地元学           

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塩尻・松本・安曇野の方言 おらぁー言語・民俗学者じゃねーじぃ、 気楽に読んでおくりや。どんどんつけ足すでね。

混迷・秩序がない
らちもねえはなしでこまったっわい
秩序がない話で困りました
「らちもない」  混迷・秩序がないこと
「らちもねぇ」

労力交換
ゆいでやらぁず
労力交換で作業しましょう
「ゆい」  農家の労力交換

ミソサザイ
みそっちょがないてるわ
ミソサザイが鳴いています
「みそっちょ」  ミソサザイ(スズメ目、ミソサザイ科の鳥)

とんぼ返り
まねっくらつくぞ
とんぼ返りをしてみせます
「まねっくら」  とんぼ返り
「まねっくり」  とんぼ返り

鶏・魚
ほーれあっこにととがいるわ。ととたんとたべろょ
あそこににわとりがいますよ
「とと」  鶏や魚のこと。こども(幼児に)に使う

労力奉仕
おてんまだがでられねぇ
共同の労力奉仕ですが出られません
「てんま」  伝馬。部落・地区の共同労力奉仕。
「おてんま」 

山盛り
てっこもりにしてやったでたんとたべろょ
ご飯を山盛りにしましたからたくさん食べてください
「てっこもり」 ご飯の山盛りの状態

泥状
そこはべとだじ
その場所は泥状になってます
「べと」  泥状・泥
「べとべと」  べとの強調でひどいこと・どろんこ状態

地面
じべたでわりいけんどすわっておくりや
地面で申し訳ないが座ってください
「じべた」  地面

田・畑の畔
雨がふらねえうちにくろの草刈れや
雨がこないうちに畔の草を刈りましょう
「くろ」  田・畑の畔


あっこが塩尻とーげ
あそこが塩尻峠です
「とーげ」 峠

宇宙・空
てんじくがまっくらだ
空が真っ暗です
「てんじく」 空・宇宙のことをさす

太陽
そんなことやりぁ、おてんとさまのばちがあたるぞ
そんなことをすると太陽(ひ)の罰がある
「おてんと」 太陽(日・ひ)

積み重ねる
そこへつくねておくりや
そこへ積み重ねて下さい
「つくねる」 積み重ねる 

寛容・にぶい
おおようなひとだじ
寛容(落着きがあり、挙動が立派である)な人
挙動がにぶい人(上記の反対)
「おおよう」  寛容・にぶい (話のなかで判断するので難しい)  

財産
たいしたしんしょうだじ
おおきな財産を持っている
「しんしょう」  身上 (財産、経済力をさす)

日雇取り
ひようとり(ひよっとり)だもんで
日雇取りですから
「ひようとり」  日雇取り(農家などへ1日単位で働き稼ぎにすること)
「ひよっとり」  日雇取り

身体が思うようにならない
しっこしがたたぬもんで
身体が思うようにならないので
「しっこし」  尻、腰が思うようにならない、動かない。
「ひっこし」  「し」が「ひ」と発音する地方がある

夜業
きょうもようなべかい
今日も夜業するんですか
「ようなべ」  夜業

お洒落
えらい、しゃれこくって、どこへいくずら
お洒落してどこへいくのでしょうか
「しゃれこくる」  お洒落をする

繁茂・茂らせる
えらい草たからせたじぁねえかい
沢山、草、茂らしたねえー
「たからせ」  繁茂・茂らせる  

片足跳び
ちんがらかけや
片足跳びで遊ぼう
「ちんがら」  片足跳び

少し・ちょっと
ちょびっとでいいでね
少しでいいです。(ご飯などよそおってもらう時に)
「ちょびっと」 少し・ちょっと 

晩酌
毎日おしきせやるかい
毎日晩酌しますか
「おしきせ」  晩酌

炊事の支度
おしかけしといてくりや
炊事の支度(飯を炊くなど)をしてください
「おしかけ」  炊事の支度(飯を炊くなど)

