専門部の活動状況

2.栗の木林道施設活動

 栗の木林道について 
                                                         報告者:巽 

 水と緑の会の活動はその名の通り山から海までが対象となります。
栗の木林道の活動は一言でいえば、「いかに山を傷めずに、森林施業のための道づくりをするか」を行政と共に考え、実践してきた活動です。
ここでは、活動の概要を紹介いたします。

計画されている森林施業の区域は、松本市南東部 牛伏川の支川、大沢川、境沢川の上流に位置します。
水と緑の会は2003年に、道路開削工事で影響があると思われる環境の調査をするよう、要望しました。
市の当時の担当者は、よく理解してくださり、動植物、地形・地質など詳しい調査を実施し、その後はその調査結果に基づいて「どのようなルートを選べば、環境への負荷が少なく、かつ施業もしやすいか」を主なテーマとして話し合いを重ねました。

 個人で山を持って、林業を営んでいらっしゃる方は、道づくりに大変神経を使い、実によく研究しておられます。
なぜなら道の作り方ひとつで、乾燥したガサガサの貧土を、湿度を保てる地にすることもできるし、崩れを引き起こす不安定な地にしてしまうこともあるからです。

 要望書の提出から始まって、5年にわたって10回ほどの話し合いをしました。
道が沢を横切ると、イワナへの影響も大きいうえ、土砂の崩れも考慮しなくてはなりませんし、間伐作業をできるだけきめ細かくやるためにも、突っ込み線(森の中へ小さい道を引き込み、他の広い道路などにつなげない)にするのがよいという主張をしました。
県のご指導もあって、水と緑の会の意見はかなり取り入れられ、「森林施業道」として造られつつあります。反省点もありますが、なおいっそうすばらしい自然との共生をめざしていきたいと思っています。