あんなもんだったんだろうか?自分も。
中学を出て、高校にうかった頃は、何だってできると思っていた。
誰の手も借りずに、自分の人生、切り開いていけると思っていた。
だから、親が付いて来るのさえ、うっとおしかった。
自分は、もう半人前じゃあない。一人前だ!
大人ではないけど、もう子供でもないんだ。
何だってできるんだ。
親が何だ!。先生が何だ!。
世の中、なめてかかっていた。
母子家庭、父子家庭の子供達の高校進学を激励する会があった。
余計なお世話だ。
母子家庭が何だって言うんだ。
会には顔を出したが、エライさんの挨拶なんて聞かずに、
「都合がありますから」と言って、とっとと退出した。
お前らの世話になんてならない。
その証拠に、見ろ、高校だって自分の思う通りにうかったじゃないか。
どこの高校だって行こうと思えばいけたのに。
雑然と通りを歩いている奴ら。
どけ、オレ様のお通りだ。オレはお前らとは違うんだ。
悔しかったら、ついてきてみろ。
でも、高校入学がそんなにエラかったのか?
描いた人生を歩めたのか?
今となっては、苦い思い出ばかりだ。
そういえば、中学生、高校生の頃は、思い出すら拒否していた。
だから、ロクに写真も残ってない。
今となっては、寂しいばかりだ。
今日、二男の入学式に連れ添った。
そのおかげで、33年前の自分を思い出した。
思い出して、赤面するより、慄然とした。
春の暖かい一日、若き日の尖鋭的な自分を反芻した。
やはり、彼(二男)の瞳は、未来ばかりを見ているのだろうか。
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