

12年目の年輪を
平成21年度通常総会開かれる
NPO法人になって初めての総会が行われ、今後の活動に向けて活発な議論が交わされた。予定された審議議案は概ね承認され、新年度の活動がスタートした。日頃活動に参加出来ない会員も駆けつけ、交流を深めることができた。
具体的な活動方針、計画等については、活動チームごとに話し合いの後、5月例会にて決定することになった。
◇日 時:平成21年4月5日 13:15~16:45
◇場 所:松本市南部公民館 3階視聴覚室
◇出席者:19名(委任状17名、会員総数38名)
◇理事長挨拶
11年目の活動であった昨年度は、倶楽部の歩みの中で大きな転換点となりました。
昨年5月1日これまでの任意的なボランティア団体から、社会的に認知されたNPO法人へと形を変えました。形は変わりましたが、考えていることやできることは、今までと大して変わりません。
しかしながら、法人化によってこういうことができるのだなーということが起こってきました。大きくは3つ挙げられます。
① 公共事業への参加
法人となり、入札資格ができました。その結果、安曇野市潮沢での「絆の森整備事業」を倶楽部が設計し、事業費を得て、整備をやり遂げることができました。初めて入札して事業を取ったということで、様々な反省点もありますが、今後の方向性を考えていく大きな転換点となる事業だったかと思います。ボランティアは無償でという考え方がまだ平然として言われていますが、必要経費が保証され、さらに社会性のある活動が継続できるしくみをつくらなければならないのではないかと考えます。
② 里山ガイドブック作成
チームメンバーも驚くような大変立派なものができあがりました。この事業もこれまでの活動の積み重ねと法人であることなどが評価され、多くの方のバックアップもあって成し終えることができました。チームは特に集まることが多く、本当にご苦労様でした。
すでにガイドブックは多くの方々の関心を呼び、活用され始めています。
これから私たちは、自分たちもあらためて里山をとらえ直し、社会の中での里山問題を提起していくことも必要ではないかと考えます。
③ 組織運営の変化
代表、副代表が中心に進めてきた倶楽部運営から理事7名、監事2名の役員体制へと変わりました。代表がいつ交代しても可能な体制ができ、また監事2名は活動が適切に行われているか助言、監査してくれます。倶楽部の活動が社会的な役割を持ち続けるためには、継続できる仕組みにしていくことが必要と考えます。
さて、2009年度は法人となって2年目の活動、倶楽部発足からは12年目の活動となります。自分ができること、したいことを一人一人が明らかにして、全員が力を出し合って、多くの人々を森へとつなげていくような活動をしていこうではありませんか。
おおいに意見を出し合って新年度を描いていきましょう。
3月絆の森活動報告
午前の部:春植物勉強会
◇日 時:2009年3月15日(日)9:30~12:00
◇天 候 :晴れ
◇講 師 :長野県環境保全研究所研究員
◇参加者 :6名
◇内 容
森倶楽部21が絆の森で春植物調査を始めて10年になります。周りのつる植物や枯れ枝を片づけたりしながら、プロットを設け、自分たちなりの調査活動を続けてきました。5年前くらいからは、春と秋に定期的に草刈りを行うなど試行錯誤しながらの活動でした。
2006年度から環境保全研究所のO研究員から生態についての講義や調査・保全方法などの教えを受け、地図を作成して全域の個体数調査も行ってきました。
春植物調査に取りかかるこの時期に開催する学習会も3年目を数え、少しずつグレードアップした内容になっているような気がします。今回は春植物の生態に加えて、このような植物がどのようにして伝わり、生き残ってきたかを学習しました。
日本は森林の国ではあるが、日本人が人為的に草原を使う生活をしてきたことから、長い時間を経て「半自然草原」が維持され、草地を好む植物が生き残ってきたそうです。また、長野県はいろんな要素が集まっているため植物相が豊かとのことです。それは多雪地に見られる「日本海側要素」、火山地帯に分布する「フォッサマグナ要素」、中国、紀伊、伊那谷など中央構造線沿いに分布する固有種で「ソハヤキ要素」を持つ植物などが集まっているからです。(「ソハヤキ」の[ソ]は九州の熊襲(クマソ)の襲(ソ)、[ハヤ]は四国、九州間の速水(ハヤミズ)の速(ハヤ)、[キ]は紀伊(キイ)の国の紀(キ)のことです。)
