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2007年4月6日
卒業

あんなもんだったんだろうか?自分も。

中学を出て、高校にうかった頃は、何だってできると思っていた。
誰の手も借りずに、自分の人生、切り開いていけると思っていた。
だから、親が付いて来るのさえ、うっとおしかった。

自分は、もう半人前じゃあない。一人前だ!
大人ではないけど、もう子供でもないんだ。
何だってできるんだ。
親が何だ!。先生が何だ!。
世の中、なめてかかっていた。

母子家庭、父子家庭の子供達の高校進学を激励する会があった。
余計なお世話だ。
母子家庭が何だって言うんだ。
会には顔を出したが、エライさんの挨拶なんて聞かずに、
「都合がありますから」と言って、とっとと退出した。

お前らの世話になんてならない。
その証拠に、見ろ、高校だって自分の思う通りにうかったじゃないか。
どこの高校だって行こうと思えばいけたのに。

雑然と通りを歩いている奴ら。
どけ、オレ様のお通りだ。オレはお前らとは違うんだ。
悔しかったら、ついてきてみろ。


でも、高校入学がそんなにエラかったのか?
描いた人生を歩めたのか?
今となっては、苦い思い出ばかりだ。

そういえば、中学生、高校生の頃は、思い出すら拒否していた。
だから、ロクに写真も残ってない。
今となっては、寂しいばかりだ。

今日、二男の入学式に連れ添った。
そのおかげで、33年前の自分を思い出した。
思い出して、赤面するより、慄然とした。
春の暖かい一日、若き日の尖鋭的な自分を反芻した。
やはり、彼(二男)の瞳は、未来ばかりを見ているのだろうか。

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