芦田勝弘の議会レポート

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◆ 12月定例会の開会
(H17.12.5記載)

恒例の定例会冒頭の市長挨拶で、今話題の2件に付いてどのように触れるか、市長の考え方が推察できるのではないかと注目していました。

一つは「松本四賀直結道路」についてです。
現在、市民意向調査研究会が四賀地区住民のアンケートを行ない、回収率80%、その内直結道路建設の要望が80%であったことが報告され、今後行なわれる市域全体でのアンケート、市民討論会などを経て、3月に予定されている報告を待って判断するとの従来の方針が表明されました。
その中で、注目される発言は、要望する理由の内42%が「合併条件だから」との事で、四賀住民に合併前に情報が良く伝わっていなかったことが述べられていました。
松本市議会にも合併条件ではないことの確認はありましたが、合併前には別な自治体だった旧四賀村では住民に対してどのような説明がなされていたのかは、こちらにはあまり伝わってきていなかったのが実情です。もう一つは、四賀地区でのアンケートの直前に発行者不明のチラシが住民に配布され、アンケートに影響を与えたのではないかとの認識で、厳重に抗議をするなど(発行者不明ではどこに抗議したのか分かりませんが)不快感を表していました。

もう一つの案件は「旧勧銀ビルの後利用」についてです。
従来どおり、行政がお金を出して取得することは難しいとの見解ですが、あの地域に高層建築物が建設されることについては都市景観上からも問題があるとの認識が述べられました。現在進められている市民の保存運度を注視していくとの事です。
ただ、報道される限りでは銀行側がタイムリミットとしているのが今月末になっていて、3億円とも言われる資金を市民運動だけで捻出するのは難しいのではないかと思っています。今後議会にも相談があるかもしれませんが、市民運動がどのようになれば行政が保存活動の応援をするのか難しい問題です。第三セクターでの取得などの話も出ているようですが、行政としてどこまで支援できるのか十分な議論が必要です。都市景観上の問題だけでは行政が関わって取得するには無理があります。もし行政が支援する場合は、あのビルが文化財であるとのコンセンサスができるかどうかにかかっているのではないかと思っています。
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◆ 松本市有害鳥獣駆除対策協議会 (H17.12.3記載)

松本市では野生鳥獣による農林産物の被害状況を適切に把握したり、被害対策の計画を立案するために、経済部長をトップにした有害鳥獣駆除対策協議会が設置されています。
耕地林務課が事務局で農協、森林組合、農業委員会の代表者と猟友会、鳥獣保護員の関係者で構成されています。

市村合併に伴い従来夫々が行なっていた対策協議会を一本化することになりました。ただ地域によって有害鳥獣対策の方法も違っていて、有害鳥獣駆除も補助事業であったり、委託事業であったりで、一気に統一は難しく、組織的には「松本市有害鳥獣対策協議会」として統一しましたが、その下に地域毎の部会を設けて当面は従来の方法を踏襲しながら、2〜3年を目処に統合を検討することになりました。

近年はカラスなどの鳥類に加えて、大型獣類による被害が年々拡大しています。従来の松本市は東山地域で、鹿や猪が主な対象でしたが、西山地域が合併しましたので対象獣類もサルや熊が加わることになりました。サルや熊はどちらもただ駆除をするだけでは無く、扱いの難しい動物です。特に熊は地域に住む人にとっては危険な動物ですが、年々その生息数を減らしていて、保護策も同時に図っていく必要があります。

今年から特にカラスの対策に力を入れることになりました。これは私が9月議会で取り上げたことも理由の一つかもしれませんが、近年のカラスの被害は放置しては置けない状況になっています。これから冬場に入ってカラスもえさの少なくなる時期に入りますので、果実や野菜の残渣、家庭ごみの処理など広域的に啓発を図るための広報活動を行ないます。
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◆ 岡田の里竣工式
(H17.11.29記載)

中信地域の市町村が協同で運営している、松塩筑木曾老人福祉施設組合が建築を進めていた、特別養護老人ホーム「岡田の里」と併設されるデイサービスセンター「ジョイフル岡田」が完成し、竣工式が行なわれました。
  

中信地域では初めての新型特養で、全室個室のユニットケア型の施設です。入所定員は104名、ショートステイ定員が16人、併設のデイサービスセンターは25人定員となります。総事業費≒24億2千万円

松本市街地を一望にする高台で、隣はアルプス公園と大変景観、環境の良いところです。ユニットケアは従来の集団での介護から、施設は入居者の生活の場としての位置付けで、個々のプライバシーに配慮された個別介護の考え方に基づいた施設になっています。

