
◆ 広域都市ビジョン特別委員会(2) (H21.6.15記載)
波田町との合併に関わる特別委員会の2回目の委員会が開催されました。審査内容は今年の合併事務関係の補正予算と、6月22日に開催が予定されている任意合併協議会での資料が主なものです。事務的な項目でいよいよ協議がスタートしましたが、前回の旧4村との合併協議方針を踏襲していますので、議会からの異論も無く順調に進みそうです。.新合併特例法の期限が迫っていますので後は時間の問題だけだと思われます。
一部議論のあったのは、以前から継続審議になっていた波田町町民からの合併を求める請願です。9月議会へ提出されていましたが、市民アンケートが実施中だったこともあって9月、12月、2月とそれぞれ継続審査となって結論は先送りになっていました。
請願項目
1.波田町民の切なる願いをお汲み取りいただき、新合併特例法内での合併ができますよう、ご理解とご尽力を心からお願い申し上げます。
冒頭委員長から継続審議にしたい旨の提案があった為かも知れませんが、結果的には継続審議で集約され、「採択すべき時期ではないか」と波田町との合併に対して好意的な発言をしたのは委員会の中でも私だけでした。
発言の理由として
@ 市民意向調査アンケートの結果が合併賛成多数となった事を受け、6月から任意合併協議会もスタートして、合併の方向で協議が始まった。
A どうせ合併するなら国、県の支援策のある新合併特例法の期限内にできたほうが良いに決まっているし、請願にあるようにそのように尽力することも当然。(協議ですから結果として破綻となることはありえますが)
B 今回更に継続審査とすると、松本市議会は合併に慎重(反対)とのメッセージを波田町はもちろん周辺市町村に発信してしまい、中核市としての信頼が揺らぎ、将来に禍根を残すのではないか。
こうした理由から、この請願を採択すべき時期ではないかとの提言をしましたが、誰からも賛同の発言はありませんでしたし、二人の請願の紹介議員からも紹介議員を取り下げたいとの発言もあり、継続審議となりました。残念ですが仕方ありません。
このところの議会の審議を見ていても、昨年あたりに比べると議員の中にも、合併に慎重な意見が多くなってきたように見えます。波田病院の問題は市民アンケート以前からありましたが、農協の直売所問題あたりから風の向きが変化してきたようです。もちろん市長が慎重な姿勢を示しているのが最大の理由だとは思いますが、あまり理事者に配慮するあまり議員の発言を控えてしまうのもどうかと思います。
市長の意向を慎重に見極める事も必要だとは思いますが、選挙の洗礼を受けた政治家として、自分の意思を明確にしていくことも必要ではないかと思っています。特に合併問題は技術論として職員に任せるだけではなく、政治が合併に賛成か反対かのような基本的な部分は議論すべき問題だと認識していますのでなおさらです。

◆ 農村振興総合整備統合補助事業竣工式 (H21.5.30記載)
長い名前の事業ですが、岡田・本郷地区で行っていた首記の事業が完成して竣工報告会が開催されました。この事業は農業の近代化や農村の生活環境を整備するため「農業の生産基盤整備事業」と「農村生活環境基盤整備事業」の事業を一体的に取り組んできたものです。
平成12年の計画策定から完成まで9年の歳月と12億5千万円の経費をかけ、国からの補助金(国50%、県5〜10%、市45〜40、一部地元負担)を受けながら岡田・本郷地区で27の事業が行われました。
1.農業基盤整備
ほ場整備 1団地
農業用排水施設 6路線
農道 9路線
2.生活環境基盤整備
農業集落道 2路線
農村公園施設 1箇所
集落防災安全施設 5箇所
集落緑化施設 2箇所
国との調整が難航したり、地権者との調整が難しくなった場面もありましたが、何とかこぎつける事ができました。国もこの事業が始まった当時と比べても大分財政事情が悪化してきて、今後こうした包括的な農村への投資事業はでき難くなると思います。
長期にわたる事業で計画当初から関わってきたのは、私を含め2,3人だけになってしまいましたが、関係者が集まって、現地を視察後、会費制で祝賀会を開催して完成を喜びました。
農業は国の基盤とも考えていますが、岡田・本郷地区でも農業者の減少や荒廃農地は確実に広がってきています。
私としては松本市もそうですが、国の農業支援は農地を集約して中核農家の育成に偏り過ぎているような気がしています。そのことも重要な事ではありますが、我が国の農業はもっと小規模農家、例えば会社勤めを終えた定年後に専業農家となったような人達の力が必要で、それがなくては我が国の農業はありえないと考えています。そうした視点での支援策が不足していますので、そうした取り組みもしていきたいと思っています。

