つかまの女房オーストラリア旅行記
【旅のはじまり】 「今年の社員旅行なんだけど、つかまの女房さんどうする?行くよね!?」 上司に言われて、ちょっとだけ考えた。 一週間に一日しか出社しない、なんちゃってパート社員。誘っていただけるだけでもありがたい話である。なんて返事しようかな、と思いつつ、聞いてみた。 「で、ドコ行くんですか?」 「社員の希望もあって、今年はオーストラリアに決まりそうなんだよね。」 「・・・海外ですか!!」 聞けば、会社創立20周年にあたる今年は、大奮発して海外旅行に決まったという。 「そうですね、それはいいですね・・・。」 海外旅行・・・したことない・・・日本から出たことないどころか、最近県外にすらめったに行かない。飛行機に乗るのも初めてだ。もちろんパスポートももっていない。 「い、行きます!!」 そう答えてしまった。 「じゃ、人数に入れとくからね。」 こうして、今回のオーストラリア旅行が始まった。 ・パスポート取得 ・「初めての海外旅行」でgoogleる。 ・オプショナルツアーの選択 ・アボリジニについて下調べ ・南半球用の星座早見盤を入手(サザンクロスを見るぞ!) ・買い物 などなど、実際に出発する前に、ものすごく楽しい日日があったが、長くなるので割愛。 ただ、別の職場で同僚に言われた一言が、印象的だった。「つかまの女房さん、外国の空気は日本とは全然ちがいます。楽しんできてくださいね!」 【オーストラリア一人旅】 2007.04.06 ボーイング727に興奮し、 アッという間に南半球に着き(ほんとは7時間もかかった)、 ホテルにチェックインして、 さあこれから正味3日間は、遊ぶぞ〜・・・ といっているうちに、1日目、2日目は集団行動(海へ行き、山へ行き、渓谷にも行ってスーパーで買い物もした)で、 アッという間に(またか)過ぎ、 いよいよ3日目は自分で選択した自由行動の日。 最初の2日間もいろいろ書いておきたいことがあるんだけど、とりあえず一番頑張った3日目のサイクリングでの体験を記しておこうと思う。 ここ、クイーンズランド州のケアンズは今、雨季から乾季へ切り替わる境目ということで、 滞在した3日間でも雨が降ったり止んだりということが多かった。 この日もそんな空模様で、 3日目はサイクリング、 と決めていた自分も出かける直前まで空とにらめっこ。 今までで一番天気悪いじゃん、 普段の行いが〜、 と思っているうちに、やっと日がさしてきたので、歩いてホテルを出る。 先ずはレンタルサイクルを借りねばならない。 前日に借りた人の話を聞いていたので、まっすぐレンタカー店に行き、早速自転車を借りる。 「私に合うサイズはありますか?もしかしたらジュニアサイズ?」 私はチビである。 身長150センチくらいしかない。 店番のジェニファーが出してきてくれた24インチのマウンテンルックの自転車にまたがってみる。 ちょっとキビシイ。 「サドルさがります?」 お手伝いのお兄ちゃんがスパナをたくさん持ってきて奮闘してくれるが、なんだか手つきがあやしい。 だけど、もともとレンタカー屋さんが自転車も扱っている、という感じなので、贅沢はいえない。 傍らに、もうすこしサドルの低い、使い古した感じのがあったので、こっちに決めて、 24時間で20オーストラリアドルの料金を払う。 ジェニファーに、ホテルの名を告げると、 「私の息子がここでマネージャーをやっているのよ。」と、喜んでくれた。 ヘルメットをかぶるのも初めてだ。 オーストラリアでは着用が義務化されているそうで、 昨日までにもヘルメットをかぶって颯爽と走る若者を何度も見ている。 最初、前後逆にかぶってしまい、「こっちのほうがいいわね」と笑いながら直されて、舌を出す。 さて、いよいよ出発だ。 レンタカー屋さんの二人に見送られて、ケアンズの町にこぎ出す。 2ブロックも走らないうちに、異変に気づく。 後ろタイヤがペチャンコだ。 パンクではないみたい。 しばらく使ってない風だったからなあ、どうしよう、しょうがないなあ、と、引き返す。 前途多難だ。 いままであまりうまくいきすぎだと思ったよ。 ジェニファーが「あら。」という感じでこっちを見るので、 タイヤを指し示すと、「エアー?」とすぐに気づいてくれる。 ポンプを持ってきてくれるのを制して、 「こっちので大丈夫。乗れると思う。」と、 最初に試した24インチのに交換してもらう。 最初からこれにすればよかったのだ。 遠くオーストラリアまで来て、大変お手数かけました。 さて、今度こそ出発。 気を取り直して、海岸通りへ向かう。 予定ではこれを海沿いに北上して、キャプテンクック・ハイウェイに出て、 できるだけ遠くまで行こうというのが、今回の目標だ。 風が強い、雨も心配だが雨具はなし、果たしてどこまでいけるだろうか。 海沿いの道を、ひたすら走る。追い風と一体になってとても気持ちがいい。街路樹がユーカリだなんて、ちょっと日本ではお目にかかれない。どんどん行ってしまうが、これは帰りの向かい風が心配だ。 1時間ぐらい走り、ちょうどケアンズ空港まで来たので、 ここまで来た証拠写真をとってから、引き返すことにした。 本当は一番近いビーチまで行けたらな、 なんて思っていたのだが、何かあって帰れなくなっても困る。オーストラリアで自転車に乗る、という当初の目的は果した。 さて、帰りはもう、ゆっくりにしよう。 