花粉症とOral Allergy Syndrome


  ある種の食べ物、特に果物や野菜を口にすると口腔・咽頭粘膜がピリピリしたり、口唇が腫れるなどの即時性の過敏症状を呈する人がいます。この症状は通常速やかに消失しますが、時に鼻炎、結膜炎、じんましん、胃腸症状、血管性浮腫、喘息、アナフィラキシーショックといったT型アレルギーによる局所的あるいは全身的な症候を呈することがあります。これは Oral Allergy Syndrome ( OAS ) といわれ、花粉症の患者で比較的高率に発症します。

もともと、OASは、シラカバ花粉症の多い北欧で知られていました。日本でも、最近シラカバやハンノキの花粉症が地域的に増加してきており、それに伴って報告が増えております。最近では他の花粉での合併も報告されるようになりました。

    1992年の札幌市での調査では、シラカバの抗体が陽性である人の16.4%で、果肉を食べた後、口唇・口腔粘膜の過敏症を認めたそうです。さらに、1998年の調査ではシラカバ花粉症患者の45%に上の症状を認めたと報告されています。

    シラカバ花粉症の場合、リンゴ、サクランボ、モモ、ナシ、プラム、イチゴなどバラ科の果物でOAS(粘膜の過敏症状)が出現することが多いそうです。メロンやキウイなどはシラカバのみならず種々の花粉症でOASを発症します。

    その他、最近話題になっているものとして、医療従事者の中に、ラテックスアレルギーが問題となっています。医療従事者以外にもラテックスを含んだ物質を扱うことの多い、美容師などでもショックが報告されています。このラテックスアレルギーのある人の中で、アボガド、クリ、バナナを食べると蕁麻疹、気道症状、ショックなどの全身反応を生じる人がいるとの報告があります。これをラテックスーフルーツ症候群というそうです。

    その系統の花粉症がある人で、1度でも果物のアレルギーが起こったことがある人は、その果物を避ける必要があるということ覚えておきましょう。

<OASと関連疾患+原因植物>

抗原 OAS LFS 食物
アレルギー
喉頭
アレルギー
シラカバ オオバヤ
シャブシ
スギ イネ科 キク科
年齢 大人 大人 小児 大人
発症時間 15分以内 短時間 1時間以降 短時間
主症状 口腔、咽頭症状 口腔、
咽頭症状
皮膚、
呼吸器症状
咳、
咽頭異和感
主要原因 リンゴ
モモ
サクランボ
ナシプラム
イチゴ
キウイ
メロン
メロン
モモ
リンゴ
キウイ
ナシ
ビワ
メロン
リンゴ
モモ
キウイ
トマト
トマト
メロン
スイカ
オレンジ
(外国の報告)
メロン
スイカ
リンゴ
セロリ
アボガド

バナナ

牛乳

鶏肉
そば
ハウスダスト
ダニ
スギ

*OAS: oral allergy syndrom

*LFS: Latex-fruit syndrome