◆ 広域都市ビジョン特別委員会 (H21.5.25記載)
三つある調査研究特別委員会のうち、この「広域都市ビジョン特別委員会」には波田町との合併に関する項目の審査権が付与され、委員数も13人から19人に増員されて新たな体制でスタートしましたが、その第一回目の協議会が開催されました。協議の内容はスタートする波田町との任意合併協議会に付いてです。主は協議会に臨む松本市側のメンバーの報告で、協議内容は従来総務委員会に報告されていた松本市が内部で決めた合併条件と言うか協議に臨む基本的な方針です。
一部の委員から市民代表が公募で選ばれていないことに異論もありましたが、大きな問題はなく理事者の方針通り進めることで了承されました。なかなか時間がかかりましたが、ようやく合併問題も軌道に乗ったようです。今後この特別委員会とその都度相談しながら協議会が進められる事になります。
設置した時にも多少ごたごたしましたが、なんとかこの三つの特別委員会も1年が経過しました。理事者の提案を待つだけではなく、議員自らが市政のテーマを取り上げて、調査・研究や議論をしていこうとして設置された特別委員会ですが、過去に例の無かった事でもあり、運営にはそれぞれ苦労があったようです。1年経過した事を機に正副議長と各特別委員長での意見交流を行いました。私が座長と言うことでしたので、経過報告と共に四つの視点で意見を述べていただきました。
@テーマの絞込みについて
A理事者との関係について
B委員会の運営について
C成果(アウトプット)について
ごく大雑把に各正副委員長の意見を集約すれば、
テーマの絞込みは苦労しながらも委員の意見集約はでき、ほぼ問題は無いようでしたが、他の3項についてはほぼ今後の課題が見えてきました。理事者との関係では理事者・議員とも間合いのとり方が分からず、議員側から見ると理事者の協力が得難かったようですし、理事者からすれば常任委員会との関係を図りかねているのではないかと思われます。委員会の運営については議員がこうした、理事者提案の無い項目への取り組みに慣れていないこともあって、運営を正副委員長にまかせっきりになってしまったようです。成果(アウトプット)は夫々が工夫はしていましたが、到達点が決まっておらず、どこまで何をもって成果とするのか分かり難かったようです。
議員が受身だけでなく能動的に市政に関わる為の仕組みのひとつだと考えて始めた特別委員会です。今後これらの課題を克服しながら議会の役割を高めていきたいと思っています。