ケアンズ空港を後にして10分も走らないうちに、 いやーな真っ黒い雲が正面から迫ってきた。 昨日までにも何度か体験したスコールだ。 気温は高いし、自分はいくらか濡れても平気だが、 背中のバッグには大事な一眼レフのカメラもある。 これは防水じゃないからどこかで雨宿りしなくちゃ。 と、思うまもなくスコールの中へ突入。 というか、スコールのほうでやってくるのだから逃げられない。 仕方なく一番近くにあったユーカリの大木の下へ逃げ込む。枝はまばらだが、雨は強い南風に乗ってナナメに降ってくるから、 木の反対側に自転車ごと身を寄せるとわりあい濡れない。 5分くらい我慢していると、もう小降りになった。 雨宿りしたユーカリの木で、セミの抜け殻を見つけた。 日本のとサイズも形もそっくり。 そういえばあちこちでセミの鳴き声を聞いた。 また青空が広がる。 なんともわかりやすい天気だ。 カメラも荷物も無事だった。 キャプテンクック・ハイウェイの名のとおり、 クックの像がある。 昨日はバスの中から見ただけだが、今日は自分の足でここにいる。 記念写真を撮り、足元を見ると、野生のオジギソウが咲いている。 試しに触ってみると、葉を閉じる。 ワーイ、 オーストラリアのオジギソウも触ると葉を閉じるんだ!! などとバカなことに感動しながら、ケアンズ市内に戻ってくる。 今オーストラリアは復活祭の連休中ということで、 割と商店は閉まっていることが多い。 道中で見つけたガーデニングショップも、閉店中だった。 4連休のホリデイの真っ最中というので、市内は静かだ。 通りは違うが、ホテルの位置を過ぎて少し行くと、 こじんまりとしたマーケットに出会った。 前日体験したスーパーマーケットと同様、庶民の暮らしの香りがするところがイイ。 いろんな色の肌の人が、お店を開き、あるいは買い手となり、 そうはいっても出店の数はいつもより少ないのだろう、 すごくささやかな感じだ。 マーケットに行けたらぜひ見たいと思っていた鉱物やさんのお店もあった。 「写真いいですか?」 と聞いたら、どうぞ、と気軽に撮らせてくれた。 オーストラリアには付き物の、 ボルダーオパールありますか、 と聞くと、無いという。 そうだろうな。 1コ50セントの1センチくらいの天然石ビーズを、5コ買った。 市内を散策中に、あと2回スコールに遭った。 今度は軒下に雨宿りすることができた。 約束の時間はまだだけど、もう自転車は返してもいいかな。 ジェニファーの店に行くと、笑顔で迎えてくれた。 カギとヘルメットを返し、あと、何かあるかな、と思っていると、「エブリシング イズ OK」と、またにっこりしてくれた。 女房「ソー メニー サンクス」 ジェニファー「ハブ ア ナイス ホリデイ!」 本当に、ナイス ホリデイだった。 まだ天気は良くならない。 昨日買い方を教わったスーパーで、昼食用にマフィンを買い、 ホテルに帰ってバルコニーで一人の昼食。 オーストラリアビールとお土産用に買ったビーフジャーキー(一足お先に味見です)、 そして昨日の残り物だが、すごくおいしいブドウで、カンパイ!! 【お礼にかえて】 最後まで私の旅行記にお付き合いくださり、ありがとうございました。 他の体験も、どれもこれもたいへん楽しく、 社員旅行という枠の中で、 自由行動を許してくださった、職場の皆さん、 本当にありがとうございました。 2007.4.15 |
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ケアンズ空港 | |||
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ケアンズ市内 | |||
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ホ テ ル | |||
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マーケット | |||
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車体にはKAWASAKIの文字が・・・ | |||
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ユーカリの街路樹 | |||
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ものすごいスコール | |||
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雨宿りの木 | |||
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キャプテン・クックの像 | |||
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オーストラリアのオジギソウ | |||
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マーケットその2 | |||
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バルコニーで昼食 |