こうした環境は、確かに入居者にとっては居心地は良いと思いますし、長年わが国を支えてきた方々に、晩年をこうした環境で過ごせる所を提供できる事は我々現役世代にとってもうれしいことです。ただ、こうした施設が次々にできることでの、負担の面から見た問題も多いような気もしています。介護保険制度も改正されホテルコストの自己負担もありますが、それ以上に保険制度維持のための保険金負担の問題が今後大きな問題になってきます。
国の政策は在宅介護への誘導が行なわれていますが、現在の状況では施設への要望は、そう簡単には少なくなるとは思えません。もっと施設介護を低コストで提供できるような方法も研究していく必要があるのではないかと思っています。

この施設のもう一つの考え方に、地域との交流があり、そのための地域交流広場も設けられています。施設が現代の姥捨て山にならないためにも、施設入所者も地域と一緒に生活するとの発想が大切です。今後ソフトの面で様々な工夫がなされ、本当の意味で新しいタイプの特養として育って欲しいと願っています。私の地元でもあり、お手伝いできることがあれば一緒に取り組んでみたいと思っています。
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◆ 自然に親しむ講座(Y) (H17.11.26記載)

岡田公民館が主催して地域の自然や文化財を訪ねる講座が定期的に開催されています。以前から一緒に歩いてみたいと思っていましたが、今回時間が取れましたので参加させて頂きました。

今回は若宮八幡社、伊深城跡、旧慶弘寺など旧跡の探訪で20人ほど、岡田地域の方が参加されました。岡田の中でも伊深地籍の文化財で伊深在住の方に3人ほど案内に付いて頂きました。公民館事業で館長さんや、公民館主事も事前に勉強してきたようですが、地元の詳しい人から説明を受けると、資料だけでは知ることのできない、また違った発見がありますし、ボランティアで3人もの方が案内するとの気持ちも大変感激をしました。

若宮八幡社
 岡田では白雉五年(654)に創建され、1300年の歴史を持っている式内岡田神社が主流となっているが、この神社も歴史的には同年代に建立されている。祭神は大雀命(おおささぎのみこと)で、応神天皇が祭られていると言われています。元々八幡社は武門の神様で、代々の伊深城主によって守られてきたが、天文19年(1550)の伊深城落城以後は伊深村の氏神様として村民の管理となって現在まで続いている。

伊深城跡(松本市特別史跡)
 標高911mの山頂に築かれた、典型的な山城で、築城はよく分かっていないが室町時代中期と推定されている。松本最北部に位置して上田や安曇方面の出口を守る重要な拠点となっていた。後世の城と違い石垣などはありませんが、険しい山道と、幾重にも築かれた土塁の跡は戦国時代の様子を窺う事ができます。

旧慶弘寺
 室町時代に時の伊深城主であった後庁氏が菩提寺として開いたとされている。「信府統記」によると武田信玄が信濃出陣の際には参拝して、寺を保護していたと記録されている。文久2年(1862)に消失する以前は禅堂・山門・客殿など11棟以上が並ぶ大きな寺院であったが、廃仏毀釈の時期と重なり、再建できずに廃寺となった。現在は地域の公園として管理されているが、農村総合整備事業の一環で公園として再整備が進められている。
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◆ おうしょうの里農業小学校収穫祭
(H17.11.20記載)

洞地区の方々が中心になって運営している桜柿羊(おうしょう)の里農事組合では農業などの体験教室「おうしょうの里農業小学校を開校しています。
開校から5年になりますが、松本市や近郊から、18家族50人余の生徒と洞地区の農事組合の方やボランティアが集まって、第5回目の収穫祭があり招待を受けて参加してきました。ボランティアは特に信大の学生が十数人協力していて、生徒の子ども達も含め若い人が目立ちます。

収穫した大根や白菜など山積みにして、これも自分達で作ったそばを打ったり、おはぎを作ったりでの収穫祭です。
今は農家の子ども達でさえも子どもが野菜を育てることに関わる事は少なくなりましたし、まして自分の家で動物を飼育することはほとんどなくなってしまいました。食べ物についてスーパーマーケット以前の段階に気を配る機会はほとんどありません。そうした事もあって、食育の重要性が言われ始めていますがなかなか実際に経験するところまでは行きません。

収穫祭の挨拶で、水田の除草を担当した合鴨が調理されて並べられている事が紹介されていましたが、人が生きていく事は、そうした上に成り立っていることや、野菜なども暑い日の汗の中から育ってくることが知識だけでなく実体験として身についてくると思います。

