お題001・戦う



「――レッドさんの勝ちッ!!」

 響いた声に、向き合っていた青年は、同時に肩の力を抜いた。

「やっぱりレッドの方が強いのね……」

 感嘆、と言うよりは呆れたような声で、ブルーが呟く。

「でもよくやるわよね……その場でつかまえたポケモンでバトルなんて」

「……せめて一時間でも時間があれば」

 グリーンが、その声に重ねるように呟いた。レッドがその声に反応して、顔を上げる。

「それだとグリーンが勝つだろ? 鍛える事にかけたら、右に出るヤツがいないんだから」

「あら、オーキド博士みたいな事言うのね」

 ふふ、とブルーが笑って得意げに人差し指を立てた。

「じゃあアタシは進化に関してのプロフェッショナルなのねーv」

 ご機嫌にクルクルと指を回し、隣に立っているイエローにむかって、ねー?とか言っている。

「……でも、多分勝ったのはレッドだ」

 ブルーに詰め寄られて曖昧に笑っていたイエローは、ぽつりとグリーンが漏らした言葉に気付いた。

「そ、そんなこと無いと思いますよ」

 ぱたぱたと手を振ると、肩を竦めて一言。

「花を持たせてやらなきゃな」

 聞いていたらしいレッドが、にっと笑った。

「どうも。……じゃあ疲れも取れたし、もう一回花とか持たせてもらおうかな」

 側らに置いてあったモンスターボールを掴んで、グリーンがふっと笑う。

「そう簡単に持たせるとは思わないほうが良いぞ」

「簡単に貰おうとは、思ってないよ。……イエロー、もう一回やってもらっても良いかな」

「は、はいっ」

 再び向き合った二人を眺めて、ブルーがやれやれと溜息をついた。

「やるわよねぇ、あの二人も」

 イエローが両手を挙げた。

「試合……開始っ!」



終わり。

戦う……って、案外難しいですねぇ。