じょうだん
おたらくばかこいてるじゃねーぞ
冗談ばかりいっているもんではありませんよ
「おたらく」  じょうだん・でたらめの意味にも使う。

財産家
おでえじんだじー
財産家の家です。
「おでえ」  財産家
「おでー」  お大尽 資産家

いらぬ世話・おせっかい
おせんしょなしとせ
いらぬ世話をやく人です。
「おせんしょ」 いらぬ世話・おせっかい 

おおよそ
おーけんでいいでね
おおよそでいいので。
「おーけん」  おおよそ

座る
さあーえんちょしてみろや
腰を下して座ってみて。
「えんちょ」  腰をおろしてすわる(幼児に)

満腹
はらがくちいわい
腹が満腹です。
「くちい」  満腹

なぐる
なまいきなこぞうめ、くらせる
生意気な奴だ殴るぞ。
「くらせる」  なぐる
「くらす」   なぐる

ねじる
なわのはしをよじって
繩の端をねじって下さい。
「よじる」  ねじる
「よじって」 ねじって

いっこうに・・・いけない
あいつはなにやらしてもずでぇだなぁー
あの人は何をしてもいっこうに・・・いけない
「ずでぇー」  いっこうに・・・いけない

木の株・切り株
とっことってくりやー
そこの木の株取って下さい。
「とっこ」 木の株・切り株

速やかに
とっととやれー
速やかに・すぐやって下さい。
「とっとと」 速やかに・すぐやる。 

早く
ちやっ、ちやっとやれょー
早くやって下さい
「ちやっと」  早く 
「ちやっ、ちやっと」  重ねていう早く早く

動く
ちょっといごいておくりゃ
あなた、少し動いて(移動して)下さい
「いごく」  動く
「いごいて」  動いて

ありがとう
あんと
ありがとぅね
「あんと」 ありがとう 幼児の行為に対して礼を言う。 

朝早く
あさっぱらからどこゆくだい
朝早くからどちらへ行くのですか
「あさっぱら」  朝早く

干渉しないで・相手になるな
あんなものえーしくらうな
あの人に干渉しないで下さい・相手になるな
「えーしくらう」  干渉する・相手になる
「えーし、くらうな」  干渉しないで・相手になるな
「えーしらう」  干渉する・相手になる
「えー、しらうな」  干渉しないで・相手になるな

子どもを背負う
ちょっとおばってくりや
少しの間、子どもを背負って下さい。
「おばる」  子どもを背負う
「おぶう」  子どもを背負う
「うばる」  子どもを背負う
「うばう」  子どもを背負う

茹でる
あんね、うどんうでておくりー
ねぇさん、うどん茹でて下さい。
「うでて」 茹でて・茹でる 

頑固に意地を張ること・思いやりのない人
あの、いんごうおやじめ
あの人は意地を張って頑固だ。思いやりのない人だ。
「いんごう」  頑固に意地を張ること・思いやりのない人。因業(仏教語)

木綿や紙が燃える臭い(嫌な臭い)
なにー燃やしたやぐせぇ
何を燃やしたの、へんな臭いですよ。
「やぐせぇ」  木綿や紙が燃える臭い
「やぐさい」  木綿や紙が燃える臭い

余計なこと
いらざらねぇこというじゃねぇぞ
余計なことを言ってはいけません。
「いらざらねぇ」  余計なこと
「いらざらねぇわ」  余計だ。

かき回す
あんまりかんまさぁなんでおくり
あまりかき回すことは止めて (議論・討論などで紛糾させること)
「かんます」  かき回す
「かんまぁーす」  かき回す
「かんまさぁなんで」 かき回すことをしないように懇願する 

