電蓄ラジオ 


6 大型の電蓄ラジオの例

 下の2台とも錆だらけのジャンクシャーシを修復したものです。このクラスになると真空管も7、8本使いますが、感度音質、音量も十分です。

 [電蓄] は、電気蓄音機(器)の略で言ってみれば、ステレオの前身です。とても大きく、蓄音機とラジオが組合わされていました。
   私が子供のころ駅前の床屋さんに置いてありました。喫茶店・食堂にも置かれていたようです。
電蓄ラジオ2号機
電蓄ラジオ4号機




















7 メーカー製ラジオの修復

  右端のBM-550を除いて、部品をすべて取り外してから再組立をしています。

シャープ 7H−28改  リンカーン 5M-W1改マークU 日本硝子工業 6R-15改  松下 BM-550改




8 このようなラジオもあります。




ビクター 5R−15


戦争前の日本ビクター製の高二ラジオです。

高二ですので、高周波増幅が二段です。

3連バリコンを使い真空管は5本使っています。

黒い円筒状の筒はシールドケースと言います。
ちょっと解かりにくいですがシールドケースの後ろの四角い箱は平滑用のコンデンサです。
 (劣化していて使えませんので飾りとなっています)








TRIO JR-60 通信機型受信機


これはラジオです。


 現KENWOOD社 旧 トリオ (その前は春日無線) の ハム用の5バンド受信機です

 使用真空管は電圧安定管を含んで14球の高一中二受信機(ラジオ)です。

 トリオはコイル、IFT等のラジオ部品メーカーでもありました。
 左の写真は部品をすべて取り外し、シャーシの全塗装後再組立たものです。

 完成品もあったようですが、完成品を見たことがありません。当時は3万円を超える価格でしたので、
欲しくても買えませんでした。近年、ネットオークションでようやく入手して、レストア (修復) をしたものです。

 いささか信じられない話ですが、昭和30年代の販売当時は組立キット品で販売されましたので、アマチ
ュア無線家は自分で組み立てました。

 [本館] にはこの受信機のレストア(修復)の様子もアップしています。

 




9 ラジオの組立キット




学研の3球電池管ラジオ


3セットも買ってしまいました。










MAX RK−3
パネル
シャーシ
”並三ラジオ”です。

検波管6BD6
音声出力管6AR5
整流管5MK9の3本の真空管を使います。



標準的な並三ラジオです。
真空管はコンパクトなMT管です。




FUJI SEISAKUSHO FR−55


 今から半世紀も前の真空管全盛時代はラジオの組立キットが多数用意されていました。
ラジオは言うに及ばず、テレビ、測定器のキットもありました。

 ラジオのキットもシャーシ丸出しのものから、木製キャビネット付き、更には真空管を十数本使う通信機
型受信機のキットもありました。現在でも、通信販売、ネットオークションで種類は少ないまでも、いろいろ
あります。十年ほど前は真空管ラジオ部品の入手が不可能と言えるほど、購入は難しかったのです。




10 トランスレスラジオ
トランスレスラジオの本体 


 ネットオークションを検索しますと毎日、何百個と真空管ラジオが出品されています。

 この中で [トランスレスラジオ] は真空管ラジオに慣れてから触れたほうが良いです。トランスレスラジオ
は、プラスチックキャネットできれいですが、知識・経験が必要です。

 [トランスレス] とは文字どおり電源トランスを使わないラジオで小型・軽量、安価にできますが、使ってい
る真空管も専用です。

 左の写真はそれぞれ [トランスレスラジオ] の本体部です。きれいなプラスチックケースに組み込まれて
います。


1Lの牛乳パックにすっぽり入るトランスレスラジオ。

真空管ラジオの最後期のラジオです。
 回路・部品も良く検証されており家庭用としては十分なスペックがあります。

このタイプのラジオを最後に真空管ラジオはトランジスタに替わります。