10/9 WED 懐古別海

「こんな天気の日は開陽台に登って晴れている方向へ向かう」旅人がいるとおかみさんの言葉。 窓の直下を鳴きながら歩いていた鶏・庭のわんこ達に見送られて朝一で開陽台へ。 天気予報は夜0時以降から晴れ。釧路方面と野付半島方面が晴れていそうな雰囲気だ。 今日はぎりぎりまで根釧原野を探検しよう。そして夜晴れそうだったらもう一度開陽台へ戻ろう。

牧歌的風景の広がる根釧原野。お気に入りの風景に出会ったら何度も車を止めては撮影する。 そんなことを繰り返してると道路を横断する牛達に出会う。 牛横断注意の標識はいくつも見たが、ほんとに横断してる場面に出くわすのは初めてだ。 ふと裏摩周へ登りたくなり、ガソリンの残量と相談し急遽原生林の中を走った。 登りきったところに小さな駐車場があり小さな展望台がある。 おとといは正反対の位置から眺めた摩周湖。今日はどんな表情だろうか。
霧の摩周…ではなくよく晴れている
原生林の中を下り再び根釧原野へ戻ると雲が薄くなり薄日が差していた。 続いて多和平へ行ってみる。のんき舎へ泊まったとき、 「開陽台は330度だけど多和平は360度だよ」 と言われていた。どんな地平線が見れるのか期待して展望台を登る。 ここは牧場なので直下に牛や馬や羊がいる。 見渡せば開陽台とはひと味もふた味も違う360度牧歌的風景。 僕は開陽台の青い地平線へ続く根釧原野の方がいいかな、と思う。
天気は…厚岸方面は晴れていそう。
今日はどこへ泊まろうか…。あと3時間あまりで決断しないと! 途中道路わきの牧場で草を食む牛たちを撮影する。車が通っても気にせず食べてるが、 車が止まり人が降りてくるのを感じ取ったのだろう、 近くの何頭かが草を食むのをやめ一斉にこっちを見る。
そのうち無視して草を食み始めた
あまりの迫力に一瞬後ずさりしてしまった。昼飯を邪魔されて不機嫌なのか、 単に人が珍しいのか、それとも見ず知らずの人間を警戒してるのだろうか。 じっと黙って見つめられるとなかなかに恐いものがある。

上西春別の別海町鉄道記念公園は廃止になった標津線の歴史に触れることができる。 この線路が今でも残っていればわざわざ車では来なかったのにな、と思う。 北海道はかつてたくさん鉄道が敷かれていたが、 今はメインの骨を残してみんな廃止になってしまった。 しばし公園で休んだ後、計根別経由で中標津市街へ戻る。

街外れのENEOSで給油。お兄さんにコインランドリーの場所を聞く。 1箇所しかないそうだが、とても親切に分かりやすく対応してくれた。 洗濯をしながらぎりぎりまで空とにらめっこするが、今日も満天の星空は期待できそうにない。 今日はいったん中標津を離れることを決意する。

それにしてもあやしいコインランドリーである。 まず、暗くて外から中が見えない。入ると水槽(ただし水が入ってない!)がたくさん並んでいて 珊瑚っぽい石がたくさんある。そしてドアには「パラオ」と書いてある。 どうやらかつては魚のペットショップだったのだろうか、ということにしておこう。 適当に自分を納得させておくことにした。 洗濯機4台に乾燥機が2台。他にお客はいないし古くてあやしいが、 ちゃんと洗えたからヨシとしよう。

西日は差しているが気が付くと上空は一面の黒い雲。さぁ霧多布「きりたっぷ」岬へ行こう。 西は相変わらずの青空。何ともワカラヌ秋の空だが思い切って根釧原野を離れることにする。 中標津から酪農生産日本一の別海「べっかい」へ。
開陽台とも多和平とも違う別海十景の新酪農村
新酪農村展望台から見下ろす広大な草原牧場にははるか遠く地平線まで牛の群れが見える。 人知れずひっそりとしたところにある展望台を独占した。

奥行臼「おくゆきうす」のパーキングで車を止める。 ここは歴史の交差点で、駅逓というものがあって、標津線の奥行臼駅があって、 旧別海村営軌道風連線奥行臼停留所跡(これだけは未確認!場所がよく分からなかった…) がある。中でもすごいなぁと思ったのは標津線の奥行臼駅。 駅舎とレールとホームが完全な形で残されている。 今にも林の向こうから列車が現れそうな錯覚を覚える。
林の向こうから…
現役時代そのままという保存の形はココだけではないだろうか。 ほんと時が止まったような感じ。炭鉱もこうやって残ってないかな…。
枕木式信号機も駅名標さえも
さて、暗くなる前に霧多布入りしなくては!

浜中駅近くの花咲線踏切でお世辞にも多いとは言えない列車の通過を見送る。 鉄道で北海道を旅するときには絶対に切り離せない路線で、 僕は過去2回、北海道へ来るたびに乗っている。 車窓風景に変化の富んだ路線で、特に別当賀「べっとが」と落石「おちいし」の間は 丘陵地帯をエゾシカの群れとともに走る(!!)素晴らしい区間だ。 今回は車での旅なので乗らないが、偶然にも踏切で1両編成のディーゼルカーと再会する。

日の暮れたなぎさのドライブウエイを走り霧多布の街を抜ける。 今日の宿「えとぴりか村」は岬の突端近くにある。暗いので一度通り過ぎてしまった。 宿泊したのは自転車で道東を巡っているおじさんと僕のふたりだけだった。 ヒグマに関する本を読んでいたおじさんは熊に関する知識が豊富で、 最近の熊は鈴の音に慣れてしまったのでペットボトルをペコペコしながら歩くと 熊よけになるとか教えてくれた。 お風呂は霧多布温泉「ゆうゆ」というきれいな入浴施設へ行く。 ゆうゆは内湯広々。ミストサウナもあって、 露天風呂から見下ろす市街の夜景が綺麗とくる。言うことなしの素晴らしさ。 すぐ近くにライトアップされた風車があるので帰りに立ち寄る。
夜空に映える自然エネルギー
カメラを手にもう一度風車、その先のアゼチ岬、戻って霧多布岬と巡る。 明日の朝早起きして自転車で巡ろうと思う。

その夜は宿主さんと話しながら道路地図に色を塗る。 道内上陸から今日まで走ってきた全ての道に色を付ける。今日まででも結構走ったもんだ。
北海道2002秋 5日目

Next (6th) Day
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