内輪の小宴会
あとふきやってっておくりやね
内輪で小宴やりますからどうぞ
「あとふき」  祝宴や葬儀などがすんだあとの内輪の小宴会

湯気・水蒸気
あんとこからいきがあがってる
あすこから水蒸気があがっています。
「いき}  湯気・水蒸気

良くない
そんなこといけすか
そんなことは良くない・良くありません
「いけすか」 良くない・良くありません 

ご馳走
えらい、ごっつぉーだねぇ
沢山のご馳走だ
「ごっつぉー」  ご馳走

汚い
ごむせぇもの、すてましょ
汚い物は捨ててください
「ごむせぇ」  汚い
「ごむさい」  汚い

苦しいことを続ける状態
よくやるじゃんかい、こんきがいいねぇ
苦しいことを続けてやりますね
「こんき」  苦しいことを続ける状態  

塵(ごみ)
たもとにごもくがいっぱいだ
袂に塵(ごみ)が一杯
「ごもく」 塵(ごみ)
「ごもく」 袂ぐそ

俵のふた
さんだらわ(さんだわら)よこせ
俵のふたをください。
「さんだらわ」  俵のふた 
「さんだわら」  俵のふた 

飯桶(精白した米や玄米、豆などを貯蔵する桶)
はんぼ洗っておけや
飯桶(精白した米や玄米、豆などを貯蔵する桶、1俵くらい簡単に入る深さ70センチの大きな桶)を洗って下さい。
「はんぼ」  飯桶

口いっぱい入れて
ほうばりましょ
口いっぱい入れて食べてください。
「ほうばり」  口いっぱい
「ほうばる」  口いっぱい
「ほうばれ」  命令強制するとき

めちゃめちゃに
ネコにささらほーさらにされたわぃ
猫にめちゃめちゃにされた。
「ささらほーさら」  めちゃめちゃに

寒さに痺れる・こわばる
手がかじかむ
寒さで手がこわばって・痺れて。
「かじかむ」 手がこわばって・痺れて

無愛想
そっけねぇしとだがいいしとだじぃー
無愛想だがいい人だ。(しと、人のことだが、ひとといわずしということが多い
「そっけねぇ」  無愛想・愛想がない

怒る・面白く無い顔
いぼつってなんでこっちへこい
怒ってなんでこちらへきなさい。
「いぼつる」  怒る・面白く無い顔
「いぼつって」  怒ってなんで・面白く無い顔してなんで

あられ(霰)
あられつくったでたべろな
あられつくったので食べてください
「あられ」  餅をさいころ状に切って乾かしたもの。 菓子
「あられ」  霰

氷柱(つらら)
あめんぼたべりょや
つらら(氷柱)たべるか
「あめんぼ」  氷柱(つらら) 

足袋
さぁーたーた履け
さぁー足袋はいて
「たーた」  幼児に使う、幼児が足袋のことをいう幼児語 足袋のこと

不足または貴重
たしねぇでたんと使うなよ
貴重だから少し使って下さい
「たしねぇ」  貴重な・不足

軽率
おちょんきなことばかりしてると〜
軽率な行動をしているといまに〜
「おちょんき」  子どもの軽率な行動に対して
「おちょび」   子どもの軽率な行動に対して

気軽な
あんしとはさっそくなしとだじ しとはひと(人)がなまったもの
「あの人は気軽な人です
「さっそくな」  気軽な

差し出す
あんねこうやってさんだすだぞ
「姉さんこう差し出すものですよ」
「さんだす」  差し出す

財産
しんしょなくしたわい
「財産を無くしました」
「しんしょ」  財産

充分に
えらいめがさんざあったじ
「いやなことが充分ありました」
「さんざ」  充分に

大きな仕事
じぎようをしてるかい
「家を建てているかい」
「じぎよう」 家を建てるなど大きな仕事・作業のこと。

棟上げ
いつたてめぇーだい
「いつ、棟上げですか」
「たてめぇー」 棟上げ。

割合
そのたっぺでやりましょや
「その割合でやりましょう」
「たっぺ」 割合。

相手にするな・しないように・からかうな
あんなひとにかかしろう
「あんな人、相手にするな」
「かかしろう」 相手にするな・しないように・からかうな。

外側
がぁたをこっちにむけろ
「外側をこちらに向けて」
「がぁた」 外側

チカラシバ 植物方言
カゼクサであそべや
「チカラシバで遊ぼう」
「カゼクサ」 カゼクサという植物は別にあるがチカラシバも風に揺れることから付けられた。
「ミチシバ」 道にある芝。
「たぬきのしっぽ」 穂がタヌキの尻尾に似ていることから。