◆ 議会人事を振り返って (H21.5.14記載)
松本市議会では任期の中間年で正副議長が交代することが申し合わせになっており、今年は任期2年目となり正副議長の選挙が行われました。毎回のことですが、適齢期の議員が所属会派の推薦を受ける形で立候補して、さまざまな駆け引きの結果選出されることになります。オープンな選挙はそれによって候補者の考え方や議会運営の手法なども明らかになりますので選挙は当然のことですが、残念なことは議員だけの狭い範囲での選挙のため、多数派工作での駆け引きが先行して、人物評価が無いとまでは言いませんが二の次になりがちで、結果についても選挙後のしこりが多少残ってしまいます。
今回は議長に私の所属する会派「政友会」の赤羽正弘議員」が、副議長に「翠政会」の小林繁夫議員が選出されました。過去何回かは最大会派から議長が選出される状況が続いていましたので今回の選挙は多少様変わりがありました。結果的に政友会も含めて、小数会派の大同団結がありそれが実を結んだといえます。私としては会派間の役職取引から離れて、赤羽議員の人柄と政治姿勢が評価された結果で、松本市議会内の新しい流れが始まったのではないかと嬉しく思っています。
議長選挙ではそれぞれが所信表明を行いますが、赤羽議員からは@議員の発言を保証する公平な議会運営A議会基本条例の具現化B議長の議会広報マンとしての役割、この3点が表明されました。@は赤羽議員の政治信条からのもので議長としての役目は正にそこにあると思っていますし、Aは私が昨年まで副議長として推進してきた重要課題で、ぜひ具体的な成果に繋げていきたいと思っています。Bは少しお願いして盛り込んでいただきましたが、議会基本条例の考え方とも重なりますが、以前から議会と市民の距離をもっと近づけることが重要と考えていました。そうした意味で露出度の大きい議長には機会を捕らえて議会の広報マンとしての役割を大きく担ってほしいと考えていました。
具体的な例としては定例議会開催後にはメディアに向けての記者会見を定期的に開催して委員会や、議会内で議論された内容などを広く市民に広報してほしいと考えています。もちろん議長だけでなく委員会での議論は委員長からの報告が必要だとも考えます。議決された結果だけではなく、どのような議論があり、その結果としてどのように決まったのか、そのプロセスまでもを広報して行くことが市民を議会に近づける一助になると思います。
本会議も委員会も傍聴自由で公開されているから、と言うだけでは市民と議会の距離は近づきませんし、市民が政治に関心を持つ助けにもなりません。これだけではありませんが、もっと積極的なアクションを仕掛けていくべきだと考えています。私が目標としている受身だけでなく、市民を巻き込んで議論が沸騰するようなアグレッシブな議会に一歩でも近づければと思っています。
議長選挙後行われた常任委員会、特別委員会の構成や正副委員長の選出も議長選挙のしこりが多少残っていて難航したところもありましたが、結果的にはバランスよく決まったのではないかと思っています。特別委員会が三つと多かったことや議会改革推進の組織が四つもできたこともあり、最終決定は夜9時までかかってしまいました。
議長選挙の前夜になって私の会派政友会から二人の議員が離脱し、小数会派、無所属議員と合流すると言うハプニングもありましたが、何とか収まるところに収まったと思っています。これらは正式に5月18日に開催される臨時議会で採決され決定します。

◆ 北信越市議会議長会総会 (H21.5.2記載)
北信越5県、新潟県、長野県、石川県、富山県、福井県の構成市、68市の議長会総会が福井市で開催されました。構成市の負担金で運営され、主に意見交換や各県から提出された重点課題について中央への要望活動などを行っています。
20年度の会務報告、決算報告、21年度の予算などと共に各県から提出された18の議案が採択、承認されました。長野県から提出された議案は、
長野市から提出の“「食の安全」の確保および、消費者・生活者の視点に立った行政の確立について”
松本市が提案した“中部縦貫自動車道建設および、国道158号整備並びに国道19号の整備について”
の2件です。これらの案件は今後会長市が中心になって中央への働きかけを行っていく事になります。
総会の席上議員の永年勤続表彰が行われました。それによると県別の表彰人数は
| 該当年数 |
新潟県 |
長野県 |
石川県 |
富山県 |
福井県 |
| 10年以上 |
62 |
51 |
29 |
38 |
25 |
| 15年以上 |
8 |
2 |
12 |
3 |
1 |
| 20年以上 |
1 |
0 |
2 |
1 |
0 |
| 25年以上 |
1 |
1 |
0 |
1 |
0 |
| 30年以上 |
3 |
1 |
3 |
2 |
1 |
10年以上はかなりの数ですが15年、20年以上になると急に数が減ります。5年刻みの表彰で、正確な数は分かりませんが15年は4期目の途中ですから、平均的に見て3期から4期くらいが議員の勤続年数のようです。
また、全国議長会の会長はこうしたブロック単位で持ち回り推薦することになっているようで、来期の会長はこの北信越と東北、北海道を含めたブロックから推薦する順番だそうです。北信越議長会としては前の北信越議長会会長だった、富山市議長を会長候補として推薦することになりました。前回の全国議長会会長に松本市と姉妹都市の藤沢市の議長が就任していて、どんな仕組みで決まるのかなあ、と思った事もありましたが、ひとつ仕組みが分かりました。

