花粉症

ちょっと難しい話もあります、興味ある方はご覧ください
花粉症の疫学
大気汚染とアレルギー
こどもにも花粉症はある?
都市大気汚染
松本市の地形と花粉症
花粉症カレンダー(松本市近辺)
喉頭アレルギーについて


院長の私見

* 私は花粉症歴30年の大ベテランです。
・・・・ (^^;) 別に自慢するようなことでもないけれど。

 そんな私が、最近花粉症の質が変わってきたように実感しています。

では、どこが変わってきたんでしょうか?

1. 花粉症の症状の続く期間が長くなる傾向があること
(一つの花粉だけでなく、多くの花粉に反応する人が多くなってきました)

*これを重複感作といいます。つまり、最初はスギ花粉が増える時期にしか症状が出なかったのに、ある年から6月のカモガヤの時期にも症状が出現するようになったり、秋のブタクサの頃に症状が出現するようになるなど、多種の花粉に反応する方が増える傾向にあります。
2. その間に「咳」をする子供(もちろん大人も)が増えたこと
(4月のヒノキや5月のニセアカシアの時期に、喉の痛み、乾燥感、痰のからみ、声のかすれを訴える人が増加します)

*この症状を喉頭アレルギーと表現し新しい病気の概念として、提唱する先生もいらっしゃいます。参考に上の資料に追加しましたので、興味のある方はご覧ください。私の長年の臨床経験からも、このような疾患概念は認めるべきと考えます。

3. 肌が乾燥する、痒がるなどの皮膚症状を訴える方々が増えました。(かゆみも様々で、顔や体に濃い蕁麻疹様の発疹がでるタイプから、顔や頭が何となくかゆくて手がいってしまうという場合もあります)
4. 原因不明のだるさを訴える人が増えたこと
(4月、5月なんだかわからないけれどだるい、と訴える人が増加してきました)

そんな点が以前より目立ってきました。

日本で花粉症が発見されたのは今から40年ほど昔になります。
ブタクサの抗体の発見が1961年。
そして、スギ花粉抗体の発見が1964年でした

昭和の54-55年頃
スギ花粉の飛散量が急増した頃から
社会で話題になり始めました。

ですから、まだ20数年程度の歴史しかありません。


多くの専門家がスギの植林による緑化政策の弊害といいます。
その他
ストレス
合成食品の摂取の増加
など、様々な原因が考えられております。

しかし私は、

1. ディーゼル自動車などの排ガスによる空気汚染の進行。
ディーゼルの排ガス自体が、鼻の粘膜を傷害することと、排ガスの粒子と花粉が結合することによりアジュバント効果で花粉の刺激性が高まることが考えられます。
2.住宅環境の変化に伴いダニなどのハウスダスト抗原に長期間さらされるようになったこと。
アルミサッシなどの普及で家屋の密封性が高まり、加えて適温を維持する生活スタイルに変わってきたことにより、一年中通してダニ抗原との接触があるようになったことがアレルギー体質の子供が増加している原因の一つになります。
3. オゾン層の破壊による影響
オゾン層の破壊により、微量ですが持続的に宇宙線(宇宙からの放射線)をあびる機会が多くなったこと。
(オゾン層の効能に、宇宙からの有害な紫外線、宇宙線などのカットがあります。宇宙線は一種の放射線です。ラットを使った実験で、微量の放射線を長期間浴びると、免疫を調整するリンパ球を破壊しアレルギー体質を引き起こすということが知られています。オゾン層が次第に破壊されている影響が知らず知らずのうちに我々の体に異常を引き起こしている可能性は否定できません)

などに伴う影響が大きいのではないかと思っています。


いままでは低年齢のこどもには花粉症はないとされてきましたが
しかし、1歳未満の赤ちゃんからもスギ抗体が見つけられています。
最近の報告で大学生からランダムに採血したところ
8割にスギ抗体が見つけられたという報告もありました。

でも、抗体が陽性だとしても、即症状がでるわけではありません。
花粉の濃度にも依存します。
ですから、症状が激しくでる年もあれば、
そんな体質はなかったかのように無症状で終わる年もあります。
花粉に対する過敏性は個人個人により全く異なり、
ピンからキリまであります。
ですから、抗体が陽性であっても、

無症状で経過する方もあるのではないかと思われます。

最近の報告によりますと
長野県は山梨県に次いで
全国2位となる(約25%:4人に1人

花粉症患者が存在する地域だそうです
更に通年性の鼻炎を含めますと
なんと全国1位となる約40%の有病率になります。
花粉症の疫学のページを参照ください)

以前より述べておりましたが、
松本へ転勤後症状が出現する人をよく拝見します。

その一因は「松本の地形と花粉症」にも書きましたが、
松本地域独特の環境もある思います。


今度新たに加えた
喉頭アレルギーといった症状も
これから大きな問題となってくると考えております。
たかが花粉症と軽く考えず
早めの治療をお考えください。


大気汚染で花粉症が悪北


2003年5月14日 Japan Medicine

 

ディーゼル車から排出される微粒子など環境汚染とアレルギーとの関連が指摘されている一方、汚染物質のなにがどのように、どの程度関与しているかといった点は明確になっていないが、横浜市で12日開かれた第15回日本アレルギー学会春季臨床大会では.大気活染とアレルギー発症とは関連があり、どのように関連しているかなどの研究結果が発表された。

慈恵医大耳鼻咽喉科の遠藤朝彦氏は、文部科学省の研究班の調査で、スギ花粉症はスギ花粉の飛散量だけでなく人ロ密度の高い地域、大都市、大気汚染の進行した地域に有病率が高い傾向にあると報告。同時に、東京都の依頼で研究したディーゼル排気物質の被ばく状況とスギ花粉発症との関係から、大気汚染はアレルギー性鼻炎だけでなく、花粉症の悪化因子にもなっていると示唆し、よりいっそうの検証が必要だと述べた。

千葉大公衆衛生学の島正之氏は、干葉県の小学生を対象とした疫学調査から、花粉飛散量は少ないが大気汚染漉度が高い地域のほうが、飛散量が多く濃度が低い地域よりも鼻症状、スギ特異IgE抗体陽性とも有意に高率で、住居環境によって影響に違いがあると報告した。島氏は、小学生のスギ花粉症は増加傾向にあり、アレルギー素因、花粉飛散量とも環境因子が関連していることを示唆した。

国立環境研究所の小林隆弘氏は、大気汚染物質が花粉症様の病態に及ぼす影響について、動物実験でディーゼル排気(DE)、二酸化窒素(NO2)、オゾン(03)を例に、検討した結果を示した。

小林氏らのグループは、モルモットを用いて大気汚染物質に5週間暴露し、1週聞おきに6回、抗原である卵アルプミンを点鼻投与すると、くしゃみや鼻汁が分泌し、また、点眼投与すると眼の充血が誘発されるものをモデルとした。

その結果によると、DE、NO2、03のいずれも、抗原点鼻投与によるくしやみの回数や鼻汁分泌は、大気汚染物質の暴露下のほうが空気清浄下に比べて濃度に依存して増加すること見いだした。さらに、アレルギー性膜炎も増悪する作用があった。大気染物質の暴露が花粉症様の病態を増させる機序として、「鼻や結膜をより低い刺激にも反応するような過敏な状態にし、また、抗原に対する特異的抗体の産生を充進させる」と指摘、大汚染物質が鼻や眼症状を悪化させると述べた。

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