乾燥する
まぁずはしゃぐ
「まあ、乾燥して大変だ」
「はしゃぐ」  乾燥・乾燥する

稲架
はぜかけるで今日はてつだえな
「稲架かけるので今日は手伝って」
「はぜ」  木曽・塩尻地方・東北信地方
「はざ」   小県地方
「はぞ」  上伊那地方
       上記の地方でも混ざった使われかたをする。

はかどる
今日ははかいくわぃ
「今日の仕事ははかどる」
「はかいく」 はかどる 

既に・もはや・もう
なに、はい、なれているもんで
「なぁにもうなれているので」
「はい」 既に・もはや・もう 木曽地方で良く使われる。

えがらっぽい・いがらっぽい・刺激
こりゃ ばかにえごい
「これは、えがらっぽい・いがらっぽいね」
「えごい」  えがらっぽい・いがらっぽい。特に食べ物がのどを通る時の感じ 刺激。 

ねたむ
えせんじぁいけねんね
「ねたんではいけませんよ」
「えせむ」  ねたむ

これから行なう
じきにやるでまっておくれや
「これから(直ぐやるのではない)やります 待ってください」
「じきに」 これから行う(直ちにではない) 

野菜畑
せんぜぇやらなきゃいけねで
「野菜畑をやらないといけない」
「せんぜぇ」  野菜畑(本来は家に隣接している畑)
「せんざぃ」  野菜畑

小意地の悪い 小世話をやく
あいつゃー、せたっこうばかあてやぁがって
「あの人は小意地の悪い 小世話をやくことばかりいっていやな奴だ」
「せたっこう」  小意地の悪い 小世話をやく
「せたっこぅねぇ」  小意地の悪い 小世話をやく
「せたっこぅあてる」  小意地の悪い 小世話をやく

腹がたつ
まぁず、ごうがわいてせ
「ほんとに腹がたつて」
「ごう」  腹がたつ

どなる しかる
そんねにぐざる
「そんなにどなるな しかるな」
「ぐざる」 どなる(大声で荒い言葉で) しかる 

分岐
あのわかされを右に
「あの分岐を右に」
「わかされ」  分岐 分岐点


ぶよにさされてかゆいわぁー
「蚋に刺されてかゆい」
「ぶよ」  蚋
「ぶゆ」  蚋

捨てる
へぇーぶちゃれ
「もう、捨てろ」
「ぶちゃれ」  捨てろ
「ぶちゃる」  捨てる

虚言・うそ・つくりごと
そらっことばかりいうでやぁーせ
「つくりごと・うそばかりいうのであの人は嫌いだ」
「そらっこと」  虚言・うそ・つくりごと
「そらっぱち」  虚言・うそ・つくりごと

嘔吐
あいつ、げっこしてるわ
「あの人、吐げてる」
「げっこ」  嘔吐する・あげている・はいている。

完全な・正確な
ちょうきんなこともできなんでいろいろいうな
「完全なことも出来ないで色々、言わないで下さい」
「ちょうきん」  完全な・正確な

ひどく・大変
えらいーさむいじゃねぇかい
「ひどく寒い日だねぇ」
「えらい」  ひどく・大変な  人に「えらい人せ」と言われたら要注意
「えらぇく」   ひどく
「えらかった」   大変だった
「えらかっつら」  相手をきずかう

行こう・行きませんか
あした、一緒にいかず
「明日、一緒に行きませんか」
「いかず」  行こう・行きませんか
「えべや」  行こう 歩く・歩け
「えんで」  歩いて

尼僧
あんじゅさま呼んでこい
「尼僧さまを呼んで」
「あんじゅ」  尼僧
「あんじょ」  尼僧のこと

幼児の足
あんよ虫にくわれるなょ
「足を虫(蚊)に食われるな」
「あんよ」  幼児の足 小児語

うっとうしい・うるさい・邪魔
まぁーずやぶせってぇやつだなぁ
「うるさい人だなぁ」「うっとうしい人だ」
「やぶせったい」  うっとうしい・うるさい・邪魔
「やぶせってぇ」  うっとうしい・うるさい

