入門・バックカントリースキ-のための基礎知識

【1】 シ-ズン(適期)&コ-スアドバイス
バックカントリースキ-は天候と雪質の落ち着く3月下旬以降が一般的。それ以前の新
雪期(北アルプスではGW頃まで降雪がある)には滑るコ-スが長くとれ、極めつけの
山岳スキ-を楽しめるが、反面雪崩などの懸念があり超ベテランの領域だ(ガイド同伴
は別)スキ-技術のパラレルタ-ン以前の人達は更に落ち着くのを待ち、ザラメ期にな
ってからがお薦めシ-ズン。軽装で粉雪シ-ズンと同じくらいの滑り感触を楽しめ、この
頃になるとビンデングやシ-ルなど、特殊用具無しでもバックカントリースキ-に参加で
きる(例=初夏の乗鞍岳・白馬岳周辺・浅草岳・八甲田山・その他)
くれぐれも慎重であってほしいのは、レベルに応じたコ-スを選び、アプローチ(登路)
を登山バスやロ-プウエイを利用出来れば、登りが短く、滑り距離の長いコ-スになる

【2】バックカントリースキ-のためのスキ-技術
雪質・斜面の変化・樹木等、バックカントリースキ-エリアは当然のこと自然エリア。ゲ
レンデには無い多種多様の変化がバックカントリースキ-の難しさであり、面白さなの
だ。季節(雪質の違い)やコ-スにもよるが、参加者たちは速度のコントロールや狙った
所でのタ-ン、種目で言えば正確なシュテムタ-ン以上の操作と横滑り、そしてキック
タ-ンが必要になる。
同じバックカントリーエリアでも、ザラメ期(北アルプスでGW以降、上信越、東北エリア
で4月中旬以降)になればスキ-操作もやり易くなり、入門者はこの季節から始めるとい
い。スキ-技術はゲレンデの内も外も同じ。深雪や硬雪をこなすには正確な基礎が基に
なり、上達は滑った距離に比例すると言われている。

【3】体力&年齢
バックカントリースキ-エリアはリフトを降りた山ひとつ向こう。コ-スによってはロ-プ
ウエイや林道の終点が出発点となり、山頂(滑降起点)目指してそこからシ-ル登りが
始まる。シ-ル登りは初期コ-ス(当教室プランのひとつ星)で2~3時間。中級(2つ星)
で3~4時間。上級コース(3つ星)で5~6時間の、自分の足で登るアプローチ部分があ
るが基本的に呼吸の乱れないペースで登る。
専用ビンデングの機能を巧く使って体力の消耗を抑え、登行インターバルは50分登って
10分程度の休憩。普通、標高差200m~250m/1時間のペースで登るが、参加者の動
きを見て無理の無いようリ-ダ-が上手にペースを調整してくれる。
バックカントリースキ-の体力は普通の体力。定期的にスポーツをしている運動量があ
ればそれで充分。不足部分は滑りの感動が後押しをしてくれる筈。
年齢に制限なし。経験を重ね少しづつ上のコ-スへとレベルアップしょう !!

【4】用具・装備・ウエアー
*専用ビンデング
  クロスカントリ-スキ-のように、登りの時には踵が上がって歩き易くなり、 滑りの時に
  はワンタッチで固定させ、ゲレンデ用のと同じ機能になる。 軽量、使いやすさがお薦め
  ゲレンデ用に比べて高価格なのが難点。

*シ-ル
  用途:雪国では有史以前からの生活必需品だったとのこと。スキ-の滑走面に貼り付
  けて斜面を登る時に使用する。これによってスキ-を担ぐ労力から解放され、バックカ
  ントリースキ-が体力的に楽になり愛好者が増えている。
  特徴:毛並びを利用し(元祖は天然アザラシ革。現製品は人口革、又はナイロン製)斜
  面に立っても後戻りしない不思議なシロモノ。専用ビンデングと併用して使用する。シー
  ル幅はスキ-の幅に合わせられる幅広製をお薦め (販売店でスキ-幅に合わせてカ
  ットしてくれる)スキ-への着脱操作は慣れれば10分程度で出来るが、現場での強風
  等も想定して事前の練習をしとくと良い。

*リュックサック 
  「ビンデング」・「シ-ル」と共にリュックサックはバックカントリースキ-装備の三器。
  身体にフイットしたザックは背負う中身を軽くさせ、滑る姿を美しくさせる。
  ザック選びのポイント 
 ①スキ-取り付け装置のあるもの(取り付けベルトの幅や長さ、取り付け位置に要注意)
 ②ザックの長さは首からお尻の上まで。上に長いと滑降中にバランスを崩し易く、お尻に
   当たる下長は歩きにくく、滑りの時にも支障がある。ザックの横幅は肩幅程度。コ-ス
   やツア-内容にもよるが、サイズは30~40リットル程度が最適。防水加工が施され、
   型崩れしないよう背に芯材入りがお薦め品。スキ-が上手でも背負うザックは軽い程
   スキ-は楽しい。色々工夫をして(小物類の軽量化やウエア-類の兼用策)ビギナー
   は中身を5~6kg以内に抑えたい。

*スキ-&スキ-ブ-ツ
  近年のスキ-板は多種多様、正直言って滑って見ないと分からない。が、先にも記した
  ようにバックカントリースキ-の雪質も多種多様だ。いちばんは、ゲレンデで使い慣れた
  愛用の板にビンデングを付け替えるのが良策であるが、なかなか販売店サイドでの判
  断が難しく,使い慣れた板に近い性能(トップ幅やサイドカ-ブ、長さ等)のを選べば履き
  始めの混乱もさほどない筈だ。特殊な性能(超ワイド・超軽量・特殊サイドカ-ブ・スキ-
  センター位置の極端 な違い等)の板は特殊な条件下での有効板であり、山ではオ-ル
  -ルランドタイプがいい。試乗会等で自分に合うものを見つけるのも良策だ。
  ブ-ツは初級コ-スであるならゲレンデブ-ツでOK。やがて経験と回数を重ねて必要
  に応じて専用の物に順次変えていくのが経済的で上手な揃え方だ。ただし、まっしぐら
  バックカントリースキ-を目指すのであればこの限りにあらず、全て最初から専用の用
  具を選び、有資格者にキチンと基礎を習うこと。それが上達の早道であり、後悔を防ぐ
  最良の方法だ。

*ウエアーその他小物類
  ウエアーは基本的にはゲレンデ用でOK。背負うザックの軽量化のためにレインウエア
  を兼ねるゴア素材等をお薦め。GW以降になればGパン(スパッツ使用)プラストレ-ナ-
  でもOK.。その他グロ-ブ・ゴ-グル・帽子等、スキ-のための必要最小限装備。行動
  食その他の小物類(ザックの中身)は軽登山を参考にする。

*購入時の注意点&アドバイス
  愛好者が増えスキ-やスキ-ブ-ツの品揃えが店内豊富になった反面、レベルや使
  用目的に合わない物を購入してしまったり、あるいは選ばれてしまったり、との例を時
  折聞きけれど、大切なのは現状のスキ-レベルと優先要素をはっきり伝えること。スキ
  -で言うなら新雪に強いものとか、オ-ルランドタイプとか。ブ-ツで言うなら滑り重視
  なのか、歩きなのか。或は中間タイプとか。商品説明を聞く際に、添付説明書以外に
  店員さんからのアドバイスがあれば、その店での買い物は安心の品選びになるであろ
  う。
 
 


 
 







特殊は 合致