◆ 長野県市議会議長会総会 (H21.1.25掲載)
長野県下17市の正副議長で構成している、市議会議長会総会が須坂市で開催されました。今回の議題は次年度の予算・決算と各市から提案された議案が3件あり審議が行われました。決算はまだ年度末になってはいませんので見込みでですが。この会は構成市の負担金と長野県市町村振興協会からの交付金で、年間300万円ほどで運営されています。ちなみに松本市の負担は23万都市として12万8千円を負担しています。
市から提案された議案は
1.「食の安全」の確保及び消費者・生活者の視点に立った行政の確立について。
(長野市議会提案)
2.中部縦貫自動車道建設及び国道158号整備並びに国道19号整備について
(松本市議会提出)
3.技能五輪全国大会及びアビリンピック開催に向けた体制づくりについて
(松本市・諏訪市・長野市議会提出)
各市から提案された議案はそれぞれ原案どうり承認され、その扱いについては従来と同様に会長市に一任されることになり、県や国への要望活動が実施されることになります。
総会終了後意見交換会があり、それぞれに関心項目についての情報交換などが行われました。
松本市の話題で他市から注目されていたのは波田町との合併問題でした。多くの市から質問を受けましたが、この時には市民アンケートが終わって、合併賛成派が多かったことが分かっていましたので、「何とか合併の方向で動くのではないかと思っている」とは答えられました。
反応は「そうでしょうね、もし今回の合併を断るようなことがあれば、松本市は周辺市町村の信頼をほとんど失ってしまうのではないか」というような捉えかたがほとんどだったようです。実の所は今回の合併問題はどう進展するのか分かりませんが、周辺市町村の関心は高く、注目されている事はよく分かりました。
他にはリニアのルート問題やJR中央線の改良問題などでの共同歩調の話題が多かったようです。道州制の話になると「長野県はどうなるのでしょうね」「たぶん一緒ではいられない気がする」様な感じで、どこも戸惑いが大きいようです。中京圏、関東圏、北陸圏と、どこについても難しそうです。まあ、民主党案のように県や州のような中間行政は無くなってしまうかも知れませんので、あまり今から深刻に考えても仕方がありませんが。
今回の会議で改めて感じましたが、長野県には19市がありますが、長野市の38万人、松本市の23万人を含めても10万人を越える都市は上田市と飯田市だけで、4市しかありません。行政単位はどの程度の単位が良いかとの議論は別にしても、38万の長野市と2万4千の飯山市が全ての事について同じような行政の仕組みと仕事を持つことには無理があるような気がしました。地域の特徴といえば特徴ですが、もっと小さな村ではなおさらです。自治体の規模によっては仕事の内容や仕組み自体を変えないと無理がありそうです。
![]()
◆ 波田町との合併 市民アンケート結果 (H21.1.22記載)
波田町から申し込まれていた合併について、市長が市民の意向を確認してから方向を決断したいとの立場から行っていた、市民アンケートの結果がまとまりましたので市議会総務委員会へ報告がありました。
半分くらいの回答があれば市民意向は99%の確率で把握することができるとの説明があった、6,000人の調査で、回答率は58.7%と松本市が過去に実施した市民アンケート(四賀トンネル問題など)と比べても関心はかなり高い結果になりました。
集計結果は
合併に賛成:32.4%
合併に反対:28.5%
どちらでも良い:26.5%
分からない:12.1%
無回答:0.5%
とのことで、賛成が反対に対して3.9%多くなりました。
これを受けて松本市は波田町と合併協議の場を設けることになりました。まだ合併するか、しないのかはこれからの協議によりますが、市長からは「協議の場を設けるのは合併することが前提でなければならない」と説明が以前からなされて来ましたので、今回の協議の場設置を決断したことは、特に大きなトラブルがない限りは合併する方向に踏み出したと考えても良いのではないかと思われます。