明明明後日
やねあさってころやるで
「明明明後日ころやります」
「やねあさって」 明明明後日 

いじめる・意地悪なことを言う、する・無視する
あんまりかまっちゃいけねぞ
「あまりいじめてはいけないよ」
「かまう」     いじめる・意地悪なことを言う、する
「かまっちゃ」  いじめる・意地悪なことを言う、する 語尾が「えや」になると「かまっちゃえや」となり集団で謀議すること
「かまうな」
    無視しろ(命令)「あんなものかまうな」

無理難題・理不尽・馬鹿なこと・いきなり・乱雑な
ごたばかこいてだめだ
「理不尽な・無理ばかり言ってだめな人だ」
「ごた」    無理難題・理不尽・馬鹿なこと・いきなり・乱雑な
「ごたこく」  ごたを言う。
「ごたこくでねぇー」 ごたを言うな。 

乱暴な・元気な
このがったこぞうめ
「この子は乱暴だ」
「がった」  特に子どもに使う 乱暴な・元気なありさま。

立ち居振る舞いが清楚・きりっとしている
みやましぃーない
「清楚できれいだーね」
「みやましぃー」 立ち居振る舞いが清楚・きりっとしている。美しい・綺麗な。 

不器用
おめぇーはぶきっちょだなぁー
「あなたは、不器用だ」
「ぶきっちょ」 不器用 

甘える
ぞぜぇてばかりいなんで
「甘えてばかりはいけませんょ」
「ぞぜーる」  甘える(特に子どもが甘えること)
「ぞぜぇーて」

「ぞぜっこ」  甘える子どものこと「こ」は子どものこと。

その内に
そのいとにいくで
「その内に行きます」
「そのいと」  その内に

一時・短い間・短時間 ちょっと
しとっきり、よりましょ
「ちょっとのあいだ、寄ってください」
「しとっきり」   一時・短い間・短時間
「しとっきら」   語尾が「ら」に
「ひとっきり」   先頭語「し」が「ひ」になまる
「ひとっきら」

しかられる・怒られる・ぶたれる・打たれる
そんなことやってるとどやされる
「そんなことをしているとしかられるます」
「どやされる」  しかられる・怒られる・ぶたれる・打たれる。受動側
「どやす」  短縮したもので行動を行う側が使う。

折る
それ、おしょっておくりゃ
「その枝、折って下さい」
「おしょる」  折る。語尾は変化「て」や「れ」に。

終わり・仕舞い・最後
しめぇっぱれにやられたわぃ
「終わりにやりこめられた」
「しめぇっぱれ」  終わりに・仕舞いに・最後に
「しめぇっぱり」 「れ」が「り」に
「おしめぇー」  終わりに・仕舞いに・最後に。

追う・追い立てる
ハトをまくれ
「鳩を追って下さい」
「まくる」  追う・追い立てる・追っ払う
「まくれ」  
「おんまくる」  「まくる」におんがつく
「おんまくれ」

わざわざ
やくやくきてもらって、わるかったいね
「わざわざ来ていただいて申し訳ないです」
「やくやく」  わざわざ
「やっくら」  わざわざ(悪い意味、「やっくらやりゃーがって」などに使う)

すねる(くどくどと)
そんねにどじる
「そんなにくどくどすねるな」
「どじる」 すねる。(くどくどと)
「どじをこく」  丁寧な言い方
「どじこく」  上の短縮した言い方
「どじこ」  すねる子ども

ごまをする
おちょべたれたってだめだじぃ
「ごまをすってもだめです」
「おちょべ」  ごまをする

終わる・終える
これ、おやしたらいくで
「これ、終わったら行きます」
「おやす」  終わる・終える。語尾は「し」とか「す」に

奢る
たまにゃおもれ
「たまには奢って下さい」
「おもる」  「今日はおもるわ」など人に奢ることを伝える意。
「おもれ」  強制の意を込めているとき「れ」に。

ふざける
あくさればかしてなんで
「ふざけてばかりしていると」
「あくされる」 ふざけること
「あくされ」 ふざけ、ふざけること。 

大丈夫
あんじゃーねぇで心配しますな
「だいじょうぶだから心配しないで」
「あんじゃーねぇ」 大丈夫 

遊ぶ
またあした、あすべや
「明日、また、遊ぼう」
「あすべや」  遊ぼう
「あすぶ」  遊ぶ。

さようなら
じゃーあばなー、またあした、あすべや
「さようなら、明日、また、遊ぼう」
「あばなー」   さようなら・さよなら・バイバイ
「あばよ」     語尾が
「あばねー」   女の子のさようなら 語尾がやさしくなる。