今私たちが目にしている春植物も、はるか昔から自然の歴史の中で形づくられてきたことを思うと感慨深いものがあります。
絆の森の春植物については、ここ3年間の調査で確実に分布域を広げています。今の状態を維持しながら、開花株の花数と結実状態を調査し続けて行くことが大切であるということでした。
昼食後、樹木札確認作業のついでに、調査地を見てみると、すでに花芽をつけている個体もあって、昨年に比べると、植物の芽吹きは一週間くらい早いような気がしました。
今年度初めての長峰山行きでしたが、大口沢方面からは通行止めになっていて進入できず、明科側から登りました。帰路は、白牧から光への林道が年末に整備されたとのことで、そこを通って短時間で下ることが出来ました。
午後の部:樹木札確認作業
◇日 時:2009年3月15日(日)13:00~15:30
◇天 候 :晴れ
◇参加者:6名
◇作業内容
絆の森一帯の樹木札の追加と更新をするために、現場を巡検して必要樹木名と必要数を確認した。札を設置する樹木に赤テープを付けて、樹木名をノートに記録した。
確認の結果、次のようになった。
樹木札
1.クリ 2.カスミザクラ 3.ウワミズザクラ 4.ダンコウバイ 5.ムラサキシキブ 6.コナラ 7.アカマツ 8.ウリハダカエデ 9.コナラ 10.ガマズミ 11.コマユミ 12.エノキ 13.ウツギ 14.ホオノキ 15.バッコヤナギ
標識(看板)、杭の取り換え9箇所
次の活動日に、これらの樹木札と杭の作製をする予定である。
樹木札作成
◇日 時:2009年3月19日(木)9:30~15:30
◇天 候 :晴れ
◇参加者:8名
◇作業内容
本日の目的である【杭の防腐処理】と【樹木札の作成】を効率よく達成するために班分けをして、行った。2班の作業では、墨入れに時間がかかり、塗料の濃度調整が難しかったが、工数が多かった割に何とか時間内にやり遂げることができた。
以下、各班の作業内容。
1班の作業【杭の防腐処理】
昨年秋に蝶の森の周囲の林から間伐したコナラ類の材(径5~12cm、長さ2~2.5m)10数本を蝶の森から担いで下ろし、軽トラで堤平まで搬送した。そこで適当な長さに切って、チェーンソー加工で先端を尖らせ、先端部を焼いた。
焼くための火は、長さ150㎝幅80㎝深さ50㎝程度の穴を掘って、乾燥した薪を燃やし、その上に加工した杭を載せて周囲が完全に黒くなるまで焼いた。焼きあげた杭は、地面に置いて冷やし、火を完全に消す。出来上がった杭は26本。炭焼き小屋の下屋に立てかけて置いた。O棟梁の指揮で作業は順調に進み、午前中に終ったので、午後は2班と合流した。
2班の作業【樹木札の作成】
材は、O棟梁が加工して持参した板材を使用し、文字転写→文字の彫りこみ→サンダー掛け→墨入れ→乾燥→サンダー→ニス塗り→乾燥 (ニス→乾燥は3回繰り返し)
以上の作業は、これまでやってきたことであり、皆要領は分かっているが、細部のノウハウが徹底されていない感じがする。今後維持管理を続けていくためには、ノウハウを確立しておくことが大切である。
春植物調査
◇日 時:2009年4月19日(日)9:30~12:00
◇天 候 :晴れ
◇参加者:2名
◇内 容
快晴の暖かい日が続いたので、春植物が開花したのではないかと心配になり、急遽調査することにした。しかし標高900mはさすがに涼しく、じっとしていると肌寒い陽気であった。目的の植物はまだ蕾も固く、1輪2輪ほどがあと2~3日で開花するかなという程度であった。
開花固体の調査は無理だったので、どこまで分布しているか地図におとすことだけを行った。
上部に分布域を広げており、現在通路としている場所の左右に広がっている様子も観られるので、結実調査後の早い時期に草刈りとスギの落ち葉の片付けをして、人の歩く場所をはっきりさせる必要があると考える。また、昨年から鹿の食痕があちこちに見られるようになったのには驚いた。
【確認できた鳥】8種