アンケートの中で合併に反対意見の多くは、波田病院の運営問題や、合併したために松本市の財政が落ち込んでしまうのではないかとの心配でした。
確かに、多少なりとも黒字を計上している波田病院はともかく、財政力の弱い町を抱えると松本市の財政が悪い方向に行くのは当然のことで、平成17年の4村合併の時にも明らかにそうした現象は現れていました。
しかし、私としては合併問題はそうした松本市にとっての損得の問題だけで決断するものではないと思っています。(私の合併に対する考え方は平成16年6月定例議会の一般質問で詳しく述べていますので参照にして下さい)一時的に財政が落ち込むことがあっても、地方自治の推進や地域としてこの困難な時代を一緒に乗り越えようとするもので20年、30年先を見ながら政治が議論の中から決断すべきもので、受け入れる松本市としてはあまり市民アンケートにはなじまないのではないかと考えていました。しかし市民アンケートは菅谷市長の政治姿勢でも有り、市長の政治姿勢まで否定するのは行き過ぎとの判断からアンケートを見守ってきました。
結果的には僅差では有りましたが、市民の多数意見も私の考え方に近かったことに一安心はしています。しかし反対が28%あったことは市民の価値観の多様性を改めて考えさせられました。
ただ、総務委員会でも指摘がありましたが、合併に国からの支援が受けられる合併特例法の期限が来年の3月までで、それに間に合わせるには今年の12月の県議会に間に合うように合併申請をする必要があり、松本市としては9月議会での議決が望ましく(やむをえなければ臨時議会での議決も考えられますが)日程がだいぶ詰まっています。市長は期限ありきではないとの考えのようですが、どうせ合併するのであれば国からの支援はないより有ったほうが良いには決まっています。波田町から申し込みを受けてからあまり動きのなかった2年間が惜しまれますが、今となってはやむを得ません。拙速は災いを将来に残す心配もありますので議会としてもどんな方法が良いのか早急に議論を深めなければと考えています。
![]()
◆ 松本市議会基本条例の素案策定 (H21.1.13記載)
松本市議会に設置されたステップアップ検討委員会が昨年はじめ頃から検討を進めてきた「議会基本条例」の素案が一応了承されました。まだ細部には多少異論もあり、今後市民の意見を聞いたり理事者側との調整の中で手直しが行われますが、大枠では内容が固まったといえます。
この基本条例は全体として、議会や議員活動の考え方を定めたもので、どちらかというと理念条例の範疇に入るものと思っています。したがってこの条例だけでは具体的な活動がすぐ始まるというわけには行きませんが、考え方や方向付けをしたという意味では重要なものだと考えています。この条例を成果に結び付けるには、今後条例の理念に沿って要綱などで具体化しながら実績を積み上げていく事が重要になってきます。
条例検討の中で議論となった主な項目
【反問権】(議員からの理事者への質問に対して、理事者から議員へ反問する権利)を認めるかどうか。
→これについては、まだ少し異論も残っていますが、反問=反論、を認めることは議員の理事者側との比較から見た調査能力や議員に与えられている権限から見て問題があり認められないが、議員質問の趣旨を確認するための反問(反問と言えるかどうか分かりませんが)であれば、議会の活性化の意味から議論がすれ違いにならないためにも認めようとの方向が大勢意見となりました。
【議会報告会】(議員個々報告会ではなく議会としての報告会を実施するかどうか)
→これについては、市民との会合では報告会といっても報告だけでなく、当然市民からの要望も予想される中で執行権や予算編成権のない議会が答弁(回答)するのは難しいのではないかとの意見もありましたが、方法論はこれから研究して行く事にして、議会として説明責任を果たす意味からも条例には盛り込む方向が確認されました。
今後市民の意見を聞いたり理事者との調整を経て2月定例会では議決をしたい旨の方向も一緒に確認されました。
![]()
一緒に考えよう
松本市のこと

(ご意見をお寄せ下さい) 前の頁へ