無い
そんなことあらすか
「そんなことは無い」
「あらすか」  無い。

恥ずかしがる・人見知り・はにかむ・照れる
あぁあーわにてる
「このひと照れてる」子どもだと「人見知り・はにかむ」など
「わにる」  恥ずかしがる・人見知り・はにかむ・照れる。

悪意のある・邪意のある言いかた
あてこすりばかこいて
「悪意のある言いかただ」
「あてこすり」  悪意のある 邪意のあるいいかた。

漏る
このおけ、もうるじぃー
「この桶、漏るよ」
「もうる」 漏る・足を突っ込む(雪などに)。

目やに
めめくそとってやれや
「めやにを取ってやって下さい」
「めめくそ」  目やに(幼児の出す目やに)

一時・いちじ・しばらく・一刻
ひとっきり休んでいきましょ
「一時、休んでいったら」
「ひとっきり」  一時・いちじ・しばらく・一刻
「しとっきり」  「ひ」が「し」になまる。
「ひとっきら」  語尾が「ら」に。

末っ子
あれはおとっこせー
「あれは末っ子です」
「おとっこ」  末っ子

早く
ちゃっとやれ
「早くやって」
「ちゃっと」  早く
「ちゃっ、ちゃっと」  重ねて使う場合は早く早くと強調の意。

お世辞
おべんたらばかこいて
「お世辞ばかりいって」
「おべんたら」  お世辞
「おちょべ」  お世辞

一緒に
おなしょにやれや
「いっしょに遊んで」「一緒にやって」
「おなしょ」  一緒に〜をする。

投げる・捨てる
そんなとこへほかる
「そこへ投げるな(捨てるな)」
「ほかる」  投げる捨てる
「ほっぽらかす」  道具やものを投げ捨てておくこと。
「ほったらかす」  道具やものを投げ捨てておくこと。

ませた
おべんこなことをいうじゃあねぇか
「年のわりにませたことをいうねぇ」
「おべんこ」  子どもが年のわりにませたことをいうこと。大人にも使う(仲が良い大人同士で)。

中空
なかがうとんぽになっています
「なかが中空になっています」
「うとんぽ」  中空 悪口で「あいつの頭はうとんぽだ」などと言う。
「うと」
「うろ」  樹などのうろ(中空)

先端
うらをこっちにむけろ
「棒のさき(先端)をこちらに」
「うら」 棒のさき(先端)のこと  裏ではない。 

わざわざ
やくやくきてもらってわるかったいね
「わざわざ来て貰って悪かったです」
「やくやく」  わざわざ
「やっくら」  無理に、わざわざ、ことさらにする。

しろかき
きようはあらくれするで
「今日はしろかきやるぞ」
「あらくれ」  田のしろかき 「くれ」は土塊のこと。

あすこ あそこ
あっこにある
「あすこにあります」
「あっこ」 あすこ
「あっこ」 足のかかと 子どもに「あっこはけ」は靴を履く意味
「あっこ」 性器を指す。

弱音をおおげさ、わがまま、だだ
おめぇはおんじょばかこいて
「お前は弱音ばかり言って」
「おんじょ」 弱音をおおげさ、子どもにはだだ、わがまま「おんじょ、こいちゃだめだ」と言う。
「おんじょこき」 泣きごとを良く言う人を指す。

泣く様子、泣きやすい様子
めそめそしておら、やだぁ
「泣くと私は嫌だ」
「めそめそ」 泣く様子、泣きやすい様子、天気が悪くなる時、雨が降って来そうな時「めそめそしてきた」
「めそ」 泣く様子「めそかくな」