【確認できた蝶】5種
3月蝶の森活動報告
取材攻めの一日
◇日 時:2009年3月17日 9:00~15:00
◇天 気:雨のち曇り
◇参加者:4名
◇内 容:午前は話し合いと取材、午後は取材と林内の除伐
午前中は雨天だったので、体験交流施設「ひまわり」にてこの1年の振り返りと新年度の活動方針について話し合いました(詳しくは総会資料参照)。この会議中、信濃毎日新聞の記者が取材に訪れ、ガイドブック作成の経緯、感想、配布方法などの取材を受けました。後日ガイドブックを持った3名の写真と記事が載り、普段森林などに興味が無さそうな人からも欲しいと言われ、案外関心を持っている人がいることに気づかされました。
午後になって雨がやんだので、蝶の森へと移動して活動に入りました。今度は蝶の森活動を取材したいという同社の別の記者が訪れ、森林整備の様子や何故整備を行うようになったのかなどを聞かれ、森林整備の必要性、整備を行った結果どういう森林になり、何が変わったのか、又今後どうしていきたいかなど、今まで思っていたことを話しました。一日に2人の記者から代わる代わる取材された一日でした。
今日の活動は、昨年整備した蝶の森へと登っていく階段遊歩道沿いを、西側のチョウの道に接する所まで約100㎡を整備しました。手ノコでコナラ、サクラなどの混み合っている木を除伐、ヌルデ、ウルシは全伐しました。伐った木は枝払いし、2、3分割して、遊歩道からなるべく見えない所に積み上げ、景観に注意を払いました。4人で約2時間位でしたが、少しの作業でも結構明るくなるものです。終わった後成果を眺めながら心地よい汗を拭いました。

他団体とのネットワーク活動報告
2009「森林に学ぶ」ネットワーク開かれる
3月7日(土)~3月8日(日)にかけて、2009『森林に学ぶ』ネットワークが朝日村中央公民館講堂をメイン会場に開催されました。信州大学農学部森林科学科の学生、教授たちと森林関係者が共に学びながら交流しあうこの催しは、今回が10回目。一日目は信大生の研究発表と参加者による大交流会、二日目は里山現地研修会という内容でした。
当倶楽部の呼びかけで始まったこの活動は、当初30人ほどの参加者でレストランを借りて行ってきました。第4回目から行政関係者の協力も得られ、会場も公共施設を利用するようになり、年々参加者、実行団体、後援団体ともに増えています。
今年は84名が参加。実行団体も倶楽部の他に、寿さと山くらぶ、市民の森ながの、一期(いちご)会、松本林業士会、信州大学森林科学科有志というように6団体となりました。特に今回は、新たに森林整備活動グループ「一期会」が実行団体に加わり、2日目の現地研修を担当。トビを駆使して、人力による伐採木搬出の仕方を披露。その技術のレベルの高さに参加者一同の関心が高まりました。交流会で恒例となった寿さと山くらぶシェフによるジビエ料理は、これを目当てに参加している人もあるとか?問題になっているシカの被害などを話題に、各団体、参加者の活動を自己紹介しながらの交流は多いに盛り上がります。実は、この場がもっともネットワークの広がりに貢献しているのではと思えるような時間です。学生たちも社会人から励まされたり、突っ込まれたり、多いに食べ、飲み、語り合っているようです。
なお、多様な年代と職業も様々な参加者が、森林をキーワードに学び合うこの催しは、平成20年度の「長野県ふるさとの森林づくり表彰」を受けました。今回、倶楽部は実行団体として、理事長が実行委員長、展示、会計、交流会進行を担当し、ネットワーク活動を盛り上げることができました。また、朝日村、ダイドードリンコ(株)、県松本地方事務所に後援をいただきました。
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二日間の様子簡単レポート
一日目 【信大生各研究発表】
テーマ
●「里山集約化事業における集約化過程の現状に関する一考察」
●「GISを用いたニホンジカ造林地被害の管理方法に関する研究」
●「中央アルプスの異なる標高に生育するカラマツの形成層活動期間」
●「間伐がカラマツ根系の崩壊防止機能に及ぼす影響」
●「シカの食害が侵食土砂量と植生に及ぼす影響」
