| 10/8 TUE 振り向けば根釧原野 |
ちょっと早起きする。
宿近く、屈斜路湖畔の天然温泉「コタンの湯」で朝風呂を浴びるためである。
先客は誰もいない。完全なる貸切状態。でもお湯がぬるくていくら浸かっていても温まらない。
そりゃ誰もいないわけだ。入る前に湯加減を確認しとくんだった。
でも入ってしまったからには温まるまで出られない。
外はもっと寒いから温まらずに出たら確実に湯冷めするだろう。
湖畔の露天風呂を独占(寒)
ところで今日は朝からいい匂いが宿中を包んでいる。 その匂いはキッチンから漂ってきているようだ。 朝の挨拶をしようとキッチンを覗いたが誰もいない。その正体は自動パン焼き機だった。 出発前に写真を撮り終わるとなにやら小さな虫がたくさん飛んでいる。 雪虫という。この虫が飛ぶとあと2週間で雪が降ると言われているらしい。 もう北海道には着々と冬が近付いてきている。 雪虫を手に止めると白い綿のような羽を身に付けていてそれこそ雪のよう。 でも手に止まると熱ですぐに死んでしまう。何とも儚い虫たちだ。 宿を出発すると宿主さんが大きく手を振って見送ってくれる。 それこそ見えなくなるまでずぅ〜っと振り続けている。 これだからとほ宿は旅立ちが辛い。どこの宿も居心地が良くてずっと居たくなる。 もちろん連泊してゆっくりその地域を散策するのもひとつの旅のスタイルである。 宿の人たちと儚い虫たちに見送られて、とても印象に残る出発の朝。 今日はこの旅の目的地根釧原野まで走る。 まずは屈斜路湖を見下ろしたくて美幌峠へ登る。峠まではカーブ続くがとてもいい道。 天気予報は晴れだと言っていたのに、残念ながら低い雲が出ている。 美幌峠から見下ろす屈斜路湖。スケールが大きすぎて写真に写りきらない。 いかにも北海道という風景に感動するばかりだ。
スケールが大きくて写真に写りきれないのが北海道
とりあえず汚れた車を洗いたかったので美幌の町へ下り洗車場を探す。 39号を網走まで走るが洗車場らしきものは全くない。 つくしヶ丘という海岸段丘の住宅地のセイコーマートで訪ねてみることにした。 始めに向かいのガソリンスタンドを指差され、 この辺は自分で洗車する習慣がないのかなと一瞬思ったが、 この先のスーパーの駐車場に洗車機があると言う。 ウォーターガンで洗車をし終わると、少し雨がぱらついてきた。なんてこった。 気を取り直して知床へ向かう。 網走からはオホーツク海岸を行く。山ばかり見てきたので久しぶりの海だ。 色が他の海と違うように見える。これが流氷を浮かべるオホーツクの色なのか。 荒涼とした湿原は小清水原生花園。
最果ての色は寒々しい
低い雲が出ていて雪でも降りそうな雰囲気が最果て色を強める。でもそんなに寒くない。 JRの原生花園という駅は小さくてかわいい駅舎が女性客の格好の記念撮影場所になっていた。 線路を渡り海が近くに見えるところまで歩く。このときついに雨が降ってきた。 浜小清水から内陸の334号を行く。地図には「斜里岳の眺望良い」とあるが、 曇っていて全く見えない。南斜里の先、道路標識についに道道1000号が現れた。
ついに現れた道道1000号線
道内でやっと見慣れた4桁道路だが、1000とはキリがいいなぁ。 羅臼岳が良く見えそうにないので知床半島は回らずに根北峠を越え根釧原野へ向かう。 途中原生林の中、根北線の長く高い立派なアーチ橋が突如現れる。 長い登りが続き、峠を越えると空が明るくなってきた。 ところで今日は美幌峠といいここの峠といい工事による片側通行が多い。 200mくらい手前に「徐行」の旗をパッと掲げたり動かしたりする人が必ずいる。 笛を吹いていることもある。本州では見たことの無い光景である。 地元の車はみんなスピード出すから、北海道の道路工事現場には確かに必要だろう。 さぁ峠を下りきると憧れの根釧原野である。今回の旅の目的地中標津、根釧原野。 目の前に広がる根釧原野。ゆっくり回るのは後にして、 とりあえず羅臼まで北上する。どうしても海産物を羅臼で買いたい。 古多糖を抜け海沿いの335号を行く。対岸に国後島が横たわっている。 近くて遠いロシアだ。 まずは「道の駅知床・らうす」で情報収集。 インフォメ嬢がいるので市場の場所を聞いてみる。 …ところが市場のようなものは無いと言われる。 こうなったら自力で探すことにする。ここまで来て引き下がるわけにはいかない。 パンフのおみやげ欄に羅臼水産という文字を見つけて標津方面へ引き返す。 羅臼の中心部にいた時間、わずか数分であった。 さて羅臼水産、海産物の商店を想像していたら、海産物加工工場だった。 ほんとにここで海産物が買えるのだろうか? 一応観光客っぽい道内の他地域ナンバーの車がいる。 外の作業員の方に声を掛けると2階の事務所でやってるよとの答え。 事務所へ行くとすでに先客がいて、イクラとタラコを受け取っていた。 ここは何がおいしいんですか?と聞いたら何でもおいしいよと返ってきた。 これは期待大でしょ。事務所では商品ではなくパンフを見せられる。 商品の中身は見えないが、さっきのお客さんを信じよう。きっとウマイはず。 実家へ送ったイクラを後日食べたところ、 生卵を食べたときのように口の中にネバネバした感じの残る「本物」のイクラだった。 間違いなく今まで食べてきた中で一番おいしいイクラだ。 これまですし屋で食べてきたイクラは何だったんだ?と思う。
鮭の遡上の忠類川と海上に浮かぶ国後島
標津へ戻る途中小さな川で車を止める。今は鮭の遡上のピークの時期だ。 橋から川面を覗くが魚は見えない。忠類川でも車を止め橋から見下ろすが、 魚が泳いでいる様子は見えない。もっと近くから眺めないと見えないのだろうか? 他に人もいないし、今日の北海道新聞で遡上する鮭を狙って河原に出没したヒグマの 写真が載っていたこともあり、熊に遭遇したら大変とすぐ車に戻った。 根釧原野は気が遠くなるほど道がまっすぐである。川北を抜け中標津空港の脇を抜ける。 開陽郵便局で現在地を確認し、今夜の宿「地平線」の場所を確かめそのまま開陽台へ向かう。
開陽台への道は根釧原野を貫く延々直線路
古くからライダーの聖地として親しまれてきた開陽台。330度の地平線が広がる開陽台。 夜になると天然のプラネタリウムになる開陽台。 今回の旅の目的は開陽台から根釧原野を見渡し、満天の星空を見上げること。 道内3日目にしてもうすぐ到達する。 真っ直ぐなミルクロードから急な坂を登る。登った先に目指す開陽台が見えた。 いったいどんな景色が待っているのだろう。車の少ない駐車場からついに地平線を目にする。 ココの地平線は想像以上!はやる気持ちを押さえながら展望台へ登る。
振り向けば地平線 見渡せば根釧原野
見渡せばあこがれの最終目的地、どこまでも続く根釧原野。その果てに横たわる青い地平線。 そして遠くにくっきりと浮かぶ国後島。 あまりの素晴らしさに言葉も出ない。ひとけのない開陽台の夕暮れ。 雲は多いが雨が降る様子はない。夜中には晴れて満天の星空を見せてくれ! 裏にテントスペースがあっていくつかテントが建っている。 夏の最盛期にはココがテントでいっぱいになるのだろう。 この時期夜は寒く、テントで一夜を明かす彼らは大丈夫だろうか。 1階の売店かなんかのおばちゃん方が入れ替わりで帰っていった。 さて、今宵の宿へと参りましょう。 民宿地平線は間違って最初住宅側の玄関を入ってしまった。 きらめく星座という部屋に通される。今日はお客さんひとりだって。ちょっと寂しいなぁ。 ストーブが焚かれ暖かい談話スペースでおかみさんと話す。 なんともやさしい中標津のおかあさんだ。 聖地開陽台が近いだけに一般の旅館的な雰囲気かな?と思ってたが大間違い。 古くからのとほ宿は、これぞとほ宿と言えるほどアットホームでなんとも温かな雰囲気。 腹いっぱいの夕食時、仕事帰りのご主人が顔を出して下さる。 開陽台から星を眺めたくて来たと言うと、昨日は100点満点の星空だったと言う。 ナント!直行していれば1日早く満天の星空に会えたというのに…。無念…。 安全運転のご主人と向かった保養所の温泉は内湯も露天もとても広くて快適そのもの。 独占だった露天風呂から眺めた星空は残念ながら0点だった。 風呂の帰り、「こんな日はテントの数を数えに行く」というご主人と開陽台へ。 星こそ見れなかったが、中標津から遠くは根室の夜景、さらには国後は泊村の明かりまで見える。 信じられないけど向こうはロシア。全く違う言語を話す人が暮らす。近くて遠い海外だ。 |
| 北海道2002秋 4日目 |