燃えさし
そのもえしゃくれこっちへくべろ
「その燃えさしをここへ寄こして焚いて」
「もえしゃくれ」 燃えさし、燃え残し
「もえしゃくり」 「れ」が「り」に変化。

土を寄せる
ねぎにいをかうで手伝え
「ねぎの土寄せをするので手伝って」
「いをかう」 土寄せをする。

公役、共同勤労奉仕
きょうはかんやく
「今日は勤労奉仕です」
「かんやく」 公役、共同の場所の勤労奉仕
「おてんま」 公役、共同勤労奉仕

かぼそい
まぁず、かんちょろい手だなぁ
「まあ、かぼそい手だこと」
「かんちょろい」 かぼそい。

でたらめ いい加減
あてずっぽばかこいてだめだ
「でたらめばかり言ってだめだ」
「あてずっぽ」  でたらめ いい加減。

雷(かみなり)
かんだちさまくるでけぇろや
「かみなりが落ちるから帰ろう」
「かんだち」 かみなり 親の小言
「おかんだっちさま」 「お」は敬称 「さま」も敬称。

悪い
ここはおぜえとこだ
「ここは悪い場所だ」
「おぜえ」 悪い 場所、所などに使うが「おぜえ人だ」のように人にも使う。
「おぞい」 悪い ずるい、こすい、狡猾、下劣の意。

かわいそう 気の毒
もうらしいじゃねえかいあんなことになっちまって
「かわいそうだね あんな事になって」
「もうらしい」 かわいそう。気の毒。
「もごい」 かわいそう。気の毒。

仕事嫌い
あいつはずくなし
「あの人は仕事嫌いだ」
「ずくなし」 仕事嫌い。
「ずくがねえー」

反抗(言葉でする)
なんかいやぁーうってけぇしばかこいて
「なにか喋れば反抗ばかり言って」
「うってけぇし」 反抗(言葉でする)

復讐
そんねにかまやぁー いまにあたなしされるぞ
「そんなにいじめるといまに復讐されますよ」
「あたなし」 復讐。
「あてなし」 「た」が「て」に変わって。
「あだなす」

こぼれる
そんなことやりゃーあかっちゃう
「そんなことをすればこぼれる」
「あかる」 こぼれる。
「あかっちゃう」 こぼれちやう

疲れる 苦労
しごとがえらくててきねぇ
「仕事が大変で疲れる」
「てきねぇ」 疲れる 苦労。
「てきない」
「ごしたい」
「ごしてぇ」
 ごしたいの強調。
「しんどい」
「しんでぇ」 しんどいの強調。

具合 
このごろ、あんべぇよくねぇでこまったわぃ
「このごろ具合が悪くて困っている」
「あんべぇ」 具合 都合 調子 ようす。

でたらめ いい加減
あれはいいからかんだもの
「あの人はでたらめだ」
「いいからかん」 でたらめ いい加減なこと。
「えぇからかん」 いをえと言う所もある。
「いっからかげん」 いい加減に

囲炉裏
よろりばたであたれ
「囲炉裏で暖まって」自在鍵のある囲炉裏は無くなった
「よろり」 囲炉裏(いろり)のなまり 

(あいだ)
そのあいさにおってるわ
「その間に落ちている」
「あいさ」 間 隙間。

冷やかす
まぁず、おひゃらかしてやだ人だ
「そんなに冷やかして嫌な人だ」
「おひゃらかして」 冷やかして。 

乱暴する。いたずらする。
そんねにあたける
「そんなにいたずらするな」
「あたける」 子ども、赤ちゃんがよく動くこと。

悪口
あのあくたれ小僧が
「いたずらなこどもだ」
「あくたれ」 いたずら 下品な。

額(ひたい)
おめぇはいいひてぐちしてるなぁ
「お前は良い額をしてる」
「ひてぐち」 額(ひたい)。
「してぐち」 「ひ」が「えになったもの。

相手になって
餅搗くであえどりしておくりゃ
「お餅を搗くので相手になってください」
「あえどり」 相手になって。

上がる
さぁさ、おあがりなさんし
「さあ、上がってください」
「おあがりなさんし」 玄関から家に上がる。訪問する。食事・お茶などを勧める。食べる。ては丁寧
「よっておくんな」
「よっておくんなんしょ」

