旧日本軍用真空管の5球高一ラジオ




 高1ラジオですが真空管は5本使います。更に心臓部の真空管は旧日本軍用の真空管です。

 詳細は本館の旧日本軍用真空管ラジオのページへ


旧日本軍用の真空管

2006-11-27
 旧日本軍用真空管 RH−4とPH−1を使った自作高一ラジオを入手しました
 今から60年以上前日本は第二次世界大戦 (太平洋戦争) をしていました。この時代の軍用真空管を奇跡的に入手しました。
 当時、日本軍用無線機は旧式のST管でしたが、レーダー用など極一部にGT管を開発していました。
 この開発されたGT管が、ソラ、H管シリーズです。RH−4、PH−1はこのH管シリーズです。

 RH−4は真空管の性能をあらわすgmが4000マイクロジーメンスもあります。ST管には相当管はありません。
  弟分はRH−2です。gmは2000です。ST管は代表格のUZ6D6が相当管です。
  兄貴分はRH−8です。名前から解るようにGMは8000です。これは戦後のテレビ用真空管に相当します。

 PH−1はST管のUZ42の相当管です。

購入時のものです。マニアが苦労して組み立てた力作です。まず目立つのは
@ 真空管にペイントで番号が付けられシャーシにも番号がついています。
   これはマニアが依頼されて作ったものです。後日ユーザーが間違えないようにです。
A シャーシはアルミ製で自作ラジオ用に作られたものです。このことから昭和30年代の組立てです。
B シャーシ内の部品は終戦後のものなど混在しています。マニアが手持ち品を使ったことでしょう。
   この頃の”マニア”は趣味が嵩じてマニアになった人と”街の電気屋さん”もいました。


【写真 下左】 真空管は左から、RH−2、RH−2、RH−2、PH−1、奥側は12Fです。
          針金でしばってある3番目を含み5本とも全て使えました。金属ケースにみえるのはシールド管です。
【写真 下中】 真空管は当時としては類の無い高性能管ですのでトラブル防止が講じられています。
【写真 下右】 珍しい2バンドの高1コイル。AMの検波コイルの一次は高周波チョークを使っている。

シャーシ上  シャーシ内 2バンド高1コイル






【写真 下左】 縛ってあった針金を緩めてシールド管を抜いてみます。
【写真 下中】 左から2本目の丸いマークが旧日本海軍仕様のプロペラロゴです。
          シールド管頂部に”RH 4”の浮出し。中央部の小穴はヒーター点灯状況の確認用です。
【写真 下右】 右下のエーコン管は日本軍でも使いましたが、隣のMT管は開発できませんでした。

昭和19年11月製造 旧日本海軍ようのプロペラロゴ 右下がエーコン管









【参考写真】 分解 部品を全て取外します。ほとんどの部品は流用しますので丁寧に分解します。

 1 3mmのビス・ナットは旧JIS規格ネジです。現在市販されているISO規格ネジと違います。バリコン、コイルの取付に注意です。
 2 先ず配線から外します。シャーシをひっくりかえしますが部品を壊さないように。
    @ シールド管、真空管を丁寧に抜きます。念のため真空管名を確認します。
    A バリコンの羽を完全に中に入れます。トランスに段ボールの切れ端で鉢巻をします。錆やペイントもサンドペーパーでとります。
      【写真 下左】 この鉢巻は配線する時、試験する時にも使えます。場合によればトイレットペーパーの芯も使います。
    B 【写真 下中】 このように段ボールの下敷きをしシャーシをひっくりかえします。

【分解前に試聴する場合】 新品ではありません。たとえ [完動品] であっても慎重なチェックが必要です。

ジャンクシャーシの分解

【写真 下左】
【写真 下中】
【写真 下右】










2015(H27)-07-09 数年ぶりに試聴しました。異常ありませんでした。
2015(H27)-07-11 RH-4 一本オシャカにしてしまいました。