◆ システム最適化計画 (H21.4.23記載)
先日の総務委員協議会へ「松本市業務システム最適化計画」の概要について報告がありました。それによりますと、従来のメインフレームを使用してのレガシーシステムは平成26年で廃止してオープンシステムに切り替えるとの事です。業務処理のアプリケーションは極力市販のパッケージを使用していこうとの考えですし、システムの開発から維持管理までを積極的にアウトソーシングすることで経営資源の有効活用を図りたいとの事です。
システムのオープン化は私も長年主張してきた事ですので報告のあった方向は了承できます。従来のメインフレームによる統合的なシステムでは、一旦メインシステムを納入すれば何十年でも他社の参入を心配せずに随意契約での仕事が確保できます。システムは一旦導入しても維持管理や改良コストがその何倍もかかるといわれていますので後日の企業間競争が担保されないことには問題がありました。そうした意味ではオープンシステムは優れていますが、これはこれで難しい問題も抱えています。
従来のようにシステムが一社に固定されませんのでトラブルの出た場合どこに責任があるのか不明確になってしまいますし、まだまだ発展途上の技術でもありますので将来改良のためにかえってコストが膨らんでしまう可能性も否定できません。また、市が考えている契約方式は所有権は移さず、契約相手の機材やシステムを使用するようなので、業者が変わっても、著作権の問題や将来にわたってアプリケーションやデータの互換性が本当に担保できるるのかなど、ちょっと考えても難しそうですが、しり込みばかりしていては前に進みません。NTTをアドバイザーの選択したようなので慎重にしかも大胆に進めて欲しいと思っています。
ひとつ注文をつけておいたのはCIO(最高統括責任者)には従来副市長があたっていますが、これには少し無理があります。もっと専門的知識を持った人を当てるべきでしょう。いずれにしても最終的な責任は市長が持つわけですから、途中に人を入れて責任範囲が分からなくなってしまうより、CIOと行政的な責任者とは責任分担範囲を分けるべきだとは思っています。

◆ どんぐり山の手入れ (H21.4.6記載)
近くの山林ですが、通称「どんぐり山」と呼ばれている里山があります。
保育園の子供達の楽しみにと、山好きの仲間達が集まって、ここ10年ほどきのこを作って、子供達に自由に開放しています。今年も冬の間に切り出してあった原木にしいたけ菌のコマ打ちを仲間と一緒に行いました。
1年に数十本から100本程度ですが、毎年行っていますのでどんぐり山は一面のしいたけ園になってきました。この地域の自然の豊かさを子供達に実感してもらおうと始めた事業ですが、子供達に喜んでもらえると思うと、こちらも楽しく仕事ができます。半日ほどの作業を終えて仲間と一緒に囲む焼肉にも話が弾み、なんとかこれからも長く続けていけたらと思っています。
この地域は保育園や小学校などと地域の関わりが大変強い地域だと感じています。こうした事だけでなく、学校での野菜作りやお年寄りとの交流事業などには積極的に協力したい方が大勢います。何かと難しい時代になった子育てですが、先生と保護者だけでなく、地域が一緒になって子供達を見守っていこうとする地域の文化は何時までも守っていきたいものです。以前はどこにでもあった我が国の文化でしょうが、こうした思いが少数派になってくるのは寂しい思いがしています。
ただ、このどんぐり山のきのこも随分と盗難にあっているようです。今年の春も普通であれば持ち切れないほどの収穫だったでしょうが、園児が行った時にはあまり無かったようです。子供達の楽しみを潰して省みない行為は信じられませんが、大勢の中にはそうした人もいるのでしょう。マツタケ山のように周辺にテープを張ろうかとの話も出ましたが、子供達が入るのに、人を疑ってかかるような事は良くないとの意見で、人の善意や道徳心に期待して、そのまま様子を見ることになりました。