「よっておくれなんして」 丁寧に。
「よりましょい」 友人、友達など気の置ける親しい人に。

凍る
今日はしみるねー
「今日は寒い、凍る」
「しみる」 凍る、冷える、寒い。

凝る(手足が)
手が、かじかんじゃって今日はしみるねー
「手が寒く凝ってしまう、今日は冷える」
「こごえる」 標準
「かじかむ」 手足が思うように動かない。
「こる」 手、足、肩が凝る 活動が悪くなる。

雪などに踏み込む。転ぶ。すべる。
まぁず、雪につんもちゃって
 「雪に踏み込んでしまった」
「ふみこむ」 標準
「ふんごむ」 こたつなどの炭に踏み込む。
「ふっこむ」 雨や雪が吹き込む。こたつなどの炭に踏み込む。
「もうる」   雪などに足を落とす
「つんもる」 突き込む。勢いよく突きこむこと。
「つもる」  足を落とす。
「つんもぐる」 強調するとき。
「つんめる」 転ぶ
「つんのめる」 前に転ぶ 

たんぽぽ 植物方言 
くじなでもとってくるかー
 「タンポポを取りにいくかー」
「くじな」植物方言タンポポのことで若芽、花を問わず全体を指す。一茶の臼唄「男やもめと、くじなの花は、さかりすぎれば、ごぼ『御坊)になる」毛がなくなること。

容易でないこと
なんでも、あだじぁねぇ〜んね
 「なにをするにも楽でない」
「あだじぁねぇ〜」 楽が出来ない。容易でないこと。容易にできないこと。語尾はいろいろに変化

巡る。廻る。回る
まぁ〜ず、あの、あにはめぐるじぃ〜
 「まったく(まあ)あの若い者は頭が良い」
「めぐる」 巡る。廻る。回る。頭の回転がよいこと。

男の人
おっさまを、むかえにいけや〜
 「和尚さまを迎えに行って欲しい」
「おっさま」 和尚さまの場合は「おっ」がアクセント強い。おじさん(近所)の場合「さま」が下がる。
「おとっさま」目上の人をよぶとき。自分の父親を呼ぶとき。
「おじっさま」年寄りを親しみを込めて呼ぶとき。自分の祖父を呼ぶとき。
「おめぇ〜」 相手を指す言葉。
「おめさま」 敬って。
「おめぇ〜た」 他人をバカにして呼ぶ。年下を呼ぶとき。
「われ」 他人を呼ぶ。目上の人が目下を呼ぶとき。
[ちゃ」親しい人に使う。例えば「としくん」を「とっちゃ」などと呼ぶ
「わし」 私。自分のこと。「わしゃ〜」と語尾をのばすときもある。
「あに」 親しみの意味を込めて若い者を呼ぶとき。兄。
「あにぃ〜」 親しみの意味を込めて。兄。
「じっさま」 年寄りを尊敬。
「じじぃ」 老人。年寄り
 

女の人
まあ〜ず、め〜でのあんねは、よくはたらくじ〜。ちょっとも、ちゃんとしてねぃね。おめ〜も、みならえー。
 「まあ、家の前の娘は良く働く人だ。少しも休まずいつも体を動かしている。お前も見習ったら。」
「あんね」 娘の意味だが既婚の親しい人にも使う。
「ね〜さま」 親しい人に尊敬の意味。親族の人にも
「あねさま」 尊敬。
「あねっこ」 姉さん
「あまっちょ」 小娘
「おんなしょ」 自分の奥さん 女の人の集団をまとめて呼ぶ
「ね〜さん」 親しさをこめて呼ぶ。
[ちゃ」  親しい間柄に使う。例えば「さちこさん」を「さっちゃ」などと呼ぶ
「びっちょ」 自分の子どもに使う。
「くそびっちょ」 自分の子ども、または他人のあまり好きでない人。自分の奥さん。
「おばぁさま」
「ばぁさま」 自分の奥さん。他人の奥さん。
「かかさ」 自分の奥さん。
「おっかぁ」 自分の母親
「おっかさま」 自分の母親 親しい他の家の人にも使う
「ばばさ」 年寄り。自分の奥さんをへりくだって(おらいのばばさ)
「くそばばさ」 悪口。年寄り。自分の奥さん。