●「市場のニーズに応じた原木出荷方法に関する一考察」
●「画像解析を利用した植生の把握」
現在の森林科学の講義内容が垣間見られたことは意義深いものでした。現場からの意見として「机上の空論」との指摘もありました。「学問」が現状とかけ離れた面があるのは否めなかったのですが、理論、理想、好奇心が学問の根源にあるはずですから現場の考えと相反するのはある意味当然で、その学問が今後相乗効果を持って現場と高めあって行けるようになれば理想的だと思います。GIS(地理情報システム)に関する発表が2例ありました。国土地理院のサイトで過去の航空写真(http://archive.gsi.go.jp/airphoto/)が公開されるようになり、個人的に興味のあった分野でもあるので、特に関心を持って聞きました。リモートセンシング技術の近年の発達が目覚ましいことを勘案しても、その内容に期待が持てました。ただ、今後の利用に関してはコスト面での課題も立ちはだかるようです。学際的な立場にある方々による利用可能なデータの「安価」での提供を期待するところです。
発表後のグループ討議は、発表者ごとのテーブル7つに参加者が分かれて行われ、各研究について活発な討議がなされました。より良い研究とするためのアドバイス的なものも多かったようです。
二日目 【里山現地研修会】
「一期会」が芦の池周辺、古見団地で整備されている森林と作業を見学しました。一期会は、県林業総合センター主催の林業体験講座卒業生が主体となって出来た会とのこと。手がけている森林の面積は8.23ha。まず一期会が広範囲に作業を行っていることに驚きました。そして、平成20年度は朝日村での森林整備に延べ3298時間が費やされたとのこと。その行動力に並々ならぬものを感じ、人材の充実を羨ましく思いました。市民団体が行う森林整備とは一線を画している気もしますが、満足いく整備をしようと思えば、この位の規模で行うのが普通なのかも?拝見したプロフェッショナルな集材作業も多大に参考になるものでした。
2日間通して
一番思ったのは、学生さんが学校で勉強されたことを実社会で活かしてくれるだろうかということ。結局食べていけなくて他の職種となってはいけないわけで。バイオマス利用は関連書籍も多いし、最近のトレンドなのかと思いましたが、今回の発表テーマにはありませんでした。現在の経済の中での国内木材市場のあり方など研究する人はいないのだろうか? 学生さんのこれからも含めて森の今後が不透明だということも感じてしまいました。
地域のたくましさに触れ、交流を深める
平成20年度 つながりひろがる地域づくり事業
成果発表交流会 参加報告
◇日 時:平成21年2月8日(日) 10:00~13:00
◇場 所:安曇野市豊科ふれあいホール
◇参加者:2名
☆つながりひろがる地域づくり事業とは
安曇野市が地域の活性化のために、活動の一部に対して経済的支援をするもので、事前に申請して認可されれば、その活動の終了時に補助金を支給する制度である。H19年度から実施している。
H20年度に森倶楽部21は、長峰山一帯の樹木札の作成と設置を申請して、そのために必要な木材加工用の工具10万円を購入して、5万円の補助を受けたものである。
今回参加した成果発表交流会は、事業に参加した団体の中から数団体が成果発表をして、交流を深めるという趣旨のものである。
今年度は、62団体の参加があり、そのうち11団体の発表が行われた。倶楽部は、報告書の提出だけで、発表は行わなかった。
☆感想
今回、森倶楽部21としては初めての参加でした。会場は、ほぼいっぱいで、スタッフを含めて260名の参加者とのこと。活気があり、発表も熱が入って面白いものであった。どれも簡潔にまとめて判りやすく、子育てから、地域交流、文化的活動など何でもありで、地域のたくましさを感じることができた。
発表会後の交流会では、お茶とお茶受けが出され、参加者が15ほどのテーブルに分かれて、交流と情報交換をした。森倶楽部21の活動に興味を持ってくれる人も結構いたので、パンフレットを配った。
このような交流は、時には必要だろう。

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