ただ、こうした事業を続けていく事は大変なエネルギーが必要です。学生ボランティアはともかく農家の方々は何かと仕事が忙しい中を、一年を通して月に何日かボランティア的に関わる事は傍目以上の苦労がある事は想像できます。松本市の「農業ルネッサンス事業」がきっかけで始まった事業ですが、行政もきっかけ作りの支援はしますが継続的な財政的支援は難しいようです。こうした地域の活動に、財政支援だけではない支援方法もこれからの研究課題と思われます。

子ども達の育成だけでなく、山村地域の活性化のためにもこの事業が継続して、他の地域にも同様な活動が広がって行くようになることを願っています。
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◆ 当初予算の編成過程の公表 (H17.11.18記載)

議会運営委員会が開催され、18年度の予算編成に当たっては、当初予算の編成過程を積極的に市民の公表して、寄せられた意見や感想を参考に予算編成を行ないたいとの報告がありました。

この内容は何日か前にメディア発表され、既に新聞等にも掲載された内容です。予算の編成過程を公表することについては異論は有りませんでしたが、今回の予算編成方法の変更が事前に議会と協議がなされなかったことについて、一部の議員からクレーム発言がありました。

事後報告の形での報告でしたが、予算編成方法の変更に関わる重要な項目で、議会と協議があってしかるべきではなかったかとの意見です。冒頭理事者からも陳謝の発言があり、手順の不備を発言していましたので、あまり深い追求にはなりませんでしたが、報告で済ませるか、協議とするかは微妙な問題です。

わが国の地方自治体の仕組みでは議会と理事者は対立的立場に位置付けられていて、事前に協議が行なわれることはあまり想定されておらず、議員が直接行政の責任を持つ、欧米の地方自治体とは同じ議員代表制と言っても大きく違っています。しかし、市町村など身近な自治体では議員と理事者が協同して施策を検討することも多く、重要な案件については事前協議が一般的に行なわれています。
ただ、重要であるか無いかは理事者の判断にゆだねられていて、場合によっては今回のようにお互いの考えの違いが出てしまいます。

私としては国会のような、イデオロギーが対立する場と違い、市町村レベルではもっと理事者と議会の関係を近づけても良いのではないかと思っています。制度は制度として、法律で許される範囲では議員の見識も有効活用するために、政策の検討段階で議員の意見も聞くことができる方法や仕組みを研究すべきだとは考えています。
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◆ 松本市防犯に関する大綱の協議
(H17.11.16記載)

松本駅前の防犯環境の整備について6月、9月と、議員からの条例制定が必要ではないかとの一般質問に答えて市長から12月議会には提案できるようにしたいとの踏み込んだ答弁がありました。
それに沿って庁内で検討してきた条例の概要が議会に提示があり、議員協議会で協議が行なわれました。まだ条例案として正式に議会に上程されたものでは有りませんが、ほぼこのような条例にしたいとの案です。

大綱案によると「防犯に対する意識の高揚と自主的な防犯活動」を目的にしており、どうも決意表明の宣言的条例のようで、議員が求めていた駅前の防犯環境を整備するための条例案とはなっていないようです。条例が必要との委員からすれば「お茶を濁した」程度の内容としか見えません。委員からの意見・質問もそのところに集中していました。協議ですから結論を出すことはありませんが、委員の意見からして、原案のまま条例議案として提案されれば多分成立は難しそうです。

今後委員からの意見を踏まえて再度の検討が加えられると思いますが、どの程度条例に権限を持たせるのかがポイントになります。法律や人権との関係も有りますので調整の難しい問題ですが、松本市の市街地の現状を見ると放って置いてすむ問題ではありません。言われたから、ただ条例を作れば良いのではなく、実効性のある条例に作り上げて欲しいと思っています。
議会への答弁は市民への約束ですから、最大限の努力をすることは当然のことですが、どうも9月議会での12月議会に提案するとの市長答弁で少し無理をしたのかもしれませんが。
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◆ 高山市 姉妹都市議員交流会 (H17.11.10記載)

姉妹都市、高山市との議会交流会が開催されました。4年の任期中に相互訪問をして交流を深めていますが、今年は松本市が訪問しました。本当は昨年訪問する予定でしたが、昨年の台風で高山市が大きな被害を受け、交流会どころではなかったので1年延期をして今年になりました。私としては議員になって初めての交流会への参加です。

