アイコン 過剰な電源設備−2

原子力を進めてきた人たちは、電気は貯めておけないので、一番たくさん使う時にあわせて発電所を準備しておく必要があると言います。しかし実際には、右の図に示すように、ごく少数の例外的な年を除けば、最大電力需要量が火力・水力発電所の合計でまかなえなかったことはありません。そうすると今度は、水力は渇水の場合には使えないとか、定期検査で使えない発電所があるなどと言って、原発を廃止すれば電気の供給が足りなくなると国や電力会社は主張します。しかし、極端な電力使用のピークが生じるのは一年のうち真夏の数日、そのまた数時間でしかありません。かりにその時にわずかの不足が生じるというのであれば、そのようなことはささいな問題です。工場の操業時間の調整、エアコンの温度設定の調整で充分に乗りきれます。今であれば、原子力を即刻廃絶しても、困ることは何もありません。ただし、今後も電力使用を拡大しようとするならば、現在の発電所で足りなくなるのは当然です。原子力発電が最悪の選択肢だとしても、火力、水力にしても環境に多様な悪影響を与えます。

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