際限のない資源やエネルギーの浪費は人類に絶滅をもたらす最大要因のひとつである。日本におけるエネルギー消費の実績を下の図に示す。日本は特に第二次世界戦争後、1970年代前半迄、年率10%という急激な勢いでエネルギー消費を拡大してきたが、過去100年以上に渡って続いてきたエネルギー浪費の構造を維持するかぎり、日本の環境が人間にとって耐え難くなるのは、そう遠い将来ではない。
 地球上の生命活動はすべて太陽によって支えられていることは言うまでもない。そして、太陽が地球に降り注ぐエネルギーのうち0.2%に相当する部分によって、風や波、大気の循環などが生じていると言われている。現在の日本では日本全土に降り注ぐ太陽エネルギーの0.6%に匹敵するエネルギーを人為的に発生させている。そしてまた、日本では過去100年以上にわたって、平均すれば年率4%の割合でエネルギー消費を増加させてきた。このままエネルギー消費の拡大を続けるならば、西暦2100年を超える頃には太陽エネルギーが日本にくれているエネルギーと同量のエネルギーを使うことになってしまう。そのような未来に人類が生き延びられないことは当然である。増加率を少しばかり落としたところで、400万年続いた人類の歴史から見れば、同じである。人類が自らの浪費生活によって破滅するまでの時間はわずか100年のオーダー、どんなに長く見積もっても1000年のオーダーでしかない。我々はエネルギーこそが文明的な生活を生み出してきたと信じてきたが、エネルギー消費の拡大を求め続けるかぎり、エネルギー使用自身が人類の絶滅をもたらす。
しかし、希望がないわけではない。2000年以降、日本の人口は減少に転じているし、人々の省エネ意識も進み、エネルギー供給総量は減少するようになっている。
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日本におけるエネルギー総供給の変遷