高山市は今年の2月に近隣の村と合併して全国で最も大きな市になりました。松本市も4月に合併して長野県一の920平方キロ程になりましたが、高山市は倍以上の2,180平方キロで、ちょうど東京都と同じくらいです。人口は67,00人が97,500人ほどになりました。
また,地理的に松本市とは槍ヶ岳や穂高連峰をはさんで隣り合わせの市のなりました。明治の初め頃、一時期高山と松本は筑摩県として何年か同じ行政区だったこともあり、因縁は深いと言えます。

交流会は飛騨高山観光協会会長の「地域連携観光戦略について」との講演を一緒に聞いて、議員同士の意見交換会を行う予定でしたが、講演がだいぶ長引いて,意見交換の時間が取れなくなってしまいました。続きは懇親会の席に持ち越されましたが、高山市,松本市は観光や道路整備を通じて連携していくことが多いとの認識では一致したようです。

高山市の観光戦略は地域が狭いためか地域や、企業間の意思統一がよく取れているようです。地域のカリスマとして観光政策を牽引しているキーパーソンがいるとのことですが、民間主導の事業も多く、松本市とはだいぶ様子が違うように見えます。

道路などインフラ整備は行政の役目が大きい事はもちろんですが、それだけでは観光産業の振興には結びつきません。行政以上に民間の奮起がなければどうにもなりません。過去にはそれだけ松本市が豊かだったと言えるかも知れませんが、いつまでも過去の遺産に頼っているわけには行きません。民間業者の危機感をもった取り組みを期待したいものです。
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◆ 松塩筑木曾老人福祉施設組合 委員会
(H17.11.6記載)

広域自治体で、主に特別養護老人ホーム等を運営している老人施設組合です。運営は各自治体の組長が協同で当たっていますし、議会は各自治体から人口割合で議員を出し、議会を構成しています。事務局は管理者を塩尻市長が受け持っている関係から、塩尻市役所内に設置されています。
塩尻市長が管理者になっている経緯は良くわかりませんが、この組合では現在11施設を運営していますが、一番初めに建設された施設が、塩尻市だった関係からのようです。

組合議会には唯一の委員会が設置されています。「特養建設・運営委員会」と言われていますが、設置当時は施設建設が次々と行われ、まさに建設について集中審議のために設置された委員会だったようです。近年は新規の施設建設はほとんど行われませんので、主に定例議会前の議会運営や詳細審査のための委員会的な役割を受け持っています。

先日、議会定例会に先立って18年度の実施計画(H18〜H20)について審査を行いました。施設の運営状況は介護保険制度によって、大きく左右されますが、今のところ施設運営は比較的順調に推移しているようです。
しかし、国の方針が施設介護から、在宅介護の方へもう少し比重を移そうとされていますので、こうした施設運営は厳しくなってくることが予想されます。既にこの10月からホテルコスト自己負担制度が導入され、自己負担が増える分施設運営には負担となってきます。まだまだ待機者が多い現状では空き室などは発生していませんが、今後民間との競争も視野に入って来るのではないかと思っています。

新しい施設には入居者全室個室のユニットケアが取り入れられますが、これなども現在の入居者3人あたり介護員1人から、2人に1人と基準が引き上げられ人件費の負担も重くなってきます。そうしたものを全て入居者に付回すことでなく、施設の効率化に力を入れていく必要があります。
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◆ 岡田地区福祉を語る集い (H17.11.1記載)

「岡田地区福祉ひろば事業推進協議会」と私が関わっているNPO法人「松本地域の精神保健福祉を考える会」が共催して、「岡田地区福祉を語る集い」を開催しました。

このNPO法人は精神障害者への理解を地域に広げようと設立され、様々な活動を進めています。名前の通り設立当初は精神障害が主なテーマでしたが、近年は精神障害だけでなく、身体障害、知的障害の団体とも連携しながら、活動の輪を広げてきました。

その一環で市民啓発や、関係者学習会を兼ねて毎年、市民セミナーを開催していますが、それだけではなかなか地域への広がりが進みません。そこで今年から地域へ、我々が出かけていって、地域の方と一緒に障害者問題を考えていこうと、地区の公民館、福祉ひろばと連携して事業を開催することにしました。

その第一回目の事業が「岡田地区福祉を語る集い」です。私の地元で話がし易かった事もあって、岡田地区を選びましたが、見込み以上の80人余が集まって開催できました。現在の福祉ひろばは高齢者福祉と子育て支援が主で、障害者にはどう関わって良いのか戸惑っているのが実情です。そうした意味でこうした学習会・交流会を通して地域で、障害者への理解が進むことを願っています。今後、松本市他の33地区でも同様の事業を展開していきたいと考えています。
  プログラム
全体会議               分散会(交流会)

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