◆ 中南信消防広域化協議会 (H21.3.27記載)
消防の広域化を検討するための「中南信消防広域化協議会」の第2回会議が開催され、その内容について報告書が送られてきました。これは県が提案している、長野県を二つの消防本部に統合して広域化しようとの案を受けて検討を進めるために設置した協議会です。
会議では
1.中南信の消防が持つ現状と課題を抽出し、共通の認識をもつため、小委員会がまとめた報告書が資料として提出されています
広域化されると49の市町村が対象で、現状は七つの消防本部があります。どこも施設の充実は迫られているが財政的に難しいことは同じ問題を抱えていますが、小さなところは特にそうでしょうが、その程度や、現状での整備状況はまちまちです。何を一緒にやって、何を別々にやるのか、負担割合の問題も絡んできますので調整は難航しそうです。
2.今後、重点分野についての検討を進め方向性を提案する→将来ビジョンの作成→将来ビジョンの理解が得られたら広域消防運営計画へ進めるとのスケジュールが了承されています
将来ビジョンの策定にあたっては
(1)県内2ブロック体制ありきでは進めない
(2)結論を急ぐための拙速な議論とはしない
(3)住民サービスの向上を図ることを基本とし、財政運営の効率化、地域消防力の強化を目指す方向で検討する
(4)東北信地域の動向も参考にし、国の財政支援の活用も検討する
この四つの基本方針が確認されています。
今後の研究によってどのような規模になるのか、どのような組織になるのか見当がつきませんが、一部事務組合的な組織として消防本部を合体してしまうのか、それぞれの消防本部を残しながら、協定によって共通の事務や事業を持ち寄って一部を一緒にやるような方法も考えられます。
どちらにしても、あまりにも大きな組織となってしまうので、構成市町村の意向が十分反映できる仕組みを考える必要があります。

◆ 東部学校給食センター用地の産廃 (H21.3.25記載)
現在建設が進められている東部学校給食センター用地から、産廃による土壌汚染が発見され、その処理のため工期の延長と多額の処理費用負担を余儀なくされた問題で、その経過などについて報告がありました。
それによると、基礎工事中に産廃の埋設によると思われる土壌汚染が発見され、とりあえず松本市が汚染土壌の処理を行い工事を再開し、工期を4,5ヶ月延ばして今年の8月から給食の供用を開始しようとのことです。
給食の供用が遅れるのも残念ですが、この汚染土壌の処理費用と工期遅れによる建設業者への保証費用の負担をどうするのかが大きな問題となっています。追加となる費用は総額で約1億3千万円で、そのうち工期延長に伴う費用は3千4百万円、残り1億円ほどが汚染土壌の処理費用です。
松本市では元の土地所有者とこの土地を使用していた業者に請求をするとのことですが、土地の購入費の倍以上にもなってしまった処理費用が簡単に帰ってくるとも思えません。
もともとこの土地はいわく付きの土地で、購入当初から以前産廃が埋設されて、県の指導で除去作業が行われていた事は承知していたようです。市ではボウリングをして確認したが問題ないと判断して購入したそうですが、当時の産廃除去処理当時の写真を見ると、かなりの広範囲を1mくらい掘り下げて汚染物の除去をして、その後に新たな土砂を搬入した事になっています。そう広い土地でもありませんのでどうして購入当時汚染が発覚しなかったのか、市の説明だけでは良く理解できません。
以前の産廃除去作業
給食センターの工事をとめておくわけにも行きませんので、当面補正予算は認められ、1億3千万円の支出は承認されましたが、これだけの公費の追加が余儀なくされていますので、十分に責任のありかを検証する必要があるとは思っています。。

◆ 二つの議員提出議案が採決 (H21.3.23記載)
定例会最終日の本会議に、注目されていた二つの議員提出議案が採決されました。「松本市議会基本条例」と「議員定数条例の改正」です。
理事者から提出された議案は、すべて原案通り可決、承認されましたが、この二つの議員提出された議案はどのような展開になるのか注目されていました。
松本市議会基本条例
新しい時代に向けた議会改革をすすめようと、現議長の肝いりでステップアップ検討委員会が平成19年9月に発足し、その集大成としてまとめられた議会基本条例です。松本市議会が従来から積み上げてきた申し合わせや、先進市の条例などを参考にし、先進地視察も行いながらまとめてきました。
1年以上掛けてさまざまな議論が行われてきましたが、最後になって前文の語句をめぐって議論が交錯し、あわや一部反対意見を抱えたままで多数決採択となろうとしていました。
当初案では冒頭に「地域主権のもと、地方自治の進展を図るためには・・・・・」とあり、この「地域主権」が議論となりました、特に「主権」の部分で、国民主権や国家主権ではあっても地域=地方自治体に主権はありえない、との議論です。採用を求める側は中央集権に対比した地方が主体的に政治を行おうとする意味で、地方分権をさらに進めた概念との主張です。
最終的に、提案の前日になって「地域主権のもと、」を外すことで決着が図られ、全会一致での採択となりました。主張はそれぞれ理解できますが、全体に影響を及ぼす内容でもありませんので全会一致での採択が優先されました。
議員定数条例の改正
この問題もステップアップ検討委員会の中で議論を進めてきましたが、どうしても意見がまとまらず、有志の議員だけで議案として提出がなされました。現在松本市議会の条例上の定数は34人ですが、平成17年に近隣4村と合併し、合併村から5人が入って39人となっています。次の選挙は平成23年4月ですが、このときの定数をどうするかとの議論でした。
話が複雑になったのは波田町との合併問題です。この1月になって市長が行った市民アンケートで合併賛成が多数を占めましたので急遽、任意合併協議会が5月から設置の方向で動き始めたことです。定数の改正(減員)条例を提出した議員の主張は「全国的にも減員は方向で、このタイミングに提出することが市民の意向とも合っている」との主張です。その議案に反対する議員側は=私の会派政友会の主張ですが
「@今、波田町との合併協議が始まろうとするこの時期に波田町にも大きな影響を与える内容を駆け込み的に松本市だけで決めてしまうのは信義を損なう。早くても23年4月の選挙のことでまだ時間に余裕があるA減員に反対するものではないが、全国的に見ても飛びぬけて市域の広い松本市の議員定数を現状の39人から32人まで一気に減らしてよいのかもっと議論が必要」との内容です。
他にも減員は市民の声が届き難くなる、合併村からもっと増やして(38人に近づけて)ほしいとの要望があり慎重に受け止めるべきなどとの意見もありました。
結局記名投票での採決が行われ賛成17、反対20で否決されることになりました。賛否は会派ごとに明確に区分けされ、無所属3人の票が賛成1、反対2となったことからこうした結果になりました。
この二つの議案を見て議会のあり方についても考えさせられました。基本条例は最後の最後まで全会一致にこだわって妥協が図られました。少数意見も押しつぶさず、8分の結果となってもできるだけ多くの賛同を模索するのも議会の使命です。一方、議員定数条例はどうしても話し合いでの妥協が図れない場合は、それぞれが意見を述べながら多数決によって決着を見る。これも議会のあり方です。時間的制約もありますので、どこまで、何時まで、議論を重ねるかタイミングの判断は難しいと思いますが、できうる限りの議論は大切にしたいとは思っています。

一緒に考